Jailbreak

新しい世界の切り取り方

リハーサル~ライブでドラムを叩くときに気を付けていること

広告
 
 
毎年年末はプライベートが忙しい。
正確にはライブに出ることが増えるのだ。しかも、普段やらない人と合わせることもある。
まさに忘年会要員。ドラムを叩けるのは貴重らしい。
そんな自分がリハーサルから本番に向けて気を付けていることをまとめようと思う。

曲は覚える

自分がやる曲がほぼ洋楽のロックかJ-POPなので、覚えるのが難しくないもあるのだが、楽譜を見ながら演奏はしない。
楽譜があると、他の楽器の音を聴くことであったり、他のメンバーとのアイコンタクトがとれない。
人にもよるのだが、アイコンタクトや表情でもっとテンポをあげろとかもう少し小さな音でとかの指示をくれる人もいる。これを曲を止めずに行うのだから、楽譜なんか見てる暇はない。
楽譜自体を否定するつもりはない。
だが、後のテーマにも関わるが、楽譜通り予定通りにいくことの方が少ない。
楽器を通してはいるがバンドで合わせるということはコミュニケーションだということを忘れてはいけないと肝に命じるのだ。
 

合わせる人のレベルに合わせる

大抵バンドのリーダーにこの曲叩ける?というお話をいただいて、曲を聴いたり手元になければ提供していただいて大まかな構成は覚える。そこからリハになるのだが、練習を進めていくと大きくそのバンドの傾向が4パターンに分類できる。
①メンバーのテクニックがあり、完コピを目指す
②メンバーのテクニックがあり、完コピよりも自由に遊んでしまう
③メンバーのテクニックがなく、完コピを目指す(完コピできない)
④メンバーのテクニックがなく、完コピよりも自由に遊んでしまう(修羅場)
 
 今まで参加したバンドは大抵そこそこテクニックがある人達との即席バンドがほとんど。
その場合、自分が多少ミスしても何とかなる。テンポに厳しいときがあるので、いつもより最初のカウントに気を使ったりする。
逆にあまりテクニックがない人達にはテンポを落としたり、できる限り原曲に近いドラムを叩くようにしてみたりする。
 
またカラオケ気分で歌ってるボーカルに対しては気を使う。
リハーサルから雰囲気に飲まれて歌に入れないなんてことがざらにある。
そうならないために本来やっていないフィルインをやってみたり、アイコンタクトをとってみたりドラムとしてアプローチできることは全てやらないとバンドとして成り立たないからだ。
 
あくまで合わせる人のレベルとやりたいこと・できることに合わせる。
そして、楽曲が崩壊しないように最大限のハランスをとるのだ。
 

やりたいのはカバーかコピーか

 前述のレベルに合わせることにも関係するのだが、カバーならアレンジをするし、コピーならほぼそのままやることになる。コピーをするなら基本的には原曲と同じ尺、同じパターンでドラムを叩くわけだが、他のメンバー(特にベース)もコピーをしないとバタバタになって聴くに耐えないものになってしまう。
なので、メンバーの出方によって合わせる必要がある。前述の件とも重なるが、歌が入れないのは困るので本来やっていないフィルインを入れるのもこのためである。
 
カヴァーの場合、どう料理するのかやイントロや間奏やソロの長さを決め、合わせる必要があるのでそのための練習が中心となる。
 
その場で決めたことはその場でやる。
そして、本番でもアレンジの通り演奏するだけである。
 

タイコのチューニングをする

自分の対バンのドラマーの方に多い気がするのだが、スネアのチューニングをしない。
そのスネアで狙っている音はどこ?と思ってしまう。
 
まず、自分の好みのスネアのチューニングはハイピッチでカンカン鳴る状態。 
そこから倍音が干渉しあって揺れないように微調整する。
これをベースに高低を決めている。
タム類は極端なピッチではない限り鳴りを確認して微調整とたまにミュートするくらい。
ドラムのサウンドにリクエストを受けたことはあまりないが、欲しいサウンドが具体的にあれば、それに可能な限り(時間が許す限り)狙うようにしている。 
 
あまり厳密なチューニングを求められることはないし、本番のステージでは必ずしもしっかりと狙ったチューニングをされたドラムセットを叩ける訳ではない。それでも、ちゃんと聴こえる音・耳障りではない音を目指すことは忘れない。鳴らないチューニングをしてあるドラムを鳴らさなければならなくなるのは本当に最悪だ。まずは鳴る状態にしてからミュートである。
 

本番ではペース配分を守る

本番は大体2~5曲ほどの演奏になることが多い。数曲であれば、ペース配分はあまり気にしないが、3曲を超えるくらいからペース配分を考える。主にロックが多いのもあり、パフォーマンスとしてオーバーアクションでドラムを叩くため、握力が持たなくなったり体力が続かないことが想定されるのだ。これは普段のライブでも同じことがある。
特に最初の曲がアップテンポだとボコボコ叩きがちなので、セーブするように気をつける。テンポが上がり過ぎない(多少テンポアップしてしまうのは仕方ないと思っている)ように自分を落ち着ける。しかし、しっかりと見せ場は作り、ドラムを叩いている感を出す。
冷静と情熱の間。見た目には熱く叩き、頭は冷静に。練習して狙ったことを忘れずにやってのけるのだ。
 

求められているドラムとやりたいドラム

普段プライベートのバンドでは基本的には好きなようにドラムを叩いている。そのため、コピーよりはカヴァーになることが多く、最適なドラムを考え・感じて反応する場にしている。そのため、ライブの直前かライブ中まで細かい部分を決めないでその場で今までやらなかったことをやってみたりすることもある。
一方、忘年会だったり1回きりの即席バンドはリハの時点から叩くものを決める。とにかくそのとおりやることを目標とすることが多いのが最大の理由。そのため、前述のような反応はほとんど必要がなく、むしろ邪魔になったりする。あとは、終わりのサインを決めたりすることもあるので、やっぱり楽譜は見てられない。
ステージ上でよい演奏を見せるのは大事だが、個人ではなくバンドとしてよい演奏にならないとどんなにスゴイテクニックがあっても意味がない。
 

最後に

普段のライブとは違うメンバーと一緒に練習するのは刺激になるし、楽しいこともある一方でコミュニケーションのとり方に苦労したり、上手くいくことばかりではない。大抵困るのは大した歌えないヴォーカルと独りよがりなギタリスト。自分の歌声が聴こえないのはPAのせいではなく、声量がないのが原因だし、何故アナタのギターにみんな合わせられないかというと、何弾いているか分からないくらいディレイやリバーブをかけているからだ。こういう人たちと出し物のために練習することだってあるということ。
そんなときもあれば、めちゃくちゃギターが上手いオッサンとかベース職人に出会うことだってある。
 
普段のライブでは自分らしく・バンドらしくキャラを出すが、即席バンドでは全体の完成度を上げることを意識する。
どちらも大事で、どちらだけになるとつまらなくなるかもなーと思っている。
 
こちらからは以上です。