前回アルバム編を書いたが、今回はその曲編。
2017年下半期に出会った最高の楽曲を紹介したい。 なお、2017年下半期発売のものとは限らないのと、ジャンルもいろいろ混ざっているのはご了承いただきたい。
Nona Reeves「Step By Step」
今さらNona Reevesかよ!とツッコミを入れたくなるところでしょうが、そのツッコミはまだまだです。この「Step By Step」はカヴァーでオリジナルはNew Kids On The Blockでこの曲は90年に発売された同名アルバムに収録され大ヒットした曲。なので、今さらNew Kids On The BlockをカヴァーしたNona Reevesかよ!っていうのが的確なツッコミになります。
この曲は名曲すぎて、ポップにアレンジする分にはどうやっても上手く出来上がるパターンの楽曲なんじゃないだろうか。そんな曲をセレクトしたセンスが凄いし、原曲の良さを殺さないアレンジになっているのもこの曲の良さ。
Nona Reevesのシンセが効きまくったバージョンなかなかいいっすよ。
10-FEET「太陽4号」
この曲はラジオから流れてきて、スゲー王道だけどスゲー普通な曲だなと思って、歌声を聴いてもピンとこず、割と最近のバンドかな?なんて思っていたら、なんと10-FEETじゃないか!確かに、歌詞を詰め込んだりする箇所が出てきたり、それらしい個所はまあまああるんだけど、全然気づかなかった。
個人的には10-FEETのパンク感満載で「1sec.」「super stomper」「その向こうへ」 辺りのハイテンポで熱い楽曲が大好きなんだけど、この曲はその熱さの部分が強めに出ていて好き。と思いつつ、この曲ジャニーズとかに楽曲提供した方が売れたかも?なんて思ってしまうのは自分だけか。
OLDCODEX「Where' d They Go?」
OLDCODEXは2016年上半期自分がパワープレイしたオススメ曲10曲でも紹介していて、チェックし続けているアーティストの1つ。分かりやすくロックテイストを吸収した音楽性とカッコよさの美学がしっかりしているので、毎回聴いていて安心する。
どうしてもこれ系のへヴィなサウンドを鳴らす洋楽のバンドを聴いていると、どうしてもしょっぱい音楽に多く出会うので、こういうJ-POPらしいメロディアスさがある楽曲を聴きたくなる。そういう意味では日本寄りのロックであると思う。
ハード過ぎてもダメ、ポップ過ぎてもダメ、メロディアス過ぎてもダメ、しょっぱすぎてもダメ。そんなバランス感覚に対してちょうどいいアプローチをしている楽曲なのだ。
DAOKO「Forever Friends」シングル『打上花火』より
自分はどうしてもロックを聴きがちなのだが、何だかDAOKOは気に入って聴いている。しかも、 米津玄師とのコラボ曲「打上花火」の方が映画の主題歌になって売れたので、それを目当てに聴いていたのだが、カップリングがめちゃくちゃ良かった。こういう出会いがあるからカップリングを捨てるようなことはできない。
もちろん「打上花火」は名曲なんだけど、「Forever Friends」の方が落ち着いて聴けるDAOKOって感じがして好きなのだ。アコースティックアレンジをしてあるのもあり、珍しくDAOKOが歌い上げてるんだよ。これがなかなかハマってていい感じなのだ。
「打上花火」はAimerとか松たか子とかが歌っても売れそうな曲だけど、「Forever Friends」はDAOKOの歌声が一番合う。
TOKIO「story」シングル「クモ」より
TOKIOは本当にいい作品を出していて、それが今回も続いている。特に2013年の「リリック」からTOKIOのメンバーが自ら楽曲を制作していく方針になったのが、結果的に自分がTOKIOを見直したきっかけになっている。
長瀬が作成した楽曲がシングルになっていて、確かにいい曲で分かりやすいJ-POPなのでそれはそれでよいのだけど、実は国分が作った楽曲もあってこの「story」も作詞作曲が国分太一のクレジットになっている。
ピアノをベースとした、ストリングスを中心にオーケストレーションが繰り広げられた、とてもリッチだけど落ち着いたバラードがとても良い。作詞に関しても抒情的だけれどちょっと抽象度が高めなので、色々なシーンで聴いても当てはまりそうな感じがして上手い。
Lynch Mob「Dog Town Mystics」アルバム『The Getmetal Brotherhood 』より
George LynchというとDOKKENが出てくるのは自分も含めてちょっと情報が古い人で、Lynch Mobがメインのバンドがあるし、最近はKXMで動いている印象が強い。DOKKENの頃はカミソリギターなんて呼ばれて、キレッキレのソロとザクザクのリフが売りだったのだが、 Lynch Mobを始めたくらいからオルタナティヴなリフや作りが増えていて、普通のマイナースケールよりもちょっとインド音階を入れてみたり雰囲気をズラしてくるのだ。これはKXMでも同じで、メンバーが違うから個性が違って楽曲が違うくらいのふり幅の差だ。
アルバム『The Getmetal Brotherhood 』は全体に上記の様な雰囲気を持ったオルタナティヴな雰囲気のあるカッコイイアルバムなのだが、その中でも「Dog Town Mystics」ばかり聴いていた。ドロっとしたテンポにブリブリのギターとベースが絡んだ重いリフ。何だか歌声のヌケ感と重さでちょっとBlack Sabbathのような雰囲気を感じて、ハマってしまった。
Hollywood Undead「California Dreaming」
アルバム編のProphets Of Rageの影響のせいで、妙にミクスチャーへのアンテナが高めになった関係と、Hollywood Undeadの新作がちょうどよく重なってこんなカッコいい曲をやるバンドがあるんだ!と知ることになった。そのリードトラックがこの「California Dreaming」でりリフのカッコよさ、ヴァースの勢いのあるラップ、メロディアスでキャッチーなコーラスと文句なしの楽曲だった。
残念だったのは、この曲が収録されたアルバム『Five』がこの楽曲と違うタイプで、ロック要素少な目、Hip-Hop要素多めの楽曲ばかりで結局この曲ばかり聴くことになってしまった。
THE TON-UP MOTORS「不死身のこころ」
THE TON-UP MOTORSというとピンと来ないかもしれないが、ブギウギ専務の上杉周大がヴォーカルを務めるバンドというと、少しは引っ掛かる方もいるかもしれない。ブギウギ専務は、札幌テレビ放送制作のバラエティ番組で、北海道の伝説のローカル番組水曜どうでしょうと同じ系統の珍道中ネタが多い。上杉周大は番組の中の架空の会社上杉ポンプ商会の専務として番組に出演していて、なかなかいいキャラを発揮している。
THE TON-UP MOTORといえば【まとめ】ファンキーなサウンドとソウルフルなヴォーカルで心躍る邦楽バンド10選の中で紹介したこともあるが、 ファンキーな音楽性とソウルフルな歌声が最高のバンドで、やっとこの下半期に全部の楽曲を聴くことができた。音楽にも単純接触効果があるのか番組のエンディングとして使われていたこの曲が一番気に入った。いい感じにブギウギ専務の番組の雰囲気と歌詞がリンクしたのもよさが増えた要因。
主題歌がその作品との相乗効果でとてもよく感じるが、そのパターンだろう。
ウルフルズ「バカヤロー」
ウルフルズはどうしても初期のコミックバンド的なノリを思い出してしまうのだが、それ以外の野郎の熱い楽曲を持つなんとも不思議な2つが同居したバンドだ。最近、コミックバンド的なノリよりも、熱い楽曲がなんだか多く感じるのは、タイアップが熱い楽曲が多いのでそっちばかりよく耳にするからだろう。
アルバム『人生』もすべて聴いて、一番熱かったのが「バカヤロー」 。ウルフルズの熱い曲の中で個人的に一番好きなのは「笑えれば」。その楽曲に負けるとも劣らない熱い名曲を見つけてしまった。
”夢なんてクソくらえ”と斜に構えて始まる。PVにも出ているが一匹狼であり、色んな辛いこと・キツイことを超えてきた人生の結果が生んだ言葉だと思えてならない。人としても成長し、年を取って貫録を持ったウルフルズの熱い楽曲。心打ちぬきますよ。
SiM「A」
SiMってカッコいいとずっと思っているんだけど、MAHのフロントマンとしてのカリスマ性と時代に合った絶妙な音楽性がたまらない。特に今はただハードでうるさいロックをやるだけでは楽しめる人は少なく、よく言えばオリジナリティがあり、悪く言えばちょっと変な感じがないと普通過ぎて聴いていられないなんてことも少なくない。その辺SiMはうまくてへヴィなロックやメタルの4つ打ち+裏打ちハイハットのダンスグルーブはズルいがカッコイイ~オススメ曲あり~でも書いたヘヴィさとリズムがマジでカッコいい。
2017年12月7日発売でギリギリだったのだが、これがまた新作として自分の好きなタイプのSiMの曲でめっちゃ聴いた。「Amy」や「KiLLiNG ME」が好きなのだが、まさにこれ系のヘヴィなリフとハードなリズムで攻め、コーラスでメロディアスなヌケを作るスタイル。この勢いのある楽曲最高。
最後に
今回はアルバムの1曲として好きな楽曲よりも、シングルとして発売されている楽曲が多かった気がする。 アルバムだと全体的に好きじゃないと紹介できないが、1曲の価値があればこちらでも紹介できる。
ちなみに次点は以下の通り。
・星野源「肌」
・sumika「まいった」アルバム『Familia』より
来年もたくさんの楽曲に出会って、良いものはどんどん紹介していくつもりだ。
こちらからは以上です。
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