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Mr.Children「HANABI」のモチーフは金魚!? のモヤモヤと「himawari」の共通点

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今回はMr.Childrenの「HANABI」について書こうと思うのだが、別に自分のモヤモヤでもないので、ちょっとその辺から整理してモヤモヤの解消をしてみたいと思う。

前置き

自分はMr.Childrenが好きで、初めて買ったCDもミスチルの『BOLERO』だったりする。

ついでにミスチルは自分の音楽の基本すぎて、ミスチルの呪縛に気付くのに時間がかかったりしながらやっと気づいたりもしている。

自分も長らくミスチルを聴いてきて、新曲が出る度にチェックしてきて、前回は「himawari」について書いたが、「himawari」自体よりもカップリングのライブ音源に価値があるんじゃないか?と思ったくらいで。

「himawari」の歌詞についてはちょっとモヤモヤしたところがあったので、その辺も書いたら、piriaさん(id:piria)に返答を貰いました。

さらにミスチルの「HANABI」にモヤモヤするポイントがあるとのことでしたので、その辺詳しく書いていただけますか?とお願いしたら、さらに記事を書いていただきました。

この記事とコメントでやり取りをして、「HANABI」のモヤモヤポイントを以下の通りいただいた。

①「HANABI」のモチーフは「金魚」問題

②「HANAABI」コード進行と曲を構成するもの

ということで、この2点について考えてみたいと思います。

なお、別に自分が正しい!とかそういうことを言いたいわけではなく、自分はこう考えるということを書いてみるだけですので、悪しからず。

①「HANABI」のモチーフは「金魚」問題

「HANABI」 のモチーフが飼っていた金魚だったというのは知りませんでした。その辺を調べたらいくつも出てくるではありませんか。

キーワードだけ拾うと、こういうことみたいです。

常に心を揺れ動かすことで、澄んだ心になっていくんじゃないか

インスピレーションを得たのだから、基本的な歌詞の方針が決まったということなんじゃないかと。なので、別にもう一回逢いたいとかは端々で、新しいことに向いていかなきゃいけないと分かっていながら、昔に目を向けてしまう姿を描いているのは確か。しかし、前向きだろうが後ろ向きだろうが心を揺れ動かし続けることが大事ということで、ミスチルのテーマとしてよく扱われるマイナスからプラスへみたいなことを言っているだけなのかなと思うのです。

ということで、金魚はあくまで常に変わっていく必要があることを教えてくれただけで、金魚自体のイメージが云々のことではないと思うんですね。そして、別に金魚を引きずっているわけではなく、フジテレビが勝手にドラマの主題歌として引きずっているだけで、あまり関係ないし、MCで発言をしたのは「HANABI」のモチーフとなったエピソードを披露しただけで、それを引きずっているとは言えないんじゃないかと。例えば、自分の名前がサリーで「親がサリーちゃんが好きで、サリーって名前になったんですよ」って話をしただけで、そのエピソードを引きずっているとは言えないんですよ。あくまで、ルーツを語っただけだと思うのです。

こんなもんでしょうか。金魚がきっかけでインスピレーションを得て、歌詞を書きましたって話でした。あと、ミスチルがマイナスからプラスへみたいな歌詞はそこそこあって、例えば9thアルバム『Q』の「Hallelujah」はそのまま歌詞にあるし、 あの名曲「Tomorrow never knows」なんかもそのパターンです。マイナスからプラスへはミスチルを聴くときのキーワードの一つで、新曲にそれに気付いたら「ミスチルまた言ってるわ」と思って静観するくらいがちょうどいいのではないでしょうか。

最後に下記コメントについてです。

「解る人にだけ解る」ことをするようなタイプのアーティストさんなら、そこお帰りください、はい、帰ります、って感じなのですが、ミスチルはわかりやすいのが信条、みたいに書かれてたようなので、そこでライトリスナーにだけわかりにくいことをするのはなぜなのか

ちょっとどこに元ネタがあるか分からないのですが、「ミスチルは分かりやすいのが信条」ってことはないんじゃないかと思います。桜井さんが歌詞の解釈とかをインタビューで訊かれて、好きなように解釈したらいいという旨の発言をよくするので、分かりやすさではなく、勝手に解釈できるってことだと思いますよ。

②「HANAABI」コード進行と曲を構成するもの

これもリクエストなので書いてみますが、長くなりますよ。そして、全然ピンとこない可能性もありますよ。

答えだけ言うと「HANABI」と「himawari」のコード進行はパターンとしてよく似ている。じゃあ、似たコードや同じコード進行を使うとダメかというとそんなことはなくて、むしろ世の中の音楽には同じコード進行が良く使われていて、コード進行自体には著作権はない。気持ちいいコード進行はある程度似ていて、例えばパッヘルベルのカノンに代表される「カノン進行」の名曲なんて山ほどあって、それをネタにしているYoutubeもそこそこある。

同じコード進行が存在するという前提で、再度「HANABI」と「himawari」に戻ると、両方ともサビの展開がⅣ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵmというコード進行なんですよ。細かいコード進行を調べたければ「HANABI コード」とか「himawari コード」とかでググってみてください。何故ⅣとかⅤというローマ数字で表すかというと、キーが違っても度数(インターバルのことで音と音の距離)が同じということを表したいから使っています。例えば、キーがCの場合のF→G→Em→Amと、キーがEの場合のA→B→G#m→C#mもⅣ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵmで表すことができるということです。

ま、細かいことは気にせず、このⅣ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵmのコード進行の例を聴いてみてください。小室哲哉が良く使っていたコード進行なので、小室進行なんて言われたりもします。

この小室進行はトニックに対してサブドミナントで切り込む形になるので、カノン進行のような安定感よりも、斜に構えて切り込んだ雰囲気があって、その点が楽曲として「展開したな」と分かりやすいところがポイントで、サビに使われなくてもBメロに使われることもしょっちゅうある。

あと、高橋幸宏さんの楽曲を挙げていましたが、これは所謂ヴァース‐コーラス形式と言われる構成で、洋楽に多い構成です。なので、J-POPのようにAメロ、Bメロ、サビ等の考え方とはちょっと違うものになります。

ヴァース‐コーラス形式 - Wikipedia

 

さて、次です。

「himawari」についての自分の記事楽曲の展開については以下の通り書いています。

サビにトニックを当てるコード進行にせず、サブドミナントから始まるコード進行(いわゆるⅣーⅤーⅥmだったり、ⅣーⅤーⅢmーⅥm)を使うことでハズしにかかっている感じはする。

そして、piriaさんの「HANABI」の記事でも下記の通りの発言があります。

今回ミスチルはあえて「サビがはっきりしてるJPOP調ではない曲」にしたかった、という可能性もなきにしもあらず?なのかなあという気もします。

 ここに関しては自分と意見が一致しています。

続いてサビについての定義が難しいところですが、楽曲の中の一番の盛り上がりで歌も高音域で歌うことが多く、歌詞も一番大事なことを歌うことが多い部分であり、楽曲の中で一番キャッチーな個所になりがち。

でも、よく考えてみてください、全部の楽曲に全部同じパターンのコード進行のサビだったら。それこそ同じ音楽しか生まれない。じゃあ、斜に構えたコード進行でちょっと変化を付けてみようと思うのはミスチルの様に200曲以上を世の中に送り出しているアーティストだけじゃないはずなんですよ。 もちろん、合う合わないとか狙った狙っていないはあるのかもしれませんが、コード進行くらい変化を持たせないと新しい音楽だとリスナーに思われても仕方ないですよね。楽曲の多様性という意味では、音楽的にメリハリがある売れるJ-POPのようなものばかりではなく、メリハリ少な目のダラっとした曲だったり、ずっと前に出続ける曲だったり、とにかく終始一貫静かに終わる曲だってあったっていいわけです。何故かというと、同じだと飽きるし面白くないし聴く価値がないから。人間は退屈に弱い生き物なので、アーティストは意図せずとも違うモノ(オリジナリティ)を出そうとするので、その結果だと思います。

 

サウンド面と思われる部分でこんな疑問を持たれたようで。

楽器の音で、なんで水中みたいな音や、ひらひら魚が泳いでるように感じるのか。(しかもなぜhimawariで) 

 これはどの部分を聴いてそう感じられたのか分かりませんが、イントロのエレピはちょっと浮遊感のある音をしていますよね。それ以外はエレキギター、アコギ、ベース、ドラム、ストリングスくらいしか入っていないので小林武史抜きのミスチルとしてはよくある形です。しいて言えばストリングスがひらひらしているように感じるかも? 

最後に

長々と書いてきましたが、分析ってほど分析はしていないし、自分が素直に考え・感じたものになっています。正直、自分はミスチルと言えば活動休止する前のダブルミリオンなんかを達成した頃の楽曲が好きで、その後もオリジナルアルバムで言うと『シフクノオト』くらいまでしかちゃんと聴いてないんですよ。『I ♥ U』はそんなに聴き込んでいないし、『Home』や『SUPERMARKET FANTASY』や『SENSE』は好きなアルバムですが、それほどちゃんと聴き込んでいないのです。なので、「HANABI」もいい曲だとは思うんですが、ドラマは見てないし大した思い入れもなく感銘を受けるような歌詞でもなかったのでそんなに大事に聴いてこなかったんですよ。

これをきっかけにちゃんと聴く機会ができたのは自分にとっても嬉しい経験となりました。 piriaさんありがとうございました。なお、ミスチルに詳しいわけではなく、ただ好きなだけなので今回の回答がイマイチだったらごめんなさい。 

今後もこういう形で書いてほしいことがあれば、どしどしリクエストしていただければ可能な限り返していこうと思います。 

 

こちらからは以上です。

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