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乃木坂46 齋藤飛鳥さんに聴いてほしい『洋楽 歌詞 重め』の13曲

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2017/02/03 歌詞を一部修正

 

 乃木坂46のメンバーが面白い観点で音楽を聴くことが分かったので、先日記事にした。

dankantakeshi.hatenablog.com

 

この記事の中でも紹介したのだが、齋藤飛鳥さんが「洋楽 歌詞 重め」と検索して、Evanescenceの「Going Under」にたどり着いて、お気に入りの曲として紹介していた。

飛鳥:「結構歌詞が重め・ダーク。一番(好きなところ)はPVはホラーっぽくて。

たまに『洋楽 歌詞 重め』とかで調べると出てきて、歌詞が結構好き。元気になることを目的としてなくて、小説とかもダークで重めが好き。普段もいいことがあるとそれ相応の悪いことがあると思うから、自分にいいことがあるとダークな本や音楽でバランスをとりたい。調子こきたくない。」

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Evanescenceはなかなかいいセレクトで重い歌詞。しかし、案外歌詞重めの洋楽が紹介されてないなと思い、セレクトしてみた。

 

My World / SR-71

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1stアルバムでボーイズグループの様な爽やかな音楽性とルックスでヒットを飛ばしたアメリカのロックバンドSR-71。満を持して発売した2ndアルバム『Tomorrow』は一転してへヴィで男らしいゴリゴリのロックをやってしまって、売れなくなるという悲しいアルバム。しかし、曲はカッコいいし、割と世界観が分かりやすい歌詞になっているので、個人的には大好きなアルバム。

そんなアルバムから「My World」。タイトルからちょっと重い雰囲気しない?

Does he make you high? make you real?

(アイツは君をハイにしてくれる?実感をくれる?)

Does he make you cry?

(アイツは君を泣かせたりする?)

Does he know the way you feel

(君の気持ちを分かってる?)

Love is all around you, your universe is full

(愛が君の周りを囲んでいて 君の宇宙はいっぱいだ)

But in my world… there is only you

(だけど僕の世界には、君しかいないんだ)

SR-71「My World」より引用

サビの歌詞だが、なかなかの女々しさと重さを持っている。別れた恋人に新しい恋人がいる状態を脇から見ているシチュエーションなのだが、僕の世界を持ち出すあたりがかなり重たい。

あんまり新しい未来を向いてくれる感じに曲は終わらないので、重たいまま。

 

Crawling In The Dark / Hoobastank

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アメリカのラウドロックバンドHoobastankの1stアルバム『Hoobastank』の1曲目に収録されている「Crawling in the Dark」。デビューシングルでまあまあ売れたアルバムでもあるので、良い結果は出ている。

これまたへヴィでアップテンポだが、イントロのリフか漂う悲壮感。タイトルが暗闇の中を這(は)い続けているだなんて、もうアカン雰囲気満点。

暗闇で彷徨っているあたりが、人生にたまに顔を出す喪失感や失望感を刺激しながら歌ってくれるのだが、アップテンポなので気持ちが落ちきらないところがポイント。

Hoobastankは割と闇を言葉にして歌うのと、恋愛で頭お花畑とかはないので、その辺は心配なし。

 

歌詞の全容に興味があれば、こちらをどうぞ。

Rock,Rocker,Rockest:洋楽和訳=D Hoobastank 「Crawling In The Dark」 和訳

 

I Hate Everything About You / Three Days Grace

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カナダのロックバンドThree Days Graceの1stアルバム『Three Days Grace』収録の「I Hate Everything About You」。これもデビューシングルでビルボードで55位を獲得して売れた曲。

歌詞は重いというか怨念っぽい強さがある。

 I hate everything about you

(お前の全てが嫌いだ)
Why do I love you?

(だけど何故愛しているんだ?)
I hate everything about you

(お前の全てが憎いのに)
Why do I love you?

(何故愛しているんだろう?)

Three Days Grace「I Hate Everything About You」より引用

ことわざで言うところの「可愛さ余って憎さ百倍」ってヤツでしょうかね。憎悪と愛情が入り混じったドロドロの感情は重いでしょう。 

Three Days Graceも、割と重い歌詞をちょっと気持ち悪い音楽に乗せて歌うのでもっと深く知るとその重さが気に入るかも。

 

歌詞の全容に興味があれば、こちらをどうぞ。

もべログ -moblog-:"I Hate Everything About You"`和訳

 

My Happy Ending / Avril Lavigne

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カナダのシンガーソングライターAvril Lavigneの2ndアルバム『Under My Skin』収録。デビューからこの頃くらいまではB系のギャルファッション色が強かったが、歌っていることは明るいことばかりではなかった。

「My Happy Ending」とタイトルを付けておいて、中身は逆というパターン。

この曲はサビ前で自身がおかれている状況を悟るのがハイライト。

 You were all the things I thought I knew

(あなたのこと全部分かってると思ってた)

And I thought we could be

(私たち上手くいくと思ってた)

Avril Lavigne「My Happy Ending」より引用

上手いかないと思って関係を始めないし、そもそも勝手に始まってしまう関係だってあるわけで、そりゃ上手くいくと思うはず。上手くいくと思ってたで答えは出ている。

あとは思いのたけを吐き出すだけ。 

この時点では結婚と離婚を繰り返すだなんて思っていなかったので、余計に重たくなる「My Happy Ending」

 

歌詞の全容はこちら。

洋楽歌詞和訳集 My Happy Ending / Avril Lavigne

Where Are They Now / Mr.Big

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Mr.Bigの11thシングル。ギターがRichie Kotzenに替わり、5thアルバム『Get Over It 』と6thアルバム『Actual Size』の間に発売された何とも微妙な立ち位置の曲。のちにバラードベストに収録されることになる。

どうしても「To Be With You」の幸せなアコースティックな雰囲気や超テクニカルなハードロックをイメージさせるMr.Bigだが、元々ブルースバンドをやろうと始めたのもあり、Richie Kotzenが入ってからは渋めでブルージーな路線が得意になっている。

I loved, I lost

(愛したもの、失ったもの)
Where are they now

(今はどこ?)
The things I touched

(この指で触れたもの)
And let them fall

(この指をすり落ちていったもの)
Where are they now

(今はどこ?)
All the people that I've known

(これまで知り合った誰もが)
That turned out to be me

(自分自身を反映する人々だった)
Where are they now

(みんなどこへ行ってしまったの?)

Mr. Big「Where Are They Now」より引用

変わっていくことを続けて、ふと振り返ると大事なことは見えなくなってしまってという感じでしょうかね。喪失感そのものだから、その落ちていく気持ちを綺麗にレールに乗せてくれる。重さもそうだが、しっかり落としてくれるのがこの曲の重要なところ。 

 

Blurry / Puddle Of Mudd

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アメリカのロックバンドPuddle Of Muddのヒット作である2ndアルバム『Come Clean』収録。オルタナティブロックであったり、ポストグランジと呼ばれる位置づけにあたり、全体的に曲調が暗い。歌詞が底抜けに明るいわけもなく、暗い。

Can you take it all away

(全部消してくれ)
can you take it all away

(全部邪魔なんだ)
well you shoved it in my face

(目の前に突き付けたんだ)
this pain you gave to me

(君がくれたこの痛み)
Can you take it all away

(消してくれよ)
can you take it all away

(消してくれよ)
well you shoved it my face 

(君が目の前に突き付けたんだ)

Puddle Of Mudd「Blurry」より引用

寄ってきてくれた人がいなくなっていく。サーっと引いていくなんて表現をすることがあるんでしょうが、そんな雰囲気。人間不信になったことを歌うとこんな具合のへヴィさが出るんでしょう。

 

歌詞の全貌はこちらから。 

Puddle of Mudd/Blurry日本語歌詞|洋楽ROCK.J-POP.K-POP.海外ドラマ.アニメ.映画.ゲームPV/Wako Naoya

 

Away From The Sun / 3 Doors Down

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アメリカのロックバンド3 Doors Downの大出世作の2ndアルバム『Away From The Sun』からアルバムタイトル曲。PVもなかなかいい感じに暗いし、曲調も明るくなりきらないことによる影がある雰囲気がたまらない。

このアルバムなら「Here Without You」を選びたくなるし、悪くないがあえてこっちを選びたい。

'Cause now again I've found myself

(だって今また気づいた)
So far down, away from the sun

(太陽から遠いところに)
That shines into the darkest place

(その光が届く暗闇に)
I'm so far down, away from the sun again

(太陽からとても遠いところにいる)
Away from the sun again

(また太陽から離れてしまった)

3 Doors Down「Away From The Sun」より引用 

 

光を求めているけど、暗闇の中。這い上がれないでいるんでしょう。希望を持つでもなく、希望を失うでもない、ただその状態を淡々とつづっている。状況が重めで、これ以上沈むこともないけれど、上がることもない。現状維持かは分からないけれど、これはこれで重い。

 

Everything / Lifehouse

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アメリカのロックバンドLifehouseの2ndアルバム『No Name Face』。ビルボードで6位を記録したヒットアルバムから、「Everything」。この流れで分かると思うが、タイトルが不穏な雰囲気。

Cause you're all I want

(なぜならあなたのすべてが欲しくて)
You're all I need

(全てが必要なんだ)

You're everything, everything

(あなたは僕の全てなんだ)

Lifehouse「Everything」より引用

曲調と歌詞から察してほしいのだが、全然ハッピーな歌じゃない。アンニュイな雰囲気はあって、その雰囲気を楽しむには依存した関係性が重たい。いくらアメリカンに言葉を綴ってもちょっと重すぎやしないか?

 

歌詞の全貌はこちら。

Music Club : Lifehouse - Everything 和訳付き

 

 

Because Of You / Kelly Clarkson

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Kelly Clarksonはアメリカの歌手で人気オーディション番組『アメリカン・アイドル』の第1シーズンの優勝者。絵に描いたような歌姫で、実力派ピカイチ。

2ndアルバム『Breakaway』に収録されていて、Kellyとプロデューサーによって書き上げられた作品。このプロデューサーがDavid HodgesとBen Moodyで、David HodgesはEvanescenceの曲作りに参加しており、Ben MoodyはEvanescenceの元ギタリストで曲作りも行っている。Evanescenceが好きならこの曲の持つ雰囲気が気に入る可能性が高いわけだ。

Because of you
(あなたのせいよ)
I never stray too far from the sidewalk
(道からはぐれることはなかったの)
Because of you
(あなたのせい)
I learned to play on the safe side so I don't get hurt
(安全に遊ぶ方法を学んだから、傷つかないで済むの)
Because of you
(あなたのせいよ)
I find it hard to trust not only me, but everyone around me
(信じられないの、私の周りにいるみんなが)
Because of you
(あなたのせいで)
I am afraid
(私は怖いのよ)

Kelly Clarkson「Because of you」より引用

 PVの通りの世界観なので、良くも悪くもしっくりくる歌詞になっている。Kellyは6歳で両親が離婚していて、そんな母親に向けた気持ちなんじゃないかと言われている。

なかなか強い感情をぶつけているし、背景が背景なだけに重いテーマを扱っているし、素直に言葉にしているからこそ重い。

 

歌詞の全貌はこちら。

【洋楽名言】Kelly Clarkson『Because of you』/ケリー・クラークソン『ビコーズ・オブ・ユー』より「I will not make the same mistakes that you did.」: 【洋楽サビ&名言】 ラブリーフレーズ★洋楽で英語&英会話♪

 

One Of Us / Joan Osborne

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アメリカのシンガーソングライターJoan Osborneのデビューアルバム『Relish』から「One Of Us」。曲調がとにかくモッサリと悲しくて重い。歌詞なんかいらないくらい十分悲壮感に浸れるのが大きい。神様をおちょくっちゃう歌詞はホント怖い。

 What if God was one of us?
(神様が普通の人だったらどうしよう?)
Just a slob like one of us
(私たちの様にだらしがない人だったら)
Just a stranger on the bus
(バスの中の単なる乗客だったり)
Tryin' to make his way home?
(家路に着こうとしている人として)

Joan Osborne「One Of Us」より引用

 心に神様を持つかどうかは信仰の自由なので、その点に言いたいことはなくて。ただ、神様は絶対的な存在という前提で、案外普通の人かもよ?なんて天変地異なお話なわけで、そんなこと考えて歌っちゃうのは重たいなと。気持ちとかそういう次元じゃないのが危ない。

 

和訳はこちらから。

A氏の時間(仮) Joan Osborne/One of us

 

Come On / Ben Jelen

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Ben Jelenはスコットランドのシンガーソングライター。1stアルバム『Give It All Away 』に収録されているこの曲は、イケメンがピアノ弾きながら歌っているので爽やかに見えるが、君がいない系の喪失ソング。

Come on

(こっちに来てよ)

Without you I'll never feel the love inside of me

(君がいなければ君への愛の行き場を失ってしまう)

Come on, you know that we belong

(こっちに来てよ、二人は結ばれる運命なんだからさ)

Ben Jelen「Come On」より引用

こういう色恋沙汰の強い言葉は上手くいっている時は良いのだけど、上手くいかなくなると途端に重くなる。気持ちも状況も全て嫌になるので、重くなる。

昔の恋人を忘れられず叫んでいるのだが、その痛い状況も傍から見て重い。

 

All You Wanted / Michelle Branch

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アメリカのシンガーソングライターMichelle Branchの2ndアルバム『The Spirit Room』から。シングル的には「Everywhere」というちょっと違うベクトルの重い歌もありつつ、今回はこちらをセレクト。

当時18歳だったMichelleはきっと恋愛体質なんだろうなと想像できるのだが、サビでは大分上からモノを言って、最後にこんなことを言うのだ。

Please can you tell me

(この声に答えてよ)
So I can finally see

(そうしたら私にも分かるのよ)

Where you go when you’re gone

(あなたがいなくなったらどこに行くのかを)

Michelle Branch「All You Wanted」より引用

ずっと「望めば助けてあげるわよ」なんて言っていたくせに、最後には「この声に答えてよ」と言って、相手がどうなったかによって自分がどうなるかが分かるだなんて、結構深い関係なはず。この関係性のもつれがこの曲の重さ。

 

和訳の全容はこちらから

♪ミシェル・ブランチ「オール・ユー・ウォンテッド」|ミヤノセのブログ

 

Without You / Mariah Carey

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最後は歌姫Mariah Careyに締めてもらいましょう。この「Without You 」はカヴァー曲でオリジナルはBadfingerというイングランドとウェールズ出身の2人のロックグループの同曲。そして、Nilssonのがカバーヴァージョンが売れ、Mariahもカヴァーしてさらに売れたという曲なのです。

名曲なのですが、歌っていることが激情なんじゃないかと思わせる、大絶叫を最後のサビで聴かせてくれるのがこの曲のハイライト。

 I can't live
(生きていけない)
If living is without you
(あなた無しの人生なんて)
I can't live
(生きていけない)
I can't give anymore
(もうこの愛を与えられないなんて)

Mariah Carey「Without You」より引用

やり場のない気持ちはこうやって叫ぶのに限るのですが、やっぱり状況的に無理なはずで幸せになれなくて重たくなってしまう。

 この曲のスゴイところは、Nilssonのがカヴァーでは男性目線の重い曲だったのに、Mariahが歌って女性の歌にしてしまった。やっぱり言語が違えど、歌う性別が変わるとその世界観というのは変わってしまい、Nilssonは女々しかったのにMariahが歌うと妙に前向きに聴こえるとても不思議な曲。

 

詳しい和訳はこちらから

マライアのWithout You は、別れの切なさを叫ぶ歌♪(和訳付)|みるんの Love & English Diary♪

 

最後に

重い曲は大抵気持ちが重たくて、そうなってくると色恋沙汰が上手くいかない時が最初にでてくるわけで。それ以外となると、Kelly Clarksonのようにまた違うダークサイドが必要になってくるので似通ってくるのは否めないんじゃないかなと。

アーティストごとにその表現方法が違うので、その違いを楽しんだり、サウンドと歌詞とを合わせて重さを感じるのが良いのではないでしょうか。

 

こういう重い曲は用法用量を守ってお使いいただくのが大事です。

じゃあ、その用法用量って何なのよ?っていう記事もありますので、良ければご参照ください。

dankantakeshi.hatenablog.com

 

こちらからは以上です。

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