Jailbreak

新しい世界の切り取り方

2019年上半期パワープレイした9曲

 

 前回はアルバム編をお送りした。

今回はその曲編。アルバム編でも書いたが、とにかく洋楽を聴きまくっていたので、珍しく洋楽ばかりになっているので、悪しからず。

Dead Quiet/「Let It Die」

Doom Metalからハードロックまで幅広くカバーするバンド、Dead Quiet。 バンド名を飾ったセルフタイトルのアルバムに収録されているこの楽曲。イントロのドラムの鬼フィルインがとにかく印象的。この曲があったから、鬼フィルインで始まる楽曲をまとめてみたくなったほどだ。

こんなにスリリングなドラムから始まるのに、どんよりした超スローテンポな楽曲にギャップ満載。ドラムがフィルインで突っ込んじゃうくらいベロベロのリズム。とにかく気だるい感じなのに、ヴォーカルはハイテンション。ここにもギャップがある。

このいい感じのだるい感じと、ヘヴィな重さの緊張感のバランスがたまらず、よく聴いていた。 

We Are the Arsenal/「Chaos Theory」

オルタナティブロックバンドWe Are the Arsenal。このバンドもエモを追いかけていて、見つけたバンド。この楽曲もイントロがキメが入りつつ、いい感じにハードなリフだったので、よく聴いていた。

ちょっとブルースっぽいハードロックなのだが、ヴォーカルは割とクリーンで太いタイプなので、そこにギャップを感じた。この辺が聴いていても、知っている雰囲気ではないので、ちょっと気になって聴き続けた理由だと思う。

Vanilla Sky/「Another Lie」

イタリアのポップパンクバンドVanilla Sky。このバンドもエモ界隈を探していた中に見つけたバンド。この『Another Lie Like Home』というアルバム自体が悪かったかけではなくて、この曲がめちゃくちゃよかったとういうだけ。

イントロのピアノのフレーズがどこかで聴いたことがあるような気がして、気になった。未だにどこで聴いたかわからないのだが、妙に神妙で慎重な始まりなのだが、ギター・ベース・ドラムが入ってきて、一気に普通の楽曲に成り下がる。この落差がちょっと残念でありつつ、普通に戻される時間だ。

サビもうまい具合に乗せてくるのだが、結局イントロのリフレインになるので、とにかくイントロが最高で聴き続けた曲になる。 

Train/「Ordinary」

Train自体は『Drops Of Jupiter』の頃から好きで、ずっとチェックしているバンドの一つ。日本的なロックバンドだと思っていて、ロック然としたロックバンドというよりは、メロディを大事にした歌心のあるポップさを持つロックバンドだと思っている。

Trainの楽曲として探したというよりは、サントラにいい曲が隠れているのでは?という探求心から、有名な映画のサントラを漁った。マーベルの作品は好きで、映画はできるだけチェックしている。しかし、このアルバムとしてチェックをしたことがなくて、ちょうどTSUTAYAでレンタルできたので、聴いてみた。HoobastankやJet、Maroon5といった日本でも有名なバンドが楽曲を提供していたので、割と聴きやすく良かったのだが、Trainとしてこの「Ordinary」はちょっと異質な感じがして、良かった。

「Drops Of Jupiter」でもストリングスは入っていて、いい感じでポップな雰囲気を広げる役割をしている。それに対して、「Ordinary」は厚みを出すためのストリングスで、使い方が違って、こう来るか!と思ったのが大きい。この部分をメタルバンドだと、ギターに頼ってしまって、ソリッドなロックになってしまう。それに対して、ストリングスが厚みを出すことによって、攻撃性が下がるので、より聴きやすい仕上がりになっている。ヘヴィなのに、聴きやすい。この両立をやってのけたのが、この曲の凄いところ。

Unwritten Law/「Hellborn」

アルバム『Elva』に収録されているこの曲。アルバムの最初や最後に収録されているでもなく、シングルカットされているでもないこの曲。

何が良いかって、これも楽曲の始まり方。The Kinksの「All Day All Of Night」 っぽいフックのあるリフに、ガナるヴォーカル。このスタイルのヴォーカルが続くのだが、これがまたカッコイイ。

一気にテンションを上げようとするときに、メチャクチャよく聴いた。 

There for Tomorrow/「Hunt Hunt Hunt」

 今後のブログの音楽ネタ用に、ちょっとヴォーカルに特徴のあるロックバンドを探していて見つけたバンド。この楽曲は自分のツボの曲で、4つ打ち+ハイハットの裏打ちとヘヴィなリフのパターン。

最近四つ打ちの流行りが落ち着いてきたので、あまり聴かなくなったのもあり、これは良いぞとここぞとばかりに聴いた。ヴォーカルの歌声も割と好みなので、もう少し色んな楽曲も掘り起こそうかなと思っている。

A Day To Remember/「Sometimes You're The Hammer, Sometimes You're The Nail」

A Day To Rememberもエモ界隈を調べていて、ヒットしたバンド。この楽曲が収録されているアルバム『Common Courtesy』は、 全体的にクオリティの高い楽曲が並んでいて、結構好みだった。ただ、アルバムを通して聴くより、この楽曲を聴くのが目的になっていたので、アルバム全体をパワープレイすることはなかった。

まず、この始まり方、ズルい。デモっぽい粗い音像+1オクターブ低い張っていない声のヴォーカルから。ドラムが入って一気に音像がハッキリして、突き抜けてくる。この手法に本当にやられた。

まだ展開はあって、楽曲が2:30くらいで終わったかと見せかけて、一度落ち着いて、ハーフテンポに戻ってくる。この緩急はとても良い。毎回やられるとウザいが、アルバムに1曲くらい、こんな展開の曲があってもいいんじゃないかなと。

Automatic Loveletter/「Unhearted」

Automatic Loveletterは以前から好きで、アルバム『Truth or Dare』は結構お気に入りのアルバムの一つ。ヴォーカルのJuliet Simmsのハスキーヴォイスと、ハードな音楽性と、キャッチーなメロディはなかなかいい組み合わせだ。

チェックしていなかったEPに入っていたこの曲は、8分の12の三連系のノリがあるバラード。ヴォーカルがおいしい楽曲で、とてもこのバンドに合っている。

ヴァースのちょっとつぶやく感じのハスキーさが前に出た雰囲気も好きだし、コーラスに入って声を張り上げていく流れもとてもよい。というより、Juliet Simmsの歌最高。

The Birthday/「星降る夜に」

もともと自分のバンドでカヴァーしたのがTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTで、その流れで聴くようになったThe Birthday。ミッシェルよりも構成がポップで、聴きやすいのだけど、どうもキャッチーさに欠けるなというのが、印象。

前作も曲としてパワープレイはしたが、アルバムとしてなかなかパワープレイする感じにならないのは、そろそろお約束。

この楽曲の第一印象は「チバってこんなに歌ったっけ?」だった。チバユウスケは歌い上げるヴォーカルというよりは、吐いて捨てるようなヴォーカリストという印象がある。

3連系のゆったりなテンポには、もう歌う以外の選択肢がなくて、歌っている。いや、The Birthdayではチバは歌っているのだけど、チバは歌わないというイメージが先行してしまっていて、そのせいで逆に歌われると期待を裏切られるので、印象に残ったのだろう。この曲、実は隠れた名曲だと思いますよ、マジで。

最後に 

アルバムに引っ張られて、曲の単位だとあまり思い入れがないのが、文章からも分かってしまうかもしれない。作品として、アルバム単位で聴くことが多いので、楽曲単品だけ出されても、1つだけなので価値が弱い。アルバムだと流れだったり、アルバムの中の位置づけだったりを考慮できて、価値がさらに上がるようなことはある。

楽曲1曲はその時の感覚だったり、エピソードとつながらないとなかなか強くならないなというのがこの上半期の感想だ。

こちらからは、以上です。

今週のお題「わたしの好きな歌」

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