Jailbreak

新しい世界の切り取り方

2019年下半期に自分がパワープレイした曲10曲

 

2019年下半期に聴いた曲編。

毎度のことならが、アルバム編に比べてふり幅が大きめになるのは、ご愛敬。 

「In Our Wake」/Atreyu

いきなりステーキならぬ、いきなりサビパターンで始まるこの曲。いきなりサビは印象に残る。実際この曲も、一度通り過ぎてから、「あの曲印象的だな…」と思って、再度確認したくらい。 

この作品が収録されている同名アルバムは、全体的にサウンドこそメタルっぽいが、元々はハードロックっぽい泥臭さと、メロディアスさを持った作品だった。全体を通してのレベルは高かったのだが、とにかくこの曲の印象が強かった。さすが、アルバム名になるくらいの曲だけある。

最後の最後にヴォーカルがガナって歪む感じがカッコよい。ただ、あまりよくわかっていないのだが、Atreyuはシャウト担当のAlex Varkatzasと、クリーンヴォーカル&ドラムのBrandon Sallerという2名がヴォーカルを担当している。この歌声がどっちのものかは、まだわからない。

「まだ途中」/BiSH

BiSHは割とメジャーとなってきたので、自分もチェックする対象としている。楽器を持たないパンクバンドの肩書を持っているだけあって、そのサウンドはバンドサウンドがベースになっている。おかげで、ロック好きな自分としては割と心地よくBiSHの音楽を楽しめている。 

この曲との出会いは、サンドウィッチマンがメインを務めている「熱烈!ホットサンド!」 という番組のオープニングテーマとしてよく聴いたのが大きい。やはりテレビでよくかかると、印象に残りやすい。

この曲が収録されている『CARROTS』もいい作品だったのだけど、どうしてもこの曲だけ繰り返し聴きたくなって、何度も聴く結果となった。アップテンポで勢いのあるBiSHはなかなか良い。

「Keiner kommt hier lebend raus」/Donots

パンクやメロコアを漁っていた時に出会ったDonots。メロコアというにはサウンドのキレがないし、パンクっぽい変な粗さもなく、いい感じにまとまったいい音のパンクといったところ。中途半端と言えば、中途半端なのだけど、メロディアス過ぎなくて甘さ控えめで、ゴリゴリ感が少な目の固さだったりして、なんとも丁度よくて、聴いてしまった。

Donotsはドイツのパンクバンドで、1993年からのキャリアなので25年ほどになる。あまりドイツのロックバンドの音楽を耳にすることもなく、案外お堅さも感じなくて、結構気に入った。その中でも割とポップさとパンクのゴリゴリ感が程よくミックスされているのが、この曲だった。

「鉄風 鋭くなって」/NUMBER GIRL

自分はロック好きを公言してはいるが、実は洋楽が中心で、邦楽には正直疎い。ロック好きならこれくらい聴いてるだろ!?みたいなものを聴いていないことも多々ある。そんな最たる例は、向井秀徳の音楽であり、伝説のバンドNUMBER GIRLだった。そのため、再結成での盛り上がりにもついていけなかった。

新しいアーティストに手を出す時には、ベスト盤が良いかどうかは一度考えることにしている。

NUMBER GIRLを手にしたときは、自分はTSUTAYAに居て、4枚で1000円というコスパに惹かれ、4枚無理やりそろえる中に加えたくらいだった。そんな感じのきっかけだったのだが、聴いてみたら、それはそれは荒々しい初期衝動にまみれたロックがそこにあった。 ただ、刺激が強めだったので、絞って聴く結果になった。

この曲は、固めのベースから始まって、ドラムはハイハットを刻む程度にとどめているこのドキドキ感がたまらない。もちろん、楽器が全部入ってからもよいのだけど、なんといってもこのイントロが最高。 

「AFFLUENZA」/3TEETH

メタルの美しさとして、人間が機械の正確さに近づいていく感じが出ることがある。打ち込みともうまく合わせて、機械的なグルーヴを出したりして、これがまた気持ちよかったりもする。そういう音楽を狙って探している中で、3TEETHにたどり着いた。

シングル曲だったこの「AFFLUENZA」は分かりやすくヘヴィで、キレがあって、目の覚めるような音圧が刺さる。これがまたクセになる。もうこれは、ほぼ脳内麻薬の状態になってくるから、この種のメタルは怖い。

「I'm Broken」/Pantera

これは、iPodを買い替えた結果、普段聴かないが、良い曲をランダムで聴く機会が増えたことにより、 よく聴くことになった曲、その1。

自分はPanteraを90年代の最盛期にあまり聴いてこなかった。Dimebag Darrell、Vinnie PaulのAbbott兄弟が亡くなった今、その価値を再確認することになった。リフのカッコよさであったり、グルーヴの重さがありながらタイトなサウンドと、とにかく唯一無二の音楽性を持っていた。知ってはいたが、2回3回と耳にしていくと、頭に残るのだ。

今更だけど、Panteraはすごかったんだなと思わざるを得ない。 

メギツネ/BABYMETAL 

iPodを買い替えた結果、普段聴かないが、良い曲をランダムで聴く機会が増えたことにより、 よく聴くことになった曲、その2。

BABYMETALは好きだけど、普段聴きしずらくて、あまりたくさんの曲を持ち歩いていなかった。それがたくさん曲を持ち歩けるようになったので、色んな曲をシャッフルで聴いたところ、この曲のライブバージョンが流れてきた。元々ちょっと好きくらいの曲だったのだが、何だか気分がアガって気持ちよい。 和風の仕上がりであり、掛け声の応酬で、これは是非とも参加したい。実際、ライブ盤でも観客はとても盛り上がっている。 

上手いこと日本の音楽的要素とメタルとアイドルを掛け合わせていて、こりゃスゴイやと思った楽曲だった。 

「Wasted Nights」/ONE OK ROCK

最近のワンオクの音楽性がどうも好きになれなくて、『Nicheシンドローム』や『残響リファレンス』 あたりの雰囲気が好きだったなと思っていたのが近年のこと。日本に収まらず、世界に向けて動いているのは分かってはいたが、それがそのままよい音楽につながっているとは思えなかった。その考えが変わったのは、ライブに参戦して、彼らのメッセージを目の前で受け取ってからだ。

「Wasted Nights」は映画『キングダム』主題歌だったのもあって、印象には残っていた。それがライブのおかげでよりメッセージが伝わった。やはり英歌詞だからといって、めんどくさがらず意味を捉えていった方が、音楽をより楽しめるなと再認識させられた曲だった。

「グラフティー」/ナードマグネット

カヴァーが元々の曲の魅力を掘り起こすケースは何度も体験している。実際そんな曲にいくつも出会っている。

「グラフティー」がGOING UNDER GROUND(以降、GOING)が原曲であり、1stシングルでもある。GOINGのヴォーカル松本素生の幼さとか弱さを持った不思議な男性ヴォーカルと、ヴァースから始まるパターンのこの楽曲の持つ歌い始めによる爆発力。2001年発表の楽曲でありながら、ギターロックを基本としたバンドサウンドのなかでシンセサイザーが生き生きした楽曲として、ど真ん中を貫いた楽曲である。

ナードマグネットもGOINGの持つ雰囲気を持ちつつ、勢いとサウンドの鮮明さでカヴァーをしている。イントロがハーフオープンのハイハットで4カウントするところや、キーを上げていたりと細かい違いはありつつ、そういう変化が新しさを感じさせている。グルーヴ自体はそんなに大きく変わっていないが、ドラムがうるさい(特にシンバル)ので、ギターが薄められる結果となり、パワフルに仕上がっている。 

「Let Me Hear You Scream」/Ozzy Osbourne

これもiPodを変えたことで、掘り起こされた曲。Ozzyに関しては自分の中に流行り廃りなんか一つもなくて、何かしらの関連作品を常に聴いている。何なら、 「私を構成する9枚の」に『The Ozzman Cometh』を選んでいるし、ある時にはBlack Sabbathの「War Pigs」にハマったりもしている。

昔の作品が基本としてあるので、最近(といっても、この曲が収録されたアルバム『SCREAM』は2010年)の作品はあんまり聴いていない。それが、普段持ち歩かない曲を聴くことになり、耳にすることになった。

まず、この曲はギターがGus Gで、自分が大好きなZakk Wyldeではない。やはり、Zakkの音色は独特で、もうそれはZakkの音になってしまう。そんな音に慣れていると、Gus Gのザクザクのミドルにハリのある音色が、前に出てきてカッコよい。だからといって、Ozzyの歌声は突き抜けているし、バンド全体もヘヴィ。そして、何よりこの曲のタイトルは「Let Me Hear You Scream」、”お前の叫びを聞かせてくれ”だなんて、ライブの最高の煽りじゃないか。この曲のおかげで何度もテンションぶち上げでしたよ。

最後に

2019年の下半期はiPodを買い替えたのが影響して、普段持ち歩かない音楽を聴いたのが大きかった。もちろん、巷で流行っている髭男や米津玄師やあいみょんやKing Gnuも聴いたりして、良い曲だなとは思った。だがそれよりも自分が持っている曲の再評価に向いたものが多かった。 

こちらからは、以上です。

 

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