よく「カヴァーは本家を超えない」と書かれていたり、言われていたりするのを耳にする。
ホントに?っていつも思う。
カヴァーでもその曲の元ネタを知らないで出会うのと、元ネタを知って出会うのとはわけが違うと思うのだ。
曲に出会う順番が大事
多分、「カヴァーは本家を超えない」と言っている人は本家を先に聴いて、後からカヴァーを聴いたんじゃないか。
そりゃ、名曲であればあるほど本家の方が印象に残るし、そのイメージで楽曲が構築されるから後から別な人がやった同じ曲を良いと言えないのかもしれないなと。
MetallicaのMaster of Puppetsを例にして考えてみる。
それはやっぱり、本家本元のMetallica を知った上でTriviumに出会ったからMetallicaが良いと思うんじゃないかと。
カヴァーから出会う
個人的にはカヴァーから出会った作品もある。
このブログのタイトルにもなったJailbreak。
スラッシュメタル四天王 Anthraxのカヴァーがほとんどを占めているアルバム『Anthems』に収録されている。
この、『Anthems』ってアルバムはなかなかカッコいいカヴァーをしていると評価している。
06.Anthrax-Jailbreak (Thin Lizzy cover) - YouTube
本家はThin Lizzyだけど、Anthraxに比べるとサウンドも軽いし、古臭い印象を持ってしまう。
楽曲自体がカッコいいからいいんだけど。
~THIN LIZZY~ JAILBREAK - YouTube
古い曲を新しく録音しなおすということ
サウンドが新しくなると楽曲自体の鮮度がよくなった気がして、より良く聴こえるんじゃないかと思う。
自分自身がモダン・へヴィでハイ・ファイなサウンドを好むからかもしれない。
昔のハードロックではギターの歪みも物足りないって思うんだもの。
何より、音楽にもファッションと同じ流行があるのだからその流行に合わせてリバイバルすることで新たな面を提示してくれて良いじゃないか。
そこで、こんな記事を見つけた。
音楽における恥の重要性~ホルストの組曲「惑星」に手を入れた愚行を例に | ダッド|育児ジェントルへ、プロがコーディネート
作者のホルストの遺言の真偽は置いておいて、現在の音楽シーンにおいてクラシックは完全に下火なんですよ。
CDも音楽配信でもJ-POPの方が上で、聴いている人だって多いんですよ。
音楽家は音楽でお金を得てナンボです。当然、CD以外にもコンサートやらライブやら物販やらも含めての収入だと思いますが。
そんな下火なクラシックに新しい風を吹き込み、蘇らせたのは確かじゃないか。そして、クラシックを聴くきっかけを作ってくれたじゃないか。
別に売上が多い方が偉いとか、歴史がある方が偉いとかそんなことはないと思っているんだけど、一般人がクラシックに触れる機会を増やして再認識させたことはどう考えているんだろうか。
ホルストはそのままの状態で聴いてもらいたかったのかもしれないけど、出会った順番が「Jupiter」の方が先だっただけで、ちゃんと組曲「惑星」を聴いた人だっているでしょ。
その上で、「やっぱり本家の方がいい」って思ってもらえればホルストさん万々歳じゃないんでしょうか。
よい音楽を難しく考えないで聴いてもらえるんなら、喜んで恥かきましょう。
こちらからは以上です。

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