ロックは懐が深い。
ロックだと名乗ればロックになってしまう。
ロックは1ジャンルだが、他のジャンルと組み合わせることで新たな魅力を生むことがある。
また、ロックをやっているがアーティスト自身が他のジャンルの影響を受けていることでそのテイストが加わることがある。
16分音符を感じるファンキーでグルーヴィーなロックの一旦をお楽しみいただきたい。
Mötley Crüe/Dr.Feelgood
1989年5thアルバム『Dr. Feelgood』 収録、タイトル曲。
ロックの栄華を絵に書いたようなモトリークルーはL.A.メタルを代表するバンドだが、この曲は今までのロックンロールベースの音楽とはちょっと違う。
イントロこそ重厚なギターとベースが鳴るが、展開されたイントロはキャッチーでリズミカルである。
そして、ドラムがしなやかに刻むリズムがファンキーなのである。
ドラムのTommy Leeは空中回転でドラムソロをやったり、やたら大きいドラムセットを使ったりと派手さに目がいきがちなのだが、しっかりとした技術に裏打ちされていることがわかる。
この楽曲がラッキーなのがTommy Lee目線のものがあること。
大きな体から生み出されるしなやかなリズムは必見。
Red Hot Chili Peppers/Give It Away
レッチリはロックやパンクを含み、ヒップホップやファンクを組み合わせたミクスチャーバンドの代表格だ。
そこにはファンキーなノリが存在する。
1991年の5thアルバム『Blood Sugar Sex Magik』収録のこの曲はグラミー賞を獲得しているが、それだけに魅力的な楽曲である。
イントロはドラムとギターだけだが、十分ファンキーさがある。
その中にヴォーカル(ラップ)とベースが加わってさらにファンキーになる。
メンバー全員がリズムを発し、一丸となってくるこのノリは気持ちがいいだろう。
最初、このPVを見たときに衝撃を受けた記憶がある。(若干気持ち悪いと思った。)
変な格好で踊り演奏しまくっている様がレッチリらしいと知るには少し時間がいる。
Aerosmith/Walk This Way
1975年の3rdアルバム『Toys in the Attic』収録。
ラップ・ロックの先駆けと言われることもあるが、それよりも『踊る!さんま御殿!!』のメインテーマとしてお馴染みだろう。
この曲は有名なドラム始まりのイントロにさらに有名なギターリフが乗ってくる。
そして、ラップとも思えるヴォーカルが入ってくる。
いずれもキャッチーなのである。
実際にギターやドラムをやってみると分かるのだが、このリフのノリを出すのは容易ではない。
また、11年後にRun-D.M.C.にカヴァー(サンプリング?)され大ヒットし、低迷していたエアロスミスを復活させたきっかけとなっている。
Run-D.M.C.バージョンはこちら
Extreme/Get The Funk Out
1990年発売の 2ndアルバム『Pornograffitti』に収録。
エクストリームの代表曲「More Than Words」も収録されている同アルバムだが、全体的には多彩なロックが収録されている。
エクストリームは90年代のハードロックバンドだがギターのNuno Bettencourtのおかげなのか、リフがリズミカルでファンキーに仕上がることが多い。
本楽曲はタイトルにもある通り、まさにファンキーに仕上がっている。
特筆すべきはリズム隊ではなく、Nuno Bettencourtのギター。
リフのザクザク感とカッティングの切れと流れるようなギターソロ。
どんなにリズム隊がしっかりしていても、ギターのリズムがイマイチなことは多いのだが、そんなことはなくむしろリズムを引っ張っていく。
この曲に最新アップデートがかかるとこうなる。
イントロからエクストリームらしいやりとりがうかがえる。
Limp Bizkit/My Generation
2000年発表の3rdアルバム『Chocolate Starfish And The Hot Dog Flavored Water』収録。
リンプはアンチも多く、好き嫌いが激しいイメージがあるアーティストだ。
全体にへヴィなサウンドとクリーンなサウンドで表現する静と動でメリハリをつける楽曲が多い。
本作はあまりクリーンパートは存在しないが、一応メリハリは付いている。
足クセの悪いドラムにへヴィなギターとバキバキのベースは一時代を築いたサウンドで、ファンキーというよりはグルーヴィーなサウンドとなっている。
体でノリ切れるテンポの縦ノリが気持いいと思うか、気持ち悪いと感じるかはあなた次第だ。
Rage Against The Machine/GUERRILLA RADIO
1999年発表の3rdアルバム『The Battle Of Los Angeles』収録。
この曲は総合格闘技PRIDEのテーマ曲として有名だ。
トレモロとディストーションがかかったギターリフから始まるこの曲は、ギターのトム・モレロが変態ギタリストと言われる理由が垣間見える。(普通こんなことやらない)
ドラムとベースはメリハリの利いたリズムで曲を進行していく。
ヴォーカルはラップなのだが、その勢いはリンプ・ビズキットのものとは異なる。
この曲もファンキーというより、グルーヴィーである。
PRIDEのイメージもあってか闘争心が沸き立つのだが、その闘争心をこの曲に身を任せて踊ってみると気持ちよさが分かるだろう。
最後に
書きすすめていくうちに気付いたのだが、ノリがいい曲はイントロからノリが良いし、ワクワクさせてくれる。
そして、ファンキーさのキモは16分音符を感じさせることが重要であることが分かる。ドラムで言うと8ビートだがゴースト・ノートを入れたり、バスドラを細かく刻むことで表現されている曲ばかりだ。
もちろん、元々踊ることを想定したダンスミュージックやテクノ等のジャンルもあるが、ロックにはロックのノリがある。
これはこれで楽しめるようになると、音楽の楽しさがより一層広がるだろう。
こちらからは以上です。

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