ALTER BRIDGEというバンドをご存じだろうか。
(「知らん」、「知らない」、「知らね~よ」等の回答を期待しています)
非常にカッコイイロックバンドだが、日本ではあまり売れていない。
もったいない!
何とも日本人らしい発想。
今回はALTER BRIDGEを紹介します。
ALTER BRIDGEについて
クレジット上はほとんどの曲をバンドで作ったことになっている。
そのサウンドはCreed時代の頃よりはもう少しオルタナティブ感が減り、キャッチーになっている。つまり、聴きやすいロックサウンドだ。
ヘヴィなギターとベースにアタックの強いドラムは今風のラウドロックのサウンドだ。しかし、尖ってはおらず、メタルを全面に出すことはない、絶妙なサウンドなのである。
楽曲的にもアメリカのバンドはベースとなる音楽がブルースやカントリーになりがちであるのに対して、ALTER BRIDGEのベースはメタルである*1
しかし、そのメタルは最近のハードで高度でテクニカルなメタルというよりは、ヘヴィなサウンドにのったメロディアスな楽曲である80年代のメタルである。
また、ヴォーカルのマイルズ・ケネディの歌は上手く、低音と高温のキャラクターの差があるので飽きない。
メンバーについて
このバンドを語る上ではCreedというバンドの存在が必須になる。
Creedは全世界で3,500万枚以上のセールスを誇るモンスターバンドだった。
このCreedも日本ではあまり売れていない。
そのCreedが解散後マイルズ・ケネディを招いて結成したバンド。
正確にはベースは一足先に脱退していたのだが。
Myles Kennedy(Vocal&Guitar)
影響を受けたアーティスト
• Led Zeppelin
• Stevie Wonder
• Marvin Gaye
• Jeff Buckley
• Radiohead
• U2
アルバム TOP5
• Guns and Roses – Appetite for Destruction
• Led Zeppelin IV
• AC/DC – Highway to Hell
• Marvin Gaye – What's Going On
• Jeff Buckley – Grace
公式サイトより引用
楽曲的にブラックミュージックが前に出ることはないが、本人のヴォーカルと似たハイトーンと優しい歌声は影響が出ているのかもしれない。
マイルスはLed ZeppelinやGuns and RosesやAC/DCを上げるあたりが古典的ロックでハイトーンなヴォーカルを好むように思える。
それとともにUKロックであるRadioheadやU2を挙げる辺りが興味深い。この辺はJeff Buckleyが上がっているので、優しい歌声も好きなのだろう。
また、Stevie WonderやMarvin Gayeを挙げていることからファンクやソウル等のブラックミュージックにも影響を受けていることがうかがえる。
Mark Tremonti(Guitar&Vocal)
影響を受けたアーティスト
• Celtic Frost
• Metallica
• Stevie Ray Vaughn
• Audley Freed
• Led Zeppelin
アルバム TOP5
• Metallica – Master of Puppets
• Celtic Frost – Morbid Tales / Emporer's Return
• Bob Marley – Legend
• Slayer – Reign in Blood
• Stevie Ray Vaughn – Texas Flood
公式サイトより引用
マークはいかにもギター小僧といった感じがするのと、メタルに影響を受けているのが分かる。
ブラックメタル・デスメタルの元祖Celtic Frostやスラッシュメタルの4羽鴉のMetallica、Slayerを選んでいる。
また、ブルースのStevie Ray Vaughnを挙げていたり、Led Zeppelinを挙げているのも面白い。
Brian Marshall(Bass)
影響を受けたアーティスト
• John Paul Jones
• Geddy Lee
• John Entwistle
• Doug Pinnick
• Justin Chancellor
アルバム TOP5
• Rush – 2112
• Faith No More – Angel Dust
• Van Halen – 1984
• Metallica – Master of Puppets
• Led Zeppelin – Houses of the Holy
公式サイトより引用
ブライアンの選ぶアーティストは前へ出る・出ないに関わらず非常に存在感のあるベーシストばかりだ。
John Paul JonesはLed Zeppelinのベーシストで職人タイプ、Geddy LeeはRushのベーシスト&ヴォーカルでかなり前へ出てくるタイプ。両バンド共アルバムともリンクする。
John EntwistleはThe WhoのベーシストでJohn Paul Jonesに近いタイプ、Doug PinnickはKing's XやKXMのベーシスト&ヴォーカルでGeddy Leeタイプ、Justin Chancellorは元ToolのベーシストでJohn Paul Jonesタイプ。
いずれもテクニカルさを持ったベーシストばかりである。
Scott Phillips(Drums)
影響を受けたアーティスト
• John Bonham
• Matt Cameron
• Will Calhoun
アルバム TOP5
• Living Colour – Time's Up
• Led Zeppelin IV
• Pink Floyd – The Wall
• Soundgarden – Superunknown
• Tool – Aenema
公式サイトより引用
スコットはパワフルさとテクニックを兼ね備えたドラマーが好みのようだ。
Led ZeppelinのJohn Bonhamはロック好きのドラマーなら誰もが通る道だ。
Matt Cameronは元Soundgarden、Pearl Jamのドラマーであり、John Bonham同様パワフルなドラマーである。
Will CalhounはLiving Colourのドラマーであり、黒人ドラマーというのもあってかアフリカンなリズムを叩きだす多彩なドラマーだ。
メンバー全員に共通するのは、 Led Zeppelinである。直接的な影響は出ていないが、手の込んだ楽曲を嫌がらないのはそのおかげだろう。
メンバーは同い年ではなく、一番年下のマークが40歳、一番年上がマイルズの45歳だ。
それでも共通する音楽が好きなのは大きい。
マイルズは元ガンズ&ローゼスのスラッシュのソロアルバムでヴォーカルを務めている。
そっちの方が向いてるんじゃないかと思ってしまうが、やっぱりAlter Bridgeとうまいこと両立させている。
そして、マークもソロ活動を行っている。
バンドと別チャンネルを持つことはバンド自体にいい影響が表れているように思える。
おススメの楽曲
Metalingus
アルバム『One Day Remains』より
ドラムのタム回しから始まるこの曲は、ベースが絡んできてさらにヘヴィさが増す。
ギターが入ってからは完全にリフが前に出てくる。
2番が終わった後のギターのリフだけになるところが最高にカッコイイのだ!
実はこの曲WWEのEDGEの入場曲である。
こんなヘヴィな曲で入場できるなんて最高だ。
Rise Today
アルバム『Blackbird 』より
4thシングルでアルバムから初のシングル。
ミドルテンポでヘヴィな楽曲だ。
1番と2番のヴォーカルのギャップが素晴らしい曲である。
Watch Over You
アルバム『Blackbird 』より
アコースティックなサウンドで王道のロックバンドのバラードである。
この曲は以前書いた記事に入れようかどうか迷った。
ただ、アコースティックなのは1番までなので、入れないことにした。
歌詞は別れの曲とも言えそうな内容である。
最後に
今回紹介した以外にも素晴らしい曲がたくさんある。
是非とも聴いてほしいバンドだ。
また、今後アルバム1枚1枚のレビューも行っていく予定だ。
こちらからは以上です。
~5thアルバムをレビューしました~
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