ドラムって体力必要なんでしょ?とか筋肉必要なんでしょ?って質問されることがある。
そりゃ、ライブでは汗だくになるし、練習でも汗だくなんてこともしばしば。
人一倍運動量が多いように見えるのは確か。
でも、前回のように誤解が大なり小なりあると思うのさ。
この疑問に対して、アマチュアドラマーがお答えします。
体力は必要か
無いよりあった方がいい。でもアスリート並の体力は不要であることが多い。
最低でも一曲通して叩く体力は必要。
しかし、楽曲にもよるのだがあまり関係ない。
プロであれば安定してライブを通してドラムを叩き続ける体力が必要。
ドラムを30分叩いての消費カロリーは100kcal位と言われている。
軽いウォーキングが30分で約50kcal、早めのウォーキングで約110kcal、軽いジョギングで約190kcalとであるため、意識して早歩きしている程度の運動量というわけだ。
例えば、テンポの遅いバラードだとテンポの速い縦ノリの曲に比べて単純に同じ時間内に叩いている音数は少ないはずなので、運動量が減るからそんなに大変ではない。
逆にテンポの速い曲は疲れるのだけど。
そして、良く考えてもらいたい。
ライブでもぶっ続けでドラムを叩いているということはほとんどない。
アスリート並みの体力が必要なのは、超速テンポでゴリゴリ叩かなきゃいけないメタルのドラマーくらいじゃないだろうか。
筋力は必要か
無いよりあった方がいい。でもアスリート並の体力は不要であることが多い。
あれ?さっきも見た?
ドラムっていうか、打楽器全般のお話なんだけれど、大きい音を鳴らすのは簡単なことが多く、あまり筋肉と関係がない。
ドラムの手足の話をすると、力んで叩くというよりは手足を上から下に落とすぐらいの感覚で叩けはOKで、本来振り回す必要はない。
つまり、頭の上までスティックを振り上げるようなことをしなくても音量は出る。
こちらの動画を見てもらいたい。
全然大きな動きをしていないが、十分音が出ている。
ジャズ ロック ドラム テクニック に良い美女、声も良いし。。。 - YouTube
それでも大きなアクションをするのは、パフォーマンスだから。
ただ淡々と手足を動かしてドラムを叩くよりも、全身を使って熱くドラムを叩いていた方が見栄えが良いのだ。
自分の好きなドラマーの一人であるRay Luzierは割と大きいパフォーマンスをするドラマーだ。
Korn Drummer Ray Luzier Performing "Gun Fight ...
上で紹介したパフォーマンスを比べてどちらの方がドラムを叩いている感があるか。
あとは好き嫌いもあるし、やっている音楽も違うので単純比較はできないと思うが、ライブで見ていて飽きないのは後者じゃなかろうか。
筋肉ムキムキのドラマーもいるが、あれもあくまでパフォーマンスで演奏自体に必要なのはパワーの素で筋肉が大きくなる速筋ではなく、マラソンに使われるような持続力の遅筋の方が必要となる。
あとは音量を出したいために筋肉をつけている可能性はある。
同じ面積・容積の脂肪と筋肉であれば、筋肉の方が重たい→重たいものを振り回すのも筋肉→重たいもので叩けば音量が出るという仕組みだ。
ダイエットになるか
何もしないよりはダイエットになる。
でも、30分ドラム叩き続ける?それは考えにくい。
体力の部分でも書いたが、消費カロリーは早歩き程度。
本気でダイエットをしたいなら、もっと効率的にカロリーを消費する運動はたくさんある。
ドラムでよく使う筋肉とランニング等で鍛えられる筋肉には違いがあるので、別な部分を鍛えたいのなら意味があるかもしれない。
体の大きさは関係あるか
最大音量に差は出るかもしれない。でも、必要以上にデカイ音量は当然いらない。
筋力の話でも触れたが基本的には力まないで、落とすだけ。もしくは叩いた跳ね返りを利用するのでそんなに筋肉はいらないし、むしろ脱力することが大事。
腕の重さを利用して叩くと無駄がなくて疲れない。
ただ、165cm位のサイモン・フィリップスの腕と191cmのチャドスミスの腕の重さが同じだとは思えない。
単純に体が大きくなると腕や足が長くなるし、骨の大きさ・太さや筋肉や脂肪がつく量が増える可能性が高いので、相対的に音量が大きくなる可能性が高いということ。
下の画像がサイモン・フィリップス。セットがデカイから小さく見えるわけじゃない。
下の画像がチャド・スミス。ゴリラじゃないよ。
体が大きくても小さくても素敵なドラマーはいるし、それよりも音楽を聴く力だったり思っていることを表現できる力であったりと体以外の音楽的センスの方が大事な気がする。
ちなみに、知り合いのドラマーで身長は高め(175cm位?)だが100kg級のドラマーが何人かいるのだが、楽器を壊したりスティックを折る話を耳にする。
どんな楽器でもそうだけれど、楽器が壊れちゃその奏法は誤っているもしくはセッティングが誤っている可能性が高い。
楽器はおもちゃにしてもいいけど、ゴミにしちゃダメだぜ。
最後に
いかがだったろうか。
正直、ドラムを叩いてみないと分からない話ではあると思う。
だからこそ書いたのだが。
どんな楽器でも体を使って音を出すので、大なり小なり体を意識することになる。
それは自然な流れであって、大事なことだ。
自分も筋トレを行っているが、先ほど書いた筋肉量が増えると本当に音量が上がるのか?を検証してみたいというのが理由だ。
偏見が無くなって、よりドラムの本質が見えて・聴こえてくるんだったらこの記事は意味があるかもしれない。
こちらからは以上です。
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