音楽の楽しみ方は自由だ。
メロディを追いかけて一緒に歌ってもいいし、リズムに合わせて体でリズムをとってもいい。
もちろん、BGMのようにただ聞き流すのも良い。
最近はPVも秀一なので、PVを見ながら音楽を楽しむのも良いだろう。
さて、ライブやコンサートに足を運んだ時はどうだろうか。
座席が決まっている・決まっていないに関わらず、ある程度自分の決まったスペースで音楽を楽しまなければならないことが少なくない。
ジャンルがJazzでもRockでもClassicでも手拍子をすることは共通の音楽の楽しみ方なんじゃないだろうか。
拍手ではなく、あくまで音楽に合わせて手拍子。
これをちゃんとできるとさらに音楽を楽しめるかもしれない。
ある片田舎の夏祭りにて
ある夏の日。
仕事の関係で地方の施設の夏祭りに参加することになった。
地域の方々も読んで、盛大な夏祭りである。
自分は運営側だったのでゆっくり楽しんでいる暇はなかったが、ちょっと休憩できる時間ができた。
その夏祭りでは盆踊りやビンゴ大会、カラオケ大会と昔ながらの出し物が特設ステージで催されており、休憩の時間はちょうどバンド演奏の時間だった。
地元のバンドからセミプロまで数バンドが演奏していた。
その時のバンドは洋楽のロックをカヴァーしている3ピースバンド。
自分が好きな曲ばかりをやってくれたからよく覚えている。
Lenny Kravitzの「Are You Gonna Go My Way」やAerosmithの「Walk This Way」なんかをやってくれたのだ。
その時自分の隣には60歳前後の元気な女性の方がいて、手拍子をして演奏を楽しんでいた。
その前のバンドは吉幾三やら坂本冬美をバンドで演奏していて、その時から手拍子をして楽しんでいるのを横目で見ていた。
吉幾三&坂本冬美 スヘシャル ライブステージ「雪國」ほか11曲/2011
音楽のジャンルはいわゆる演歌なので、手拍子は1拍目と3拍目。
民謡や童謡なんかでよく使うリズムで、これは正しい反応。
さて、件の洋楽ロックバンド。
演奏しているのはロック。
Lenny Kravitzの「Are You Gonna Go My Way」だとこんな感じ。
Lenny Kravitz - Are You Gonna Go My Way - Live From The Bercy Arena, Paris / 2014
ここでも隣にいる女性の手拍子は1拍目と3拍目。
うんうん、分かるよ。
この曲のイントロは頭打ちでどこにスネアが入るかわかんないもんね。
じゃあ、次の曲Aerosmithの「Walk This Way」はどんな反応をするんだろうか。
頭のリズムが食ってたりするから若干ノリにくいのは分かるさ。
それでも隣にいる女性の手拍子は1拍目と3拍目。
Why Japanese People!?
全部同じノリだと思っているのですか!?
しかも、周りの人の手拍子は2拍めと4拍目ですよ!?
冒頭に述べた通り、音楽の楽しみ方は自由だ。
だが、せっかくライブを楽しむなら、みんなで同じように手拍子をするだけでも一体感を持って音楽を楽しんでみては?と思ってしまったエピソードであった。
ダウンビートとバックビート
ビートなんて考えるまでもなく、感じるもの!というのはある程度正しい。
音楽には理論があり、楽典がある。
それは音楽の仕組みや事象を言語化しているものである。
さて、先ほどの件は何が気になったかというと、演歌や童謡、民謡はダウンビートに属している。
音楽の演奏または音楽理論において、ダウンビートとは小節の最初の1拍のことである。各小節の先頭で、指揮者が振る指揮棒(タクト)が振り下ろされる ( downward stroke ) ことからこの名が来ている。バックビートも参照のこと。
現代の音楽、コモンタイムと呼ばれる4分の4拍子の音楽では、1拍目が強調されることは稀である(ファンクの中には例外があるが)。最も多くの場合は、2.4拍目に、バックビートに強いアクセントが置かれる。
ノリ方として、強い音がくるところで手拍子を打ちたくなる心理が働くはずだ。
だから、演歌で1拍目に手拍子を打つことは理に適っている。
逆にバックビートが2・4拍目に強いビートがくるのだから、その逆のダウンビートが1・3拍目に手拍子をするのはよさそうなものだ。
逆にJazzやRockの多くはバックビートである。
バックビート(back beat)とは、ポピュラー音楽の大半の曲で使われる四分の四拍子の曲で使われるスタイル・テクニックで、二拍目、四拍目にアクセントを置くスタイルのこと。最も多くの場合は、スネアドラムで打たれる。オフビート、アフタービート、日本語では裏打ちとも言う。
スネアの入る2・4拍目が強い音になる。
自分はアマチュアドラマーだが、このスネアの音にこだわるのはバックビートを重要だと思っているからというのが1つの理由。
音楽にノる時は、その音楽に合わせてノった方がいい。
だからこそ、Jazzダンスがあり、ヒップホップダンスといったジャンルに紐づいた踊りがある。
背景にある文化も違う。
違いが判ると、すべてごちゃ混ぜにするのが乱暴に感じるのだ。
よくある手拍子3パターン
理論は分かったとして、じゃあ実際手拍子はどうすればいいの!?と思った方に朗報です。
手拍子にはある程度パターンがあるのです。
意識するのは、スネアの位置です。
①8ビートのスネアの位置で手拍子
Mr. Big - To Be With You - Live - Spring Break 3/20/92
この曲でいうと、タンバリンを叩いている個所で手拍子をするのが割と一般的な手拍子。
テンポが速くても遅くても対応しやすいのがこの手拍子の良いところ。
②4拍全部叩いちゃう
Roy Orbison - Oh, Pretty Woman (Live at Farm Aid 1985)
この曲なんかは分かりやすい頭打ちのリズムなので、4拍とも手を叩く感覚が分かるでしょう。
ちょっとせわしない感じもするので、拳を上げるだけでもいいかもしれない。
③独自のリズムに合わせる
ミスチルのinnocent worldのAメロ~Bメロはタンタタタンというリズムで手拍子をする。
有名アーティストのライブ大規模ライブ何かに行くと、お決まりのパターンがあったりするのでそういうところも含めて楽しめるといい。
この辺は周りのお客さんがどうしているかをちょっとだけ気にしつつ、そのノリに合わせて見るというものだ。
これによる一体感を感じるのはライブだからこそである。
大体このパターンに集約されるので、どのパターンでみんなは手拍子をしているだろう?なんて感じながら楽しむのが良いのではないだろうか。
最後に
何度も言うが、音楽くらい好きに楽しめばいい。
もちろん、音楽はその場の生の音を限りなく雑音がない状態で聴きたくて、一緒に歌ったり手拍子なんかもっての外なんて意見もあるし、そんな意見を否定するつもりはない。
全ての音楽ジャンルのすべての曲に対して同じ態度でいるということは難しい。
だが、少しでもその空間にいて、そこでしかできないこと・感じられないことを目いっぱい味わってみてはどうだろうか。
自分はライブで出演者としてステージに立つこともあるが、静かに聴こうとしてくれる姿勢も好きだけど、盛り上がるダイナミクスがある曲は手拍子をしたり踊ったりリズムに乗ったりしてくれている反応を見るのは嬉しいし、こちらの気分も上がるのだ。
そうやって、ライブは出演者だけで作るものではなく観客も含めて一体となった空間で作り上げられるショーなのだ。
先ほど紹介した60歳前後の女性は自分なりに音楽を楽しんでいた。
この姿は夏祭りにも馴染んでいて凄く良かった。
ただ、傍から見て手拍子の位置が違うだけで、和食をナイフとフォークで食べる感覚であったり、ラーメンを手づかみで食べているようになんともミスマッチに見えてしまったのだ。
だからこそ、ロックのノリ方を知っていてほしかったなと勝手な希望を持ってしまうのだけど。
自分はライブを見て盛り上がったら拳を突き上げるし、踊るし、一緒に歌うし、手拍子もする。
それが自分の目一杯音楽を楽しむ姿だから。
こちらからは以上です。

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