なかなか具体的にコレというのが難しくて、いくつか挙げて初めて「こういうことか」と分かってもらえるかどうか微妙な話なのだが、歌の表現力があり過ぎてもなさ過ぎても何だかなーと思うのだ。個人的には表現力あり過ぎるのは苦手な部類で、むしろフラットな歌の方が好きだったりする。
歌声というよりも、クドイ歌いまわしがどうも苦手なのだ。歌いまわしはその歌手の命であり、プレーンに歌うと全然違う歌になってしまう。いつだったか、松崎しげるが愛のメモリーを全く表現力を付けて歌うのと普段の表現力で歌うのがどちらがよいか?みたいなお題で比べたことがあったが、正直表現を付けた方が良かったか?と言われると必ずしもそうではなかった記憶がある。
じゃあ、平井堅ならいいの?MISIAは?宇多田ヒカルは?となるかもしれないが、今回言いたいことはそういうことではない。
歌の表現がフラットでもいい音楽はいっぱいあって、そのうちの一つにJ-POPにオートチューンを流行らせた張本人中田ヤスタカの音楽がある。初期のPerfumeだったり、CAPSULEなんかもオートチューンを使って、あえて機械的にすることで歌というよりはそのサウンドへのマッチングを飛躍的に上げている。
これはこれでフラットというか、機械的であって初音ミクのようなボカロも該当するだろう。
もう少し生身の歌でフラットにいこうと思うと、合唱曲になると思うのだ。自分の場合、中学校の頃合唱祭があってその時歌った歌なんかはハモりもあるが、とてもフラットな歌だと思う。ただ、こればかりだと飽きる。
この方向性の良さなら、柴咲コウのカバーの方が断然好きだ。
歌いまわしでいうと、ジャンルにもよるところがある。例えば、自分が苦手な雰囲気だとBoyz II Men等のR&Bで最後をこねくり回すような歌い方って、本当にいい歌い方なんだろうか?と思ってしまって、どんなに曲が良くても入ってこないなんてこともしばしば。
これくらい甘いのもそういうもんかと思えばいいのだろうが、単純に比較すると歌として下手なはずのMe First And The Gimme Gimmesのカヴァーのストレートな歌い方の方が好きだったりする。
何でもストレートが良いかというと、そうでもないってところが悩ましい。
メタルだと過剰な表現ありきで、デスボイスを使ったりもっとド派手に行く傾向はあるが、それは音楽性全体と合っているし同じベクトルを向いているからアリになるんだと思う。あとは、単純に自分がメタルが好きなジャンルなのもある。
でも、これ系であってもグラインドコアはダメだった。グロウイングをしだすと無理だったりするし、そもそも歌っている感じがまったくしない。
歌心の無いメタルは苦手だし、歌心を前に出し過ぎるR&Bも苦手で、どちらも極端。いっそのことフラットにしてもいい音楽はいっぱいある。
こちらからは以上です。
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