Jailbreak

新しい世界の切り取り方

2020年下半期に自分がパワープレイしたアルバム/EP 10枚

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2020年ももう終わってしまうので、2020年下半期に自分がよく聴いたアルバムをまとめていく。半期に一度に勝手にやっていることなので、 またやってるなくらいに思っていただけたら、幸いだ。今回はいつもと違い、邦楽アルバムをよく聴いていたのが特徴だった。

先に言っておくと、「〇〇みたい」とか具体的なアーティスト名が出るのだが、そのアーティストのオリジナリティを傷つける表現ではない点であることは気を付けていただきたい。

つまり、何かと似ているという要素があることは、別にそのアーティストにとって悪いことじゃないよ、ということだ。

『THE GUERRiLLA BiSH』/BiSH

THE GUERRiLLA BiSH(AL)

1.My landscape
2.SHARR
3.GiANT KiLLERS
4.SMACK baby SMACK
5.spare of despair
6.プロミスザスター
7.JAM
8.Here's looking at you, kid.
9.ろっくんろおるのかみさま
10.BODiES
11.ALLS
12.パール
13.FOR HiM

オススメ曲→6,7,8,10,11,13

 

ロックバンドに女性ヴォーカルの定番

2019年下半期に自分がパワープレイした曲10曲として、「まだ途中」を選んでいて、2020年も聴いていこうと考えていた。

それが、結局2020年下半期になだれ込んでしまった。 

 

BiSHの中でもアイナ・ジ・エンドのハスキーな歌声と、フラットなセントチヒロ・チッチのフラットな歌声のギャップにやられることが多い。

楽器を持たないパンクバンド というだけあって、ロックサウンドが基本となっている。

 

このアルバムの中でも「プロミスザスター」 が好きで、特に聴いた曲でもある。

全体的にロックテイストと邦楽のポップでキャッチーなメロディの組み合わせは自分のツボである。

あえて過去の作品にさかのぼって聴いてみるのは、それまでのアーティストの道筋が見えるようで、結構好きである。

BiSHに関していえば、楽曲の音楽性の幅はそんなに変わってないと感じた。

だからこそ、相変わらずのBiSHが聴けたことも、満足感につながったと思う。

 

『SINGALONG』/緑黄色社会

SINGALONG (通常盤)(特典なし)

1.SINGALONG
2.sabotage
3.Mela!
4.想い人
5.inori
6.Shout Baby
7.スカーレット
8.一歩
9.愛のかたち
10.幸せ
11.Brand New World
12.あのころ見た光
13.冬の朝

オススメ曲→3,4,6,7,8,12,13

 

このアルバムはとてもJ-POPらしく、とてもよいアルバムだった。

分かりやすくヴォーカルの長屋晴子の歌声が最高なのと、分かりやすいキーボードのいるポップなバンドサウンドというのはとてもよい。

 

『HELP EVER HURT NEVER』/藤井風

HELP EVER HURT NEVER(通常盤)

1.何なんw
2.もうええわ
3.優しさ
4.キリがないから
5.罪の香り
6.調子のっちゃって
7.特にない
8.死ぬのがいいわ
9.風よ
10.さよならべいべ
11.帰ろう

オススメ曲→1,2,8,9,10

 

前評判の通り、日本人離れした感性と才能が炸裂したアルバム。 

このアルバムに関しては先に関ジャムで評価されていて、それをきっかけに聴いてみた。

ノリが後ろだ、ピアノが上手い、ヴォーカルがハイトーンではないが上手い、歌詞が独特の日本語なのに、アルバム紹介の動画は全部英語という型破り等、とにかく大絶賛だった。

ブラックミュージックっぽいノリをベースに、日本語の歌詞を大事にしながらできあがった音楽だと思う。

例えば「何なんw」なんて、歌詞にあまり使われないワードを選ぶセンスはさすが。

こういう今までになかった新しい感覚が入ってくる気がして、アルバムを流していた。

ノリが後ろに感じるのは、「何なんw」のリズムがハネてて、後ろが遅れてるように感じるからで、こういうところまでしっかり作ってあるのがよい。

このアルバム、洋楽のカヴァーがあるバージョンもあるのだが、カヴァーはそんなに良いとは思わなかった。

そのため、アルバムの本編だけを繰り返し聴いていた。家でゆっくり読書でもしているときに流しているのがよかった。 

 

『未来の始めかた』/SUPER BEAVER

未来の始めかた

1.星になりゆく人
2.ゼロ距離
3.歓びの明日に
4.ルール
5.your song
6.幻想
7.そして繋がる
8.その日を待つように
9.始まる、未来

オススメ曲→ 1,2,3,4,5,7,8

 

エモい日本語の歌詞とロックサウンドの融合。 

2020年はSUPER BEAVERの過去の作品を聴くことに決めていた。

『27』でSUPER BEAVERを知って、いいバンドだと分かっていた。

しかし、TSUTAYAでレンタルする優先順位が上がらないのと、iTunesにインポートした後に審査待ちの楽曲の列に待たされて、ここまで伸びてしまった。

 

この下半期に聴いた『歓声前夜』、『真ん中のこと』、『愛する』、『361°』、『SUPER BEAVER』、『幸福軌道』、『心景』はいずれも良い作品だったのは間違いない。

この『未来の始めかた』に自分に響く曲が多かったというだけである。

特に1曲目の「星になりゆく人」の静かなギターとヴォーカルだけからの始まり方で幕を開けて、2曲目の「ゼロ距離」でアゲていく流れが好きなのが大きい。

終わりよければすべてよしではあるのだけど、アルバムを聴くときに関しては、始まりが良ければ、終わりまで聴きやすい。

もちろん、アゲていく曲ばかりではなく、 「その日を待つように」のようにスローな曲もあるので、飽きない。

 

SUPER BEAVERの楽曲の良さは、メロディと共に分かりやすい歌詞がある。

一聴して、こんな言葉で歌っているんだなと分かる。

柳沢亮太の分かりやすい歌詞と、渋谷龍太のハッキリとした歌い方のなせる技である。

そして、歌詞の内容が心に刺さりやすいもので、歌声がエモいから、楽曲に熱さを感じる。 

そういう、分かりやすく感情を煽るような楽曲が多いのが良かったんだと思う。 

 

『Panic』/From Ashes To NEW

Panic

1.Scars That I'm Hiding
2.Brick
3.What I Get
4.Blind
5.Sidefx
6.Panic
7.Wait for Me
8.Bulletproof
9.Nothing
10.Death of Me
11.Change My Past

オススメ曲→ 1,2,6,8,9

 

Linkin ParkがHip-Hopを忘れて、よりヘヴィに変化した感じ。

このアルバムのジャケットがカッコイイと思った。

それだけの理由で、聴いてみることにした。

きっかけこそジャケ買いだったが、案外ヘヴィで骨太なサウンドで結構好みだった。

 

それほど前面には出さないが、ヴァースでラップをすることもあるし、コーラスにはLinkin ParkのChester Benningtonのようなガナり方をして、ハイトーンで歌う。

これは個人的な好きなパターンだ。

9曲目の「Nothing」なんかがこのパターンで、特に好きな曲だ。

調べてみると、ジャンルはラップ・メタルバンドとなっていて、そりゃLinkin Parkのテイストを感じるわけだと、妙に納得した。 

 

最近Bring Me The Horizonのシンセとヘヴィなギターロックを重ねたサウンドが割と好みなのだが、そういうサウンドにラップを乗せているので、またさらに別な方向に進化したなという感覚がある。

新しさは、ゼロをイチにすることよりも、既存の要素を組み合わせてできることがほとんどだ。

ヘヴィなギターに負けないシンセを上手く使った、ヘヴィなロックバンドで、ラップをするんだから、古いようで一つアップデートをしているという音楽性を感じて、とても気に入っている。 

 

『Magic Is Alive』/Lionville

マジック・イズ・アライヴ

1.Nothing Without You
2.You're Not Alone
3.Runaway
4.Finally You're With Me
5.Every Little Thing (Leads Back To You)
6.If You Don't Know Me
7.Living With The Truth
8.Reaching For The Sky
9.I'll Never Give My Heart Away
10.Into The Night
11.Magic Is Alive

オススメ曲→1,2,3,5,6,7,8

 

TOTOやJourneyを感じる古き良き産業ロックの雰囲気による安心感。

新しい音楽は、自分に刺激を与える。

しかし、 Lionvilleの音楽は刺激よりも、安心をくれる。

それは、多分今まで聴いてきた音楽が蘇ってくるからなんじゃないかなと思う。

 自分のルーツで考えると、ギターが上手い洋楽のバンドは好きで、70年代や80年代のギタリスト全盛期の時代は自分のツボである。

どうもLionvilleの曲を聴いていると、そんな時代のバンドの楽曲や雰囲気を思い出す。

 

例えば、8曲目の「Reaching For The Sky」はイントロのシンセが、TOTOに聴こえて仕方ない。

しかも少しスローで、リズムが割とカッチリしているので、TOTOの新曲ですって言われても、ちょっとテクニカル感が無いなと思うくらいで、受け入れられてしまう。

ヴォーカルのStefano Lionettiの歌声が歴代のTOTOのヴォーカルのスタジオミュージシャン感を感じる。

いわゆる器用なヴォーカリストなんだろうと思う。

 

他にも「Every Little Thing (Leads Back To You)」は、ヴォーカルが少し鼻にかかるあの歌声だったら、Journeyの新曲ですと紹介されたら、そうかと思ってしまう。

爽やかなシンセのイントロとちょっとアップテンポな感じだったり、そういう要素が組み合わされて、Journeyのような雰囲気を感じるんだと思う。

ギターソロも、JourneyのNeal Schonほど弾きまくらないが、適度に速弾きはするので、ハードロックの雰囲気はしっかりおさえている。 

 

他にも4曲目の「Finally You're With Me」のように、落ち着いたバラードもある。

全体を通して、今までどこかで聴いたことがあるメロディアスなハードロックがある。

TOTOやJourneyみたいな産業ロックの名盤を聴くのも、もちろん良いのだが、新作なのに安定感のあるあの頃のハードロックを聴くのも、良いものだ。 

 

『WONDERLAND』/Novelbright

WONDERLAND

1.ランナーズハイ
2.Believers
3.君色ノート
4.Photo album
5.おはようワールド
6.ENVY
7.夜空に舞う鷹のように
8.夢花火
09.スタートライン
10.candle
11.Prologue ~Before the dawn~
12.時を刻む詩

オススメ曲→1,2,3,5,6,7,8,9 

 

秦基博がバンドを組んでみたら。 

Novelbrightはバズリズムか何か紹介されて、ご本人たちも登場していたのがきっかけ。

そして、良く調べてみると「夢花火」は聴いたことがあって、バンドの曲というよりは、EXILEのようなヴォーカルダンスユニットの曲だと勝手に思っていた。

竹中雄大の歌声が好きで、 ハイトーンもとてもキレイなことが特徴的。

そのため、「夢花火」のような繊細さがあって、美しい曲とは相性が良い。

 

1曲目の「ランナーズハイ」もハイテンポでありながら、スッキリとしたフレーズが多いのでとてもクリアな楽曲で、気に入った。

Aメロのヴォーカルが、特に秦基博と似た感じだなと思った。

これは多分、歌声自体と共に、息遣いであったり、節回しも含めて全体的に似ていると思っている。

サビになると、高音が秦基博より少し広がった感じになるので、完全に似ているというわけではない。

 

ギターが2人もいるのに、ギターロックに走らず、ポップなサウンドに仕上がっているアルバムで、とても聴きやすい。

歌うまのJ-POPのど真ん中をいっているので、ガツンとロックを聴くのではなく、天気のいい日にサラっと気持ちの良い音楽として聴くのが良くて、よく聴いた。 

 

『Q.E.D』/BLUE ENCOUNT

Q.E.D (初回生産限定盤) (特典なし)

1.STAY HOPE
2.バッドパラドックス
3.ポラリス
4.FREEDOM
5.棘
6.VOLCANO DANCE
7.HAPPY ENDING STORY
8.あなたへ
9.ユメミグサ
10.ハミングバード
11.喝采 

オススメ曲→ 1,2,3,5,9,10,11

 

1stの頃の良さを感じさせ進化した半べそヴォーカル。 

BLUE ENCOUNT(以降、ブルエン)についていうと、1stアルバムの『≒』は2015年下半期に一番聴いたアルバムだったりする。
シングルやEPで発売されて気に入っていた曲が、アルバムになったからよく聴いたというシンプルな理由。

この時も書いたのだけど、次回作に期待してたのだが、あまり自分の琴線に触れてこなかった。2017年下半期に聴いた曲として、「さよなら」を挙げて以来の登場。

1作目がよかったからといって、次回作が必ずしも自分の琴線に触れるわけではないという例。

 

そんなブルエンの4thアルバムはよかった。

「ポラリス」、「ユメミグサ」辺りのシングル曲がアルバム全体を引っ張っていて、ブルエンのもつエモさとか熱さみたいなものが、割とストレートに表現されているアルバムだった。

特に、「ユメミグサ」の持つ桜を使った哀愁であったり、「ポラリス」の涙にまみれる感じであったり、自分がブルエンに求めていた雰囲気があった。

 

ギターのリードがピロピロしていて、最近のアプローチであるところは変わっていなく、ここがブルースや80年代のハードロックのような感じになると、全然違うものになってしまう。

そういうアプローチのオリジナリティを持ちながら、感情むき出しの半べそロックを聴かせてくれたので、これは聴かざるを得なかった。

 

『Talio』/流線形 & 一十三十一

Talio

1.金曜日のヴィーナス feat. 堀込泰行
2.タリオのテーマ
3.モンキービジネス
4.予告編
5.蜃・気・楼
6.哀愁のタリオ
7.恋愛小説
8.魚座の最後の日
9.真実のテーマ ~Focus~
10.シボレー67
11.チープスリル
12.真夜中の訪問者
13.嘘つき手品
14.復讐と冷静の間で
15.エデンの惑星
16.曇り時々雨
17.ミスターK
18.真実のテーマ ~City Light~
19.タリオのバラード
20.悲しいくらいダイヤモンド
21.黒岩のテーマ

オススメ曲→1,2,3,5,7,10,11,12,13,14,18,20 

 

流線形と言えば、シティポップ。シティポップと言えば、流線形。 

流線形との出会いは、20年くらい前に1枚のアルバムを聴いたことだった。

シティポップなんて言葉も知らず、JazzやR&Bのようなブラックミュージックのような、オシャレなポップスだった記憶があった。

そして、ネットを漁っていた時にたまたま出てきたのが、このアルバムだった。 

一十三十一とコラボしているというのも、ちょっと珍しいなと思って聴いてみることにした。

 

一聴すると流線形の大人の雰囲気と、一十三十一の子供のような無邪気さのある歌声がミスマッチに聴こえなくもない。

ただ、何回か聴いていると、お互いの個性を殺さず、程よい距離感を持ったコラボだという結論に至った。

 
あとは、コラボの割に全然歌がなくて、コラボの意味ないじゃんと思った。

調べてみると、NHKのドラマ『タリオ 復讐代行の2人』のオリジナルサウンドトラックだった。

別に自分はドラマは全く知らなかったが、これはこれでよかった。

最近はSuchmos辺りが持つオシャレさと、気だるさを持ってインストなんかもあって、その雰囲気と近い感じで聞き流せるオシャレなインストがほとんど。

つまり、聞き流せるオシャレなインストアルバムとしても、優秀なのだ。 

 

オシャレなポップスは特にシティポップと言われて、近年話題になっていると思う。

新しい音楽というよりは、山下達郎辺りの70年代や80年代の邦楽アーティストがやっていたようなものを指しているように思っている。

シティポップの雰囲気を持つ2020年のアルバムとしては、なかなか良いもので、聞き流しも多かったが、よく聴いていた。

 

『Post Human: Survival Horror』/Bring Me The Horizon

Post Human: Survival Horror

1.Dear Diary,
2.Parasite Eve
3.Teardrops
4.Obey With YUNGBLUD
5.Itch For The Cure (When Will We Be Free?)
6.Kingslayer Ft. BABYMETAL
7.1x1 Ft. Nova Twins
8.Ludens
9.One Day The Only Butterflies Left Will Be In Your Chest As You March Towards Your Death Ft. Amy Lee
オススメ曲→1,2,3,4,6,7,8 

 

期待外れなし。コラボを絡めたソリッドなEP。 

Bring Me The Horizonの前作『Amo』が2019年最高のアルバムだった。

そうすると、毎回次回作に期待をするのだが、必ずしも期待に沿うものばかりではない。

これ自体は仕方ないのだが、やっぱり期待に応えてくれると、自ずと評価は高くなる。

やっぱり、BMTHは最高だと言わせてくれる安定感がたまらない。

 

最後に

知っているアーティストの新作や自分が知らない作品が良いと、よく聴くことになる。

この辺は知っていることによるハードルを越えてきたから、当然と言えば当然だ。 

新しいアーティストは、自分の知っているアーティストの雰囲気を、どこかに感じる作品が上がっている。

 

完全な新しさは、毎回曲編で現れてきたりするので、こうご期待。  

曲編はこちらです。

こちらからは、以上です。

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