2017/02/03 歌詞についての記載を一部修正
自分がJazzにハマらなかったのは去年の話。
Jazzを全く知らない状態で聴いたわけではなく、Jazzに分類される好きなアーティストはいたわけで。
それがカナダ人シンガーのMichael Bublé(マイケル・ブーブレ)。
必ずしもJazzばかり歌うわけではなくてPopsっぽい曲も歌うのだが、そこが自分には程よく聴きやすい 。
そして、彼の歌うJazz Standardは心地よい。
Michael Bubléについて
まずはMichael Bubléについて。
カナダ出身の39歳。
父の鮭漁などを手伝いながらカナダで芸能活動を展開。
その下積み時代にサケがジャンプする姿を見るだけで、サケの種類がわかるという特技を身に着ける。
10年以上の下積みの末、カナダ首相令嬢の結婚式での歌唱が、式に偶然出席していたデイヴィット・フォスターの耳に留まり唯一無二の声と絶賛される。その出会いが“プロデューサーとヴォーカリストのベスト・マッチ”となり、飛躍のきっかけとなる。
2003年に自身の名前を冠したデビューアルバム『マイケル・ブーブレ』を発売、カナダ、イギリス、オーストラリアのチャートで軒並みTOP10入りを記録。
12ヶ国でプラチナ・ディスク、3ヶ国でゴールド・ディスクを獲得、全世界で400万枚を売り上げる。
2005年リリースのアルバム『イッツ・タイム』も全世界売上枚数が450万枚を突破。
2007年にアルバム『コール・ミー・イレスポンシブル』を発売。アメリカ、カナダ、ドイツ、オランダ、南アフリカ、オーストラリアの6ヶ国で初登場1位を獲得、全世界で売上枚数1,100万枚を突破。名実ともにワールドワイドで大ブレイク。
その後、2011年に発表したホリデー・アルバム『クリスマス』も全世界で900万枚以上を売り上げる。
2013年4月にリリースされた最新作『トゥ・ビー・ラヴド』は全米英を含む17カ国以上でアルバム・チャート1位を獲得。米国では4作連続で1位を獲得し、最もNo.1アルバムを獲得した男性ソロ・アーティストではマイケル・ジャクソン、ブルース・スプリングスティーンに続く歴代5位タイとなった。
全世界での累計アルバムセールス枚数4500万枚以上、グラミー賞受賞4回という輝かしい実績を持つ大物歌手なのは確かで、スタンダードナンバーを歌い上げる力を持っており、それ以上にオリジナル曲が良いという二段構えになっている。
何より、イケメン。
自分、あまり見た目で男に魅力を感じないのだが、ドレッシーな格好をするのも相まってスゴイ色気が出ている。
歌声の良さはもちろんで、スタンダードを歌えてポップスまで広くカヴァーするその歌声は癖が少なく素直でとても聴きやすい。
そこにはしっかりとしていながら繊細な表現が入っており、音楽的にもとても良いものになっている。
あのDavid FosterはMichael Bubleの声を評して「唯一無二の声」と言ったそうな。
脇を固める職人たち
MichaelにはAlan Changという専属音楽ディレクターがおり、ソングライティング等の音楽活動を支えるパートナーがいる。
そんな二人の様子がFacebookにアップされている。
右にいるのがMichaelで、左がAlanである。
AlanはMichaelのツアーにもピアニストとして参加しており、総合的にMichaelを支えていることが伺える。
そして、このようにMichaelはFacebookに動画や画像を投稿してくれる。
その中で2013年から始めているステージ裏でのウォームアップ。
この完成度が半端じゃない。
バンドメンバーと共に様々な曲をカヴァーする。
その演奏技術が確かだからこそ、シンプルな構成でもしっかりとした音楽になっているし、コーラスの完成度も高い。
上記動画はCheep Trickの「I Want you To Want Me」なのだけど、とても軽快なアコースティックセッションに仕上がっている。
他にもQueenの「We Are the Champions」のカヴァーは笑った。
Freddie Mercuryの歌い方もクラシカルだけれど、それを誇張して歌うのはなかなかよくやってくれたもんだと思う。
そして、ある時は映画「セッション」の一コマを。
こんな具合で世界ツアー中にはウォームアップで様々な曲をカヴァーを見せてくれたり、コミカルな映像を届けてくれる。
その姿は常に楽しげで、音楽を楽しむ姿勢としてとても素晴らしいものがある。
そのためには確かな技術のあるメンバーがいて成立するし、Michael自身の性格もあるんじゃないかと思えてくる。
良曲揃いのオリジナル
四の五の言わず、まずその歌を聴くのが間違いない。
まずは「Home」から。
とても素朴で耳にも心にも優しいサウンド。
歌詞はちょっと切なくて、ちょっと愛しいラブソング。
Lyrics: 洋楽歌詞和訳サイト: Home - Michael Buble
ただのホームシックソングと切り捨ててしまうには想いがこもっていて、離れていても愛する気持ちを歌っている歌なのだ。
甘い歌声とともにゆっくりと肩の力を抜いたら、涙がこぼれ落ちそうになってしまうそんな名曲。
あまりにも名曲すぎてWestlifeやBlake Sheltonにカヴァーされている。
そして、もう1曲「Hold On」。
これも甘いラブバラード。
でも、最後の最後までその熱さは内に秘めて、最後のコーラスで最高潮に達するアレンジが最高。
Hold on to me, it's gonna be alright
Hold on to me tonight僕にしがみついて、大丈夫だよ
今夜僕をしっかり抱きしめて「Hold On」より
「運は離れていって人生に失望してしまうかもしれないけど、その両手で僕を抱きしめて、一緒にいれば大丈夫だよ」と歌っている優しい歌。
良い時は何をしても上手くいくけれど、上手くいかない時に初めて愛の本当の価値が発揮できるのかもしれないと思わせてくれる名曲。
Michaelは歌い上げるような楽曲も得意だが、ポップでアップテンポな曲もある。
例えば、「It's a Beautiful Day」はカラっとした晴れ空に似合う。
Michael Bublé - It's A Beautiful Day [Official Music Video]
別れを引きずらないように、なんていい日なんだ!と笑い飛ばすこの曲は悲しい気持ちを未練たらたらに歌う。
男なんてこんなもんなので、なんてピッタリな曲を作ってくれたもんだと思わざるを得ない。
こんな感じでバラードでは聴かせてくれ、アップテンポでポップな曲も気持ちよく歌ってくれる。
楽曲の良さはグラミー賞の折り紙付きである。
最高のライブアルバム
脇を固めるバンドが凄いのはもちろんのこと、Michaelの歌声はライブで最高の輝きを放つ。
例えば、2005年の『Caught In The Act』は本当に最高のライブアルバムだ。
そのオープニングを飾る「Feeling Good」のカッコよさったらない。
Michael Buble - Feeling Good (Live 2005) HD
HONDA Accord HYBRIDのCM曲にもなったこのカヴァーは鳥肌が立つくらいカッコイイ。
洋楽・邦楽問わず、音源ではいい歌を歌っていてもライブにになると全くダメになる人もいる中で、Michaelの歌声は輝いている。
ライブで実力を発揮してこそのヴォーカリストである。
ちょっとしたところだと、ワイアレスのマイクは使わずかならずワイアードを使っているのはちょっと古臭さを狙っているからなのか、はたまたこだわりなのか。
そんなところにも注目してみるのもライブの楽しみ方だ。
最後に
どうもエンタメ化が激しい音楽を聴いているせいで、刺激が強めでメッセージも強めサウンドもバキバキの音楽を聴いてしまいがちな自分がいて、先日書いた記事なんかはその最たるもので。
ハードロックやメタルは分かりやすくカッコイイし、J-POPもどこかそういう傾向があって、アクの強さや個性の強さやいかにお金をかけられるかみたいなところばかりクローズあっぷされがち。
そんな時にふとMichael Bubléの音楽を聴くと、音楽そのものの良さだったり本当の歌の上手さを感じることができる。
それは例えるなら、ソースとケチャップとマヨネーズとからしをモリモリに盛ったトンカツから、しっかりと出汁の効いたおでんくらい違っているんじゃないだろうか。
もちろん、食べ方の問題もあるのだけど、おでんのように大根には大根そのものの味がって、がんもにはがんもの味があって、そういう美味しい素材にしっかり出汁がしみ込んだおでんの盛り合わせがアルバムになっている。
音楽は歌が良いと本当に良いものになる。
歌の力は出汁みたいなもので、ちゃんと歌えると曲という素材をしっかり仕上げてくれる。
美味しいものがまた食べたくなるように、Michael Bubléの歌はまた聴きたくなるのだ。
こちらからは以上です。
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