Jailbreak

新しい世界の切り取り方

2016年下半期自分がパワープレイしたオススメアルバム10枚

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2016年も終わろうとしているので、そろそろ下半期パワープレイした音楽をまとめてみようと思う。

いい音楽に出会っているので、良かったと思えたものを並べていきたい。

なお、今回もあくまで自分が出会った音楽であって、2016年下半期に発売されたものではないことはご了承いただきたい。

1.GLIM SPANKY『Next One』(2016)

【早期購入特典あり】Next One(通常盤)【ONE PIECE スペシャル黄金スリーブケース付】(?尾田栄一郎/2016「ワンピース」製作委員会)

1. NEXT ONE
2. 怒りをくれよ
3. 闇に目を凝らせば
4. grand port
5. 時代のヒーロー
6. 話をしよう
7. NIGHT LAN DOT
8. いざメキシコへ
9. 風に唄えば
10. ワイルド・サイドを行け

オススメ曲→1、 2、5、9、10

 

「2016年この声はズルい大賞」があったら、確実に大賞に選ぶGLIM SPANKY。松尾 レミの声がとにかくズルい。

ブルースをベースとしたオールドロックサウンドに日本語の歌詞(主に男言葉を使う)を乗せて歌う。これだけだと古いモノ好きにウケそうな感じで、もしかしたらちょっとつまらない音楽になってしまう可能性すらあって非常に危うい。もちろん、そんなことにはなっていなくて、音楽としてしっかりと完成されている。

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女性ヴォーカルでギターが男の2人組でオールドロックというとSuperflyが思い浮かぶ。ハッキリ言うがGLIM SPANKYはSuperflyと鳴っている音は近いが、歌声が明らかに違う。Superflyの越智志保のパワフルなハイトーンが正統派だとすると、GLIM SPANKYの松尾レミの歌声は邪道。しかし、ロックに邪道はつきものであり、むしろ邪道であることがカッコいいことすらある。

松尾レミの声は歪んでいる。ギターの様に歪んでいる。これがロックに乗せて合わないはずがない。スモーキーで歪んだ歌声にオールドロックサウンドがまた合うんだ。燻製したチーズにウィスキーがメチャクチャ合うのと同じこと。

 

2.Aimer『daydream』(2016)

daydream(通常盤)

1.insane dream
2.ninelie with chelly(EGOIST)
3.twoface
4.Higher Ground
5.for ロンリー with 阿部真央
6.蝶々結び
7.カタオモイ
8.Hz
9.声色
10.closer
11.Falling Alone
12.us
13.Stars in the rain

オススメ曲→ 1、3、4、5、6、9、10、13

 

「ONE OK ROCKが好きだけど、一体どの部分が好きなんだろうか」という問いに1つの答えを出してくれるアルバム。5曲にONE OK ROCHのTakaが関わっていて、そのうち3曲はONE OK ROCKのアレンジャーColin Brittainが関わっているから。

サウンドがへヴィで歌詞の世界もONE OK ROCKで、演奏している・歌っている人が違うけど好きだと思えるなら、Takaが作る音楽が好きな可能性が高いし、へヴィなサウンドが好きな可能性が高い。

 

Aimerのアルバムなのに、一言目がONE OK ROCKだなんて!と思ったかもしれないが、前提としてAimerの歌はとても良いのだ。この歌声ありきで、ONE OK ROCKのTaka、内澤崇仁(androp)、スキマスイッチ、TK(凛として時雨)、野田洋次郎(RADWIMPS)というJ-POP界でトップクラスのミュージシャンと一緒にアルバムを作っているのだ。一通り聴いて”これは2016年下半期パワープレイしちゃう”と思ったのもあって、1本記事を書いたくらいだ。

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今回はコラボを楽しんだアルバムだったんだろうし、それが今までのある程度まとまった世界観から色々な色をした広い世界と視点を変えてくれる結果となった。その視点にもAimerはしっかりといて、Aimerの今までなかった面が見れたなんて思えるから勝手に楽しくなってしまう。

 

3.04 Limited Sazabys『eureka』(2016)

eureka(ユリイカ)【通常盤】

1.Horizon
2.Feel
3.drops
4.Warp
5.paradise
6.climb
7.Night on
8.mahoroba
9.discord
10.Telepathy
11.Letter
12.eureka

オススメ曲→ 1、2、6、7、8

 

没個性になりがちなジャンルに、個性としっかりとしたテクニックを兼ね備えたバンドの2ndアルバムがやっぱり良かったという結果。

個人的にはメロコアが好きだが、この手のバンドが溢れていて、どれがどれだか分からないこともある。そこでGENの女声が一つの個性になる。そして、メロコアバンドはドラムが上手くないとカッコ悪いが、KOUHEIのドラムはなかなか上手い。だからこそ、2015年下半期にパワープレイをしている

メロコアというジャンルは、その名の通りメロディがしっかりとしていて口ずさめるのでキャッチーになるので良さは分かりやすい。その一方でサウンドが似通ったものになるのは、ジャンル的な問題点で特にメロコア周辺は似たようなサウンドになる。そういう中でフォーリミはしっかりと頭角を表していると思う。だからこそ、2010年代のロックバンドとしてオススメできる。

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飽きずに下半期聴きこめたのは、あまり歌詞を気にせずに洋楽みたいな聴き方をしたからというのが大きい。別に歌詞が悪いと言っているわけではなくて、自分としてはサウンドとメロディが好きだからそれだけで楽しめたということ。いいっすよ、フォーリーミ。女声が嫌いじゃなかったらオススメっすよ。


4.THE BOYS&GIRLS『バックグラウンドミュージック』(2015)

バックグラウンドミュージック

1.せーので歌うバラード
2.すべてはここから
3.歩く日々ソング
4.錆びないダイヤ
5.二子玉川ゴーイングアンダーグラウンド
6.メル
7.今日のうた
8.24
9.ライク・ア・ローリング・ソング
10.あすなろたち
11.パレードは続く

オススメ曲→ 1、3、6、10、11

 

決してテクニカルではないし、スマートではないし、カッコ悪い。だけど、このアルバムには青臭くて、不完全で、熱い気持ちがふんだんに含まれている。

青臭いというとプラスのイメージで使われないと思うが、個人的にはたまにこの青臭さに触れたくなることがある。ブルーハーツや初期の藍坊主やTHEイナズマ戦隊、最近だと忘れらんねぇよとか。歳を取ると怒髪天とかエレファントカシマシとかになって、ちょっと人生を知っちゃうから重さが加わるんだけど、そうなる前の青臭い感じが好きなのだ。

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PVを見て気付くかもしれないが、見た目が全然イケてないの。サンボマスターは笑えても、彼らの見た目はイジっちゃダメなレベル。それだからこそ、スッカスカで飾り気がない音楽を一生懸命やる姿が似合っている。純粋に真っすぐな気持ちや熱さがこのアルバムにはある。

 

5.TRUSTRICK『TRICK』(2016)

TRICK (Type-A)(CD+DVD)

1.TRICK feat.chelly (EGOIST)
2.Recall THE END
3.I wish you were here.
4.blur blur
5.pixie
6.mint gum (sugarless version)
7.LOVELESS
8.星の無い夜
9.beloved
10.寂しさの宙から
11.innocent promise
12.Honey Complex
13.未来形Answe
14.So long
15.Proud

オススメ曲→2、3、9、15

 

神田沙也加の歌の上手さとBillyが作る楽曲の完成度の高さがマッチして、アルバム全体としてとてもよかった。

神田沙也加の歌がイケてるのはずっと前から知っていたし、親子共演をしても母に負けないくらいの歌を歌うんだからスゲーとは思っていたが、舞台方面に活動が向いてしまってからはあまりチェックしていなかった。ある時歌っていることを知って。このアルバムを聴いたら、なかなかいいじゃないのと。Aimerの『daydream』同様”下半期パワープレイしちゃうアルバムだ”と思ったから記事を書いた。

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とてもアニソン臭がするので、そういう臭いがするのが嫌いな人はダメだろうし、無駄にポップとか無駄にドラマチックとこの「無駄に」ってところがアニソン臭なんだよなと思わずにはいられない。だからって、作品としてダメではないし、ちょっと過剰演出気味だと思えばいいし、そもそもの楽曲の完成度は高い。

活動休止は残念だが、活動を再開指せる可能性は示唆しているので、それはそれとして楽しみに待てばよいのかなと。

そして、何より神田沙也加はカワイイ。


6.レキシ『Vキシ』(2016)

Vキシ(CD)

1.牛シャウト!
2.KMTR645 feat.ネコカミノカマタリ
3.一休さんに相談だ
4.古今 to 新古今
5.やぶさめの馬 feat.ハッピー八兵衛
6.SHIKIBU feat.阿波の踊り子
7.寺子屋FUNK feat.シャカッチ
8.旧石器ベイベ feat.足軽先生
9.刀狩りは突然に
10.最後の将軍 feat.森の石松さん

オススメ曲→1、3、5、6、7、9、10

 

池ちゃんの世界にハマったら抜け出せない。ただただレキシ最高!!!!!としか言えない。

絶対的価値観がある人だと分かると思うのだが、自分の価値観として「これこそ神!」と言える人・モノ・事があって、その中の一つにレキシがいるということ。日本の八百万の神にレキシさんが名を連ねたと思えばいい。自分はそういう価値観を持っている。

歴史の世界観でポップでファンキーかつ遊び心しかない音楽を目の前にして、ひれ伏すことできない。

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このアルバムはいい曲が多いのだが、個人的には10曲目「最後の将軍」が大好きだ。とても普通の曲なんだけど、松たか子が歌ってる。レリゴーよりもこっちの曲の方がいいと思うんだよな。こんなおちゃらけた歌をあんな澄んだ声で歌っちゃうんですよ。しかもちょっと切ないし、明るい曲調でどんどん進んでいくし、感情の置き所が良くわからなくなる。PVに出ているのが夏帆。感情がどこにいるか分からなくなるくらい情報だけで頭が混乱する。日常に夏帆がいるってとても良い。最近こういうズルいPVが多すぎると思うのは自分だけではないはずだ。

要するに、「最後の将軍」はいい曲ってことです。

 

7.Korn『The Serenity Of Suffering』(2016)

The Serenity of Suffering

1.Insane
2.Rotting in Vain
3.Black Is the Soul
4.The Hating
5.A Different World (featuring Corey Taylor)
6.Take Me
7.Everything Falls Apart
8.Die Yet Another Night
9.When You're Not There
10.Next in Line
11.Please Come for Me
12.Baby
13.Calling Me Too Soon

オススメ曲→1、6、8、12

 

「Kornなんて聴いてるの?キモイわー」って言われても仕方ないと思っていたけど、今言われたら「オマエ、最新のKornを知らないで言ってるだろ?」って確実に言い返せる。

事実としてKornの音楽は不協和音が多く、低音で何やってるかよくわからないけど迫力はあって、ヴォーカルがガナってラップする。これだけだと気持ち悪い音楽だと思うし、七味唐辛子の塊みたいな刺激物のイメージがついてしまう。しかし、そんな曲ばかりではないし、あくまで一部でしかないところに注目しすぎると大事なことを見逃してしまう。Kornは案外ポップな曲もあるし、しっかりとしたメロディの曲もある。ただ、アクが強いので最近はやりのパクチーくらいの位置づけだと自分は思っている。

このアルバムは今までとっ散らかりがちだったKornのグルーヴが見事にまとまっている。まとまっていつつ、攻めるところを攻めているからとにかく強い。攻撃こそ最大の防御は音楽では通用しない。守るところを守らないと、どんなに攻撃してもいい音楽にならない。

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元々グルーヴィだったが、Ray Luzierのドラムがハマってさらに磨きがかかっている。その上で本来ある違和感のバランスが良いのでスパイスになっている。スパイスばかりではだめで、激辛カレーだった作品が辛口カレーになって旨み全開状態。

初期のKronが放っていたダークサイドのオーラが少なくなってきたのか、ただKornの音楽性に慣れてきたのかは不明だが、エクストリームミュージックであるはずのメタルにはある程度耐性ができるのは実感としてある。これ以上の刺激は危険。長く聴けないから、これくらいの刺激が何度も聴き続けられる楽曲の限界点かもしれない。

 

8.I Don't Like Mondays.『Fashion』(2016)

FASHION 【通常盤】

1.Introduction
2.Crazy
3.Don't look back
4.Game over
5.Sorry
6.Marry me
7.Right before sunset
8.Tonight
9.Fashion
10.Stranger
11.Girlfriend
12.Freaky boy
13.Life

オススメ曲→2、5、8、11、13

 

オシャレでファンキーなイメージがあったが、もっとデジタルに寄って最近のEDMっぽさがありつつ、色気がある音楽がこれだった。

1stアルバム『TOKYO』はブラックミュージックっぽい、ファンキーでソウルフルな曲が多くてとても好きで、その2ndアルバムとして楽しみにして聴いた。始まりこそ前作のイメージから外れないサウンドだが、4曲目くらいからちょっとシンセ色が強くなってきて8曲目「Tonight」で全開。まあ、ブラックミュージックの4つ打ちのリズムはシンセと親和性が高いし、ダンスミュージックだってルーツはブラックミュージックというか、ダンスはブラックミュージックの一種だ。そりゃ、合うさ。

今までと変わる部分と変わらずにいる部分でいうと、今までと同じ部分の方が多いように思うが、変わった部分の印象が強いが故に”あれ?I Don't Like Mondays.変わった?”と感じさせる。

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色気については、歌っていることが「君と僕の世界」というのもあるし、悠の歌声とソウルっぽいファルセットがいい感じなのが理由。久保田利伸みたいに突っ切る感じではなくて、どちらかというと平井堅に近いかなという歌声。

ファンキーでソウルフルな音楽が好きなので、I Don't Like Mondays.は好きだ。

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9.Alter Bridge『The Last Hero』(2016)

Last Hero

1.Show Me a Leader
2.The Writing on the Wall
3.The Other Side
4.My Champion
5.Poison in Your Veins
6.Cradle to the Grave
7.Losing Patience
8.This Side of Fate
9.You Will Be Remembered
10.Crows on a Wire
11.Twilight
12.Island of Fools
13.The Last Hero
14.Last of Our Kind(Bonus Track)

オススメ曲→1、5、8、9、10、11

 

石の上にも三年。待ちに待ったAlter Bridgeの新作は間違いなく最高だった。そして、アルバムの曲順を大事にして音楽を聴くのは楽しみ方として最高。

前作『Fortress』が2013年で、そろそろAlter Bridgeの新作出ないかなーなんて思ってオフィシャルサイトを見たらニューアルバム出てて、慌てて手に入れた。メロディアスさとへヴィさと(心強さと)が気持ちいいバンドで、メタルっぽさがところどころ顔を出すのが好き。

このバンドに関してもレキシ同様、絶対的価値を今まで与えてくれて今回も同じように価値を与えてくれたから神継続となっただけといえば、それまでかもしれない。

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このアルバムは温→冷みたいな楽しみ方ができて、銭湯でのサウナと水風呂の行ったり来たりを音楽で体現してくれているのはこのアルバムのレビューで書いた。

このアルバムの中だと3曲目「The Other Side」から4曲目「My Champion」や、8曲目「This Side of Fate」から9曲目「You Will Be Remembered」、10曲目「Crows on a Wire」から11曲目「Twillight」という3つの流れがあるので是非とも続けて聴いていただきたい。

うん、これ。アルバムは流れがあって、曲順を大事にして聴くことで1曲1曲の価値以上の価値を感じることができる。それがこの作品には明確にあって、忘れがちだった大事なことを久々に思い出させてくれた。

 

10.[Alexandros]『EXIST!』(2016)

EXIST!(通常盤)

1.ムーンソング
2.Kaiju
3.Girl A
4.Claw
5.O₂
6.Feel like
7.Aoyama
8.Nawe, Nawe
9.Buzz Off!
10.クソッタレな貴様らへ
11.Swan
12.I want u to love me
13.今まで君が泣いた分取り戻そう
14.NEW WALL

オススメ曲→3、6、8、11、13、14

 

2016年下半期のアルバムで1枚選ぶとしたらこのアルバム。最先端の色んなロックが入っている

前作『ALXD』もパワープレイしたアルバムだったが、本作もパワープレイしてよく聴いた。タイアップがついている曲が8曲あって、耳にする機会が多かったのは大きいと思う。音楽にも単純接触効果はあって、何度も耳にしていると何だかいい曲な気がするアレだ。

 書きたいことは大体レビューで書いている。

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ロックもすそ野が広くなっていて、これもロック?あれもロックなの?と自分のロック観を広げていかないと受け入れていけない。受け入れなければならないわけではないが、変化していく音楽をある時期から知っているのでどう変化しているかを楽しむことができるのだ。何かと何かを比較して聴くと、時代の傾向が分かったりして、さらに分かった観点で音楽を聴くと全然違う表情を見せてくれる。その辺の話はまた別途書こうと思っているが、[Alexandros]のこのアルバムはジャンルやサウンドがごちゃ混ぜではなく、しっかりと整理されていてミックスされているのが凄いのだ。

その上で、メロディアスでカッコいい。見た目にもスタイルがある。アーティスト然としていていい感じ。 

 

最後に

今回次点のアルバムとしては以下の7枚。

・My Hair is Bad『グッバイ・マイマリー』
・My First Story『Missing You』
・柴咲コウ『続こううたう』
・Green Day『Revolution Radio』
・Descendents『Hypercaffium Spazzinate』
・MACO『love letter』
・Tremonti『All I Was』

この辺が自分にとって2軍だった。別に2軍だから劣っているとかそんなことはなく、色んな視点からオススメできるものを選ぶ10枚なので落選となっただけ。

 

全体に洋楽がKornとAlter Bridgeの2バンドで少な目なのと、ヴォーカルの男女比率はちょっと男性が多いがレキシさんもいるので偏りすぎてはいないと思う。

あとは、いずれのアーティストも「ロックの要素」があることくらいが共通点だろうか。こればっかりはロック小僧なので仕方がない。

 

2017年も新たな音楽との出会いが楽しみだ。 

 

こちらからは以上です。

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