Jailbreak

新しい世界の切り取り方

関ジャムは音楽の楽しむ観点を与えてくれる

広告

 

関ジャム 完全燃焼、略して関ジャム。音楽的を様々なテーマで、プロの視点から紹介してくれるありがたいテレビ番組だ。

音楽に少しでも興味があれば、面白いと思える回はあるし、自分の様に楽器を演奏するプレーヤーだからこそ琴線に触れるようなかなり尖った回もある。説明するとちょっと難しい音楽理論をベースにした説明や、そもそもこの楽器ってどんな楽器?みたいな回もあって、本当に懐が深い。

そんな関ジャムの良いなと思う点を書いていこうと思う。

裏話が凄い

90年代以前に比べると、現在はアーティストの情報だったり、映像へのアクセスはかなり手軽にできる。アルバム制作中の風景をアルバムの特典DVDで見られたりもするし、Youtubeにレコーディング風景が乗っていたりと、昔に比べれば至れり尽くせりだ。

それでも、音楽雑誌にしか載ってないようなマニアックな情報はあるし、そういう細かい話を字数制限・時間制限のある中のインタビューでどれだけ聞き出せるかが、記者や編集者の腕の見せ所となる。ただ、そういう情報がなかなか手に入らないのは確か。

例えば、Queenを特集する回で、THE YELLOW MONKEY(以下、イエモン)のギターEMMAとベースのHEESEYが出演し、Queen愛を語った。その中で、イエモンの「SO YOUNG」のラストのベースラインが上がるのは、Queenの「You're My Best Friend」のラスをのオマージュだという。

確かに、似たようなアウトロ。テンポがイエモンの方が遅いので、若干違う感じに聴こえるし、Queenがギターが上がって終わるが、イエモンはベースだけ上がって終わるので、完全にコピーかといえば、そうではない。また、EMMAのギターのハモリもQueenのBrian Mayに似ているので、所々オマージュが入っている。

このオマージュに気付いて、インタビューできるか?さらに、その当時素直にそんな内容を話してくれるか?という2重に難しい問題がある。そんな話をご本人から裏話として聞けるのは、本当に貴重。何なら、雑誌を読み込んで、数行から数十行に書かれている内容なのだけど、そこを映像・音源と共に分からせてくれるテレビの力は偉大。

こういう風に楽曲の聴き方が変わるようなレベルの

音楽理論をその場で実践

自分の感覚的には「音楽理論は聴きなれていることに名前がついていること」だと思っている。逆に言うと、気持ちよい音楽や気持ち悪い音楽には、音楽理論である程度説明できる。これは、ギターを十数年、ドラムを10年、音楽を作ってきて10年以上からくる経験。

例えば、コード進行をピアノと鍵盤を使用しながら説明をしてくれる。これは、Youtubeでもやってくれたりはするのだが、そこはテレビ業界、映像のプロ。非常に分かりやすく図示してくれる。もちろん、音も含めて丁寧に説明してくれるので、理解できることもあるし、知らない人も「そういうこともあるんだ」くらいに思えるかもしれない。

なかなか普通に音楽を聴いていてわからないことを、説明してくれることで、 ちょっとわかった気になる。分かった気になると、音楽を情報として楽しむことができる。これだって、立派な音楽の楽しみ方。

何が良いか?の観点を与えてくれる

音楽の良さは人それぞれなのだけど、それをしっかり言語化してくれるのって、とても珍しくて貴重なこと。このブログでも、音楽の良さを言語化してみるのだけど、どうもキャッチーとかヘヴィとかそういうありきたりな言葉で表現しがちだったりして、Youtube聴いて!みたいな、百聞は一見に如かず手法に頼ってしまう。

 もちろん、似たような手法ではあるのだけど、プロがやられたと思った名曲6選のなかで、蔦谷好位置が挙げたキリンジの「エイリアンズ」のイントロは、こういう一音でやられたと思える感性ってあるんだなと思った。

そういう音使い一つで感銘を受けるような楽曲だとは思っていなかったが、そういわれてみるとそういう風に聴こえてくる。 

これは一つの音楽の着目の仕方であって、色んな視点で音楽を聴けるようになるのは、より音楽を楽しめるようになる可能性がある。

他にも、まだ楽曲の評価が定まっていない、2010年代の楽曲の評価が下される。番組に出演するのはミュージシャンやプロデューサーや有名アレンジャーや作曲家等音楽業界の第一線にいる人だ。こういう人たちの評価を知ることができるのは、とても貴重だ。 

最後に

取り扱う内容は結構深いが、できるだけハードルを下げて、分かりやすく説明する。音楽に関わる要素はたくさんあるが、その一つに絞って説明をしてくれるので、とても面白い。 

もちろん、テレビの良さとして映像がついてくるのはもちろんだが、音をビジュアライズすることによる効果も大きい。 

とてもおもしろい番組なので、長く続いてくれることを期待している。 

こちらからは以上です。

関連記事