Jailbreak

新しい世界の切り取り方

長屋 晴子の歌の魅力に溢れた緑黄色社会の『SINGALONG』

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SINGALONG (通常盤)(特典なし)

1.SINGALONG
2.sabotage
3.Mela!
4.想い人
5.inori
6.Shout Baby
7.スカーレット
8.一歩
9.愛のかたち
10.幸せ
11.Brand New World
12.あのころ見た光
13.冬の朝

オススメ曲→2,3,4,6,7,8,10,11,12,13

 

平日の朝はテレビのニュース番組を流しながら、出勤の準備をする。 前まではめざましテレビを見ていたが、ここ数年はZIPを見ている。あのフジテレビの内輪ノリが肌に合わなかったと気づいたのは、もっと後のこと。ZIPの流れでスッキリに流れていくわけだが、スッキリはニュースというよりエンタメ色が強い。始まりからSNSやネットで話題になっていることを取り扱ったり、時間が深くなってくるとNiziUを発掘した虹プロジェクトのオーディションなんかも流している。そんなコーナーの一つに高校生ダンス選手権があった。この時使われていた曲が「Mela!」だった。

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前置きが長くなったが、「Mela!」を聴いたことで緑黄色社会のイメージが変わった。名前くらいは知っていて、男女混合のバンドなんだなくらいの印象しかなく、バズリズムあたりで聴いたことはあったが、あまり自分の琴線には触れなかった。それが、こんなエモい歌を歌えるヴォーカルが居たなんて、知らなかった。

そんなこともあって、手に取ったアルバムだったが、これが意外と全体的にキャッチーで、ヴォーカル長屋晴子の歌の魅力に溢れたアルバムだった。

別に他のメンバーが良くないとかそういうことでは全然なくて、やはりバンドのフロントマンのヴォーカルがちゃんと輝いているという、前提がしっかり守られた上で、輝くどころか太陽の様に燃えている!とすら感じた。それくらい、長屋のヴォーカルが突き抜けている。 

2曲目の「sabotage」、4曲目「想い人」、6曲目の「Shout Baby」、14曲目「夏を生きる」はシングル化されていて、それだけでそれなりに売れる見込みを持って売られているので、キャッチーさという意味では相当レベルが高い。実際、シングルがバランスよく続くことで、アルバム全体のクオリティが上がって、ずっと聴き続けられるアルバムだった。どこか好きではない曲が谷にようになっていて、アルバムを聴き通せないなんてことはよくある。祖入れが故に個人的な感覚としては、1枚を聴き続けられるアルバムは貴重だ。

緑黄色社会の音楽は、とてもポップで、歌が真ん中にある。その真ん中にある歌がいやらしくなく、緩急があるのだ。ここでいういやらしさというのは、R&Bのようにこねくり回す歌い方や、ロックの金切り声や、静かな音楽のウィスパーボイスだったりというテクニックを指していて、個性やジャンルになったりもするのだけど、逆に強いと聴きにくい印象を受けるものだったりする。例えば、いきものがかりなんかは、この歌のいやらしさがなくて、サウンドやメロディのポップさがあって、とても聴きやすい。それと同じ感じで、長屋の歌声は割とフラットでパワフルなところを持ちながら、ファルセット(裏声)を上手く使ってパワーを意図的に抜くことで、緩急をつけている。パワフルに声を張り上げたかと思いきや、ファルセットで抜くというのは、「Mela!」なんかでも聴けるし、他の曲でもよく使っているので、注意しながら聴いて欲しい。

フラットな歌声だからこそ、歌詞も入ってきやすい。1曲1曲が難しい言葉を使わずに歌詞が紡がれているため、理解もしやすい。そこの4人のメンバー全員が作詞作曲に関わることで、幅が広がっている。女性が歌う僕歌(一人称が僕)の歌としてギターの小林の作った「inori」、「Brand New World」があり、長屋と小林の共作の「Mela!」「あのころ見た光」があったりと、違いを楽しむののなかなかよかった。

 メジャー1stアルバムとしても、看板代わりになるレベルの曲は多いし、ライブで聴いてもよさそうな曲もあるので、これからの活動と活躍を楽しみにしたい。

  

こちらからは、以上です。

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