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【ネタバレあり】ONE OK ROCKのLIVEに参戦して感じたこと・考えたこと~ONE OK ROCK 2019 – 2020 “Eye of the Storm” JAPAN TOUR 2019/10/12 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ~

 

ONE OK ROCKのライブに参戦してきたので、LIVE自体の感想とそこでの発言(MCや曲中の煽り)から考えたことがあるので、書いておこうと思う。

前提をお伝えしておくと、ONE OK ROCKのアルバムは全部聴いていて、一番好きなアルバムは『残響リファレンス』。ライブの参戦は初めてで、DVD『ONE OK ROCK 2018 AMBITIONS JAPAN DOME TOUR』のサウンドは流し聴きした程度。好きなアーティストに挙げるには、他が多すぎるが、好きか嫌いか無関心かでいうと、好きなバンドであるのは確か。

ONE OK ROCKに関して、『Ambitions』くらいから海外を意識して、英歌詞が進んでいて、ソリッドでヘヴィなサウンドからシンセや打ち込みを多用した若干ポップなサウンドへと変化しているので、その辺はどう考えているのか気になっている。その辺をONE OK ROCKのメンバーが発言している雑誌等のインタビューに触れることがなくて、どういう方向性を打ち出していくのかには、非常に興味がある。世界に目を向けるのは別に構わないのだが、以前の良いと思っていた方向性とは違ってきたなと思っていた。なので、今後どうなるのか興味がある。

LIVE自体の感想

LIVE自体は、慣れていなくて「こういうもんなのか?」と思うところがありつつ、ライブバンドとしての実力と安定感はしっかりと見せつけてくれたと思う。

スポンサーHONDA

スポンサーとして、HONDAがバックアップしていて、ライブの始まりにCMが流れるのは、何だかカラオケみたいだった。CM自体は、TAKAがナレーションしたテレビCMと同じもの。

他にも、数本A-Sketch名義のONE OK ROCKのDVDのものが流れたと思う。今まで、こういう始まり方をしたライブがなかったので、斬新だなと思った。

レコード会社がバックアップするのはある程度理解できるが、あのHONDAがライブのスポンサーになっているのは、もしかしたらあるのかもしれないが、ここまで大っぴらにCMまで流すのかと。

Takaのパフォーマンス

Takaはまあまあ声が出ていて、さすがのパフォーマンスを見せていて、特に調子の悪さは感じなかった。10年以上のキャリアは伊達じゃなく、客の煽りもうまいし、MCもほぼ途切れることなくどんどん出てくる。歌はもちろん、間奏のパフォーマンスと気を抜いたところは見えなかった。

後述するファンと交流コーナーでもメインMCを務めていて、上手くファンと交流しながら楽しい時間を演出していた。THEフロントマン。やるべき仕事をしっかりこなしていた。

ソリッドな楽器隊とシーケンス

選曲は、アルバム曲にシングル曲を中心にしていて、満足だった。そもそもが『Eye of the Storm』のツアーなので、収録曲が多いのは当然。『Eye of the Storm』の曲は、まだ色々な記憶と紐づいていないので、新しい価値を与えてくれたのは大きい。

ただ、最近の作品に増えたシーケンスを使った、同期演奏が必要な楽曲が増えている。それに合わせて、バンドの楽器がプラスされるので、ライブバージョンとしてはなかなか良いものがあった。打ち込みを多用した広がりのあるサウンドも良いのだが、ライブだともっとソリッドでストレートなサウンドの方が、聴いていて気持ちよい。

バンドのセッションがあるのだが、ジャムセッションでもなく、キメがある音楽をやっているようなので、それは要らないだろうと思った。ちなみに、自分の思うジャムセッションはレッチリのライブの始まりや、曲の終わりになんとなく始まるあの感じ。コードすら一発の状態で、とにかくお互いを感じながら合わせていくあの感じだ。また、最近の音楽的な傾向を考えると、バンドサウンドというより、もっといろんな音を鳴らして、映像とともに芸術性を高めていくのが方向性としては合っているんじゃないかと思った。

楽器隊としては、Toruのギターに対してRyotaのベースとTomoyaのドラムのリズム隊の楽曲へのアプローチが違っていた。Toruは基本的には楽曲通りだったが、ギターソロでは原曲と異なるフレーズを弾いて、〆のフレーズで戻ってくるようなことは何度かあった。これ自体は、ライブで聴ける新たな楽曲の一面なので、個人的にはライブである価値がそこにあると思う。一方で、リズム隊は原曲通りのアプローチがほとんど。これは、シーケンスに合わせた演奏であるのと、そんなに新しい手数を出すのが最適だとは思えない楽曲が多いので、うなずける。全体として、ライブらしさよりも決まったものを決まった通り演奏している印象を受けた。だからといって、ライブの生々しさがないわけではなくて、あくまできっちり演奏しているということだ。

様々な演出

映像を上手くつかった演出はたくさんあって、歌詞も入ってくるようになったのは、良かった。そのおかげで、後述する最近の楽曲の歌詞の良さに気付くことができたのは、大きな収穫だった。

お客さんと交流するコーナーがあった。その場にいるファンを5人ほどステージにに挙げて、インタビュー。初めて見た自分としては、「誰かメンバーの調子が悪いのか?」と思ってしまった。別にそういうものではなくて、昔からやっているネタらしい。ライブって音楽を聴くもんだと思っていたので、若干自分のライブの定義が揺らぐ経験ではあった。

最近のバンドは乗る用の台が置いてあるみたいで、よくその台の上に乗ってパフォーマンスをしていた。正直、アリーナからはよく見えるようになるかもしれないが、二階席等の上の席だとほとんど変わらないなと。でも、よく考えたら昔ならモニタースピーカーに足をかけたり、乗ったりしてパフォーマンスする姿はあった。それがモニターはイヤモニになったので、その代わりに置くのかなとも思ったり。

今回、前座は無し。Takaは「時間を自分たちだけで独占したい」という旨の発言があった。今まで前座があったようで、Coldrainや9mmあたりがパフォーマンスをした話も聞いたことがある。とはいえ、メインはONE OK ROCKなわけで、前座なしでよかったんじゃないかなと思う。

マイナスな点としては、曲と曲の間がブツブツ切れて、せっかく盛り上がってきても、どうも盛り上がり切れない。曲と曲のつなぎ目が無いものもいくつかあったが、基本的には1曲1曲切れて、暗転。同期演奏が多いとはいえ、あまりにライブが中断する印象を受けた。もっと流れるように、ライブが続いていれば、もっと盛り上がれたし、熱い時間が流れたように思う。もちろん、ライブをやる側としては、水分補給も必要だし、機材の交換も必要。しかし、ギターやベースの持ち替えは割とスタッフが出てきてやっていたので、別にそれほど隠れて行っていたわけではなかった。これが、Mr.Childrenのドーム級のツアーだと、映像やSEで曲と曲の間をつなぐような手法があったりするのだが、どうやらそういうことはしないようだった。

LIVEで得られたONE OK ROCKの今

彼らの最近の音楽を聴いていて、色々疑問があった。何でソリッドな曲が減ったのか、なぜ英語の歌詞ばかりなのか、今後もこのスタイルで行くのか等色々。 これが少し解消されたし、より彼らの音楽を理解して聴くことができるようになった。

世界を回って、やっぱりロックが好きだと思った

「世界を回って、色んな所でライブをやって、やっぱりロックが好きだと」という旨のMCがTakaからあった。2019年に入って、Ed Sheeranのアジアツアーのサポートアクトを務めていたONE OK ROCK。日本各地にファンがいて、ライブを楽しんでくれる姿は知っていただろうが、今まであまり行ったことのない土地での反応は嬉しかったんじゃないかと想像できる。そういう反応を最大化させようと、バンドとして路線を変えていくのも、想像できる。たくさんの人にメッセージを伝えようということの現れなんだろうなと考えられた。ロック自体は懐の深いジャンルなので、多少のアレンジも利く。世界的にも受け入れられているジャンルだと思うので、理解できる。 

英語で歌詞とか分から無くてもいいから、歌ってくれ!

ライブの曲が始まってからのTakaの煽り。 Takaは割と観客に歌わせたがる。

自分たちの楽曲が英歌詞ばかりにしているのは、理解しているのは分かった。そのうえで、日本人に英歌詞を歌うには厳しいというのも理解したうえでの煽りだった。そもそも、曲のタイトルにでもなっていないと、なかなか耳コピしきれない人も多いだろう。

とはいえ、「We are」のような曲なら、歌いやすいし、Oh~と歌うことは可能だった。

こんな風に必ずしも、難しい英語で変な区切りになっているわけではないので、歌いやすい歌詞になっているとは思う。そして、合唱しやすいアレンジをしている曲も多い。曲の雰囲気を壮大にしようという意図はあったのかもしれないし、ライブでみんなで合唱したら良いなと思ってアレンジしたのかもしれないなとも思えた。

作品の雰囲気とか変わったこと

「楽曲の雰囲気とか変わってしまって、どうしたんだろうと思うこともあると思だろう。今までのビックなロックバンドも変化をしてきて、その時必要なことをやってきたから、解散せずに活動を続けてこられたんだと分かった。だから自分たちがやりたいこととメッセージを載せて発信していくから、あなたたちも人生を変えていってほしい」こんな発言がTakaのMCにあった。これが妙に納得できた。

 特に、「今までのビックなロックバンドも変化をしてきて、その時必要なことをやってきた」というのが良くわかって、自分にはいくつかのバンドが頭を過った。Metallica、Queen、Aerosmith…一発売れてから、さらにスタイルを変えて売れ続ける時、以前のファンを失うようなことはあって、それでも自分たちの音楽で進み続けたバンドはあった。こういう変化が後から「こういう変化だった」とそのバンドの歴史になって、積み重なって楽しめるものになるのではないかと考えられた。

どうも最近の変化ばかり気になってしまっていたが、今後の変化も含めて10年のキャリアがあるONE OK ROCKがどう変化していくかを楽しんでいけばよいのだ。

「完全感覚Dreamer」で火が付いたと思っている

実は、アンコールラストが 「完全感覚Dreamer」だった。

これが一番盛り上がったし、ONE OK ROCKのメンバーのパフォーマンスも最高潮だった。この曲の始まりのMCでTakaが「この曲で火が付いたと思います。」みたいなことを言っていた。確かに、「完全感覚Dreamer」はシングルとして初めてオリコンチャートTOP10入りした曲である。 

個人的な感覚としては、3thアルバム『感情エフェクト』以前と「完全感覚Dreamer」が収録されている4thアルバム『Nicheシンドローム』で売れそうな感覚が違う。サウンドやパフォーマンス的にはそんなに変わらないのだが、キャッチーさが明らかに違う。個人的な感覚としては、『感情エフェクト』以前はしょっぱくてつまらない楽曲が多かった。それが、『Nicheシンドローム』以後は変わった。

そういう反応をONE OK ROCKも持ってくれていたんだなと思ったMCだった。 

英語にしたことで、よりストレートなメッセージを込めている

この部分が、今回のライブで一番大きな収穫だった。 8thアルバム『Ambitions』くらいから全編を通して英語の歌詞の曲が増えたように思う。元々、勢いや雰囲気を殺さない歌詞ではあったが、いつもそんなに意味やメッセージが込められた歌詞の楽曲ばかりであったとは思っていない。そんなにも歌詞に重きを置いて聴いていなかったのもあって、ONE OK ROCKの歌詞をそんなにちゃんとチェックしていなかった。

今回のライブで確か「In the Stars」の演出で、歌詞がスクリーンに映し出された。そんなに難しい単語はなく、意味は大体わかった。下手に日本語でこねくり回すより、ずっとストレートな歌詞だった。こんな風に分かりやすい歌詞もあるんだと認識した。

本編最後の「Wasted Nights」なんかも、まさに同じ感じだった。MCで「この夜を無駄にしない」という旨のことを言って楽曲が始まったので、そういえばそういう意味だったなとも再認識できた。映画キングダムの主題歌でもあったが、映画を見ているときは、あまりそういう感じで聴いておらず、いい曲だなくらいにしか思わなかったので、楽曲自体の価値がさらに上がった気がする。

もう少し、ONE OK ROCKの歌詞をちゃんとチェックすることで、以前の歌詞と比べてストレートなメッセージが含まれた楽曲を楽しむことができそうだ。

全体

ONE OK ROCKのことも分かったし、もっと楽曲を楽しむ方法も分かった。そのうえで、今後ONE OK ROCKに求めることや方向性について考えてみた。 

今後比較していくのはBring Me The Horizonあたり

ONE OK ROCKの音楽性や、今までやってきたことを考えると、エモく歌い、ハードなロックがあり、打ち込みを効果的に使っていくという方向性になっていると思う。 今、その先にいるのはイギリスのロックバンド、Bring Me The Horizon(以下、BMTH)なんじゃなかろうかと思っている。実際、2019年上半期最高のアルバムであり、このまま2019年最高の1枚になる可能性が大いにある。

 BMTHがロックやメタルやポップスやダンスミュージックの美味しいところをうまい具合にミックスしつつ、ヴォーカルOliver "Oli" Sykesが経験した離婚を乗り越えたいて、全方面に向けて発信しまくる作品。

ONE OK ROCKの方がもう少しポップに行っているが、そっち方面はモンスター級のアーティストが待っている、日本とはまた違うエグさがある。そのうえで、ONE OK ROCKが今後どのように進んでいくのかは楽しみにしたい。

ストレートな熱さやメッセージがある。それを殺さないスタイルを貫いてほしい

ONE OK ROCKに対して、アーティストとして変化があり、今までの良さの一部が減少もしくは無くなってしまったと感じていた。ソリッドなサウンド、ヘヴィな低音、中二病的な英語と日本語が混じった歌詞。アルバムでいうと『Nicheシンドローム』から『 人生×僕=』くらいまでの頃の楽曲の良さである。 

それはそれとして、直近の2作品『Ambitions』や『Eye of the Storm』には、1曲1曲の歌詞を読めば、割とストレートな英歌詞になっている。いつもロックの強さが必要なわけではないが、もっとロックのスタイルを広げて、今までのスタイルもこれからのスタイルもごちゃまぜにしたアルバムみたいなものを聴いてみたい。

歌詞のスタイルが変わってきているので、それに合わせた楽曲の雰囲気を聴かせてほしい。 

 

こちらからは、以上です。

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