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俺の洋楽ロックバンドのバラードライブラリが火を噴くぜ!その2~1980-1990年代のロックバンドの名バラード②~

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ロックバンドのバラード名その2です。

前回に引き続き、1980-1990年代のロックバンドの名バラード(パワーバラードに限らない)を紹介します。

前回はこんな感じです。

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前回同様、下記のルールとなっています。

・1アーティスト1曲

・The 40 Greatest Power Ballads Playlistにある曲以外(同アーティストでも違う曲)

・ロックバンドで、ソロアーティストは除外する

実質、今回は90年代の楽曲です。

80年代のハードロック、ヘヴィメタルブームが終焉に伴い、正統派のパワーバラードから、グランジ・オルタナティブにシーンが移っていく中で、そのスタイルを貫いたバンドの名バラードが繰り広げられます。

 

KISS「Forever」(1990)

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Kissというと、1970~1980年代が全盛期で、派手な衣装にペイントという、唯一無二のビジュアルを持つ。

ロックンロールをベースにした王道のハードロックスタイルを持ち、ハイトーンもお手の物。

Kissのバラードというと、『Destroyer』(1976)の「Beth」が全米7位を獲得する代表曲で、ドラムのPeter Crisがヴォーカルをとっている珍しい曲でもある。

The 40 Greatest Power Ballads Playlistには「Reason To Live」(1987)がランクインしている。

 

今回紹介する「Forever」は『Hot In The Shade』に収録されており、Michael BoltonとギターのPaul Stanleyの共作である。

シングルカットされると、全米8位を獲得するヒットソングとなる。

 

Harem Scarem「Honestly」(1991)

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カナダ出身のハードロックバンド、Harem Scarem。

バンド名の由来はアニメ「バックスバニー」に出てくるキャラクターから。

いわゆるヘアメタルバンドとしてデビューしているが、音楽的には落ち着いていき、メロディアスさもあって、ハードポップに音楽性が変わっていくバンドである。

 

名作1stアルバム『Harem Scarem』に収録されているこの曲は、分かりやすいパワーバラード。

歌詞の内容的には、何かやらかした彼氏が、彼女に対して正直に愛しているかどうか言ってくれという、やり直したい気持ちが溢れ出る曲。

これを書いたのは、ヴォーカルのHarry Hessで、17歳の時だというから、驚きである。

イントロからピアノによるクリーンな仕上がりで、コーラスで盛り上がる王道進行。

ギターソロも、熱く弾きまくるわけでもなく、風になびくようなしなやかなもので、あくまでヴォーカルが一番熱い曲。

 

Harem Scaremの曲は、メロディアスでHarry Hessのハスキーなヴォーカルが特徴的である。

そして、実はギターのPete Lesperanceのメロディアスなギターが、楽曲の印象をより良くしている。

リフのキャッチーさ、口ずさめるレベルのメロディアスなギターソロ、ヌケの良いヘヴィな音と、ギター好きならよく聴いて欲しいギタリストである。

 

Ozzy Osbourne「Mama, I'm Coming Home」(1991)

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The 40 Greatest Power Ballads Playlistに「Goodbye to Romance」が入っているOzzy Osbourne。

過去のパフォーマンスの関係で、オカシな人だと思われているが、音楽的には真っ当で、先述の「Goodbye to Romance」のギターを弾いているRandy Rhodesのアプローチが最高なのは言うまでもない。

しかし、個人的にはZakk Wyldeを推す。

 

アルバム『No More Tears』(1991)を発表し、一度Ozzyが引退宣言をして、最後の折事案るアルバムになる予定であった。(後に引退を撤回)

この時のギタリストは、Zakk Wyldeである。

個人的にこのアルバムの2曲のギターソロを人生で5本の指に入るロックのギターソロとして、選出している。

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ギターソロが最高なのは言うまでもないが、あのOzzyがMamaだなんて…という意外性もありつつ、ヘヴィメタルの第一線を張ってきたOzzyがカントリーだなんて…と色々期待を裏切る作品でもある。

一方で、フラットにバラードとして聴いたときに、カントリーでアコースティックな雰囲気を持った王道のハードロックだと考えると、また違った聴き方ができるだろう。

 

Mr.Big「Just Take My Heart」(1991)

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Mr.Bigはアメリカのハードロックバンドで、スーパーグループである。

バンドメンバーがそれぞれソロやバンドで有名な中で、結成されている。

特にギターのPaul GilbertとベースのBilly Sheehanの速弾きによるユニゾンや、ドリルを使った演奏という、テクニカルで派手なことを涼しい顔でやってのけるくらいのテクニックを持っている。

さらに、メンバー全員でのコーラスは、4人組バンドのあるべき姿の一つとして、完璧な形を示している。

 

Mr.Bigと言えば、全米No.1を取得した「To Be With You」が最も有名だが、ここはあえて「Just Take My Heart」を紹介したい。

どちらの曲も2ndアルバム『Lean Into It』に収録されており、Mr.Bigで1枚おすすめを選べと言われれば、『Lean Into It』を挙げるくらい捨て曲なしの最高のアルバムである。

「To Be With You」はアコースティックな雰囲気で、パワーバラードではない。

一方、「Just Take My Heart」は概ねパワーバラードに当てはまるアレンジがされている。

歌詞的には、別れた恋人を想っていて、辛いので、出ていくときは自分の心を持って行ってくれと言っている。

幸せな「To Be With You」に対して、寂しい気持ちを歌った「Just Take My Heart」はちょうど表裏の関係になっている。

 

Metallica「Nothing Else Matters」(1991)

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「Nothing Else Matters」はMetallica最大のヒット作『Metallica』(通称:ブラックアルバム)に収録されている。

「Nothing Else Matters」以外にも「Enter Sandman」、「The Unforgiven」、「Wherever I May Roam」、「Sad But True」といった曲がシングルカットされている。

元々スピードメタルと、クラシックの様な長く複雑な構成を持った曲で売れてきたMetallicaがブラックアルバムでは、グルーヴを重視し、へヴィでダークな世界観を見せてくれる。

 

「Nothing Else Matters」はとにかく静かに始まり、James Hetfieldもまったくガナらないクリーンな歌声で歌い上げる。

最後に声を張り上げ、ギターソロこそあるが、全体としてはとても静かな曲である。

 

ちなみにこの曲、再生回数が10億回を超えているらしく、未だに人気があるようである。

メタリカの「Nothing Else Matters」がYouTubeで10億再生突破

 

Bon Jovi「Bed Of Roses」(1992)

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日本でも大人気のBon Jovi。

最近だと、芸人のなかやまきんにくんが名曲「It's My Life」を使った関係で、筋肉のイメージが付いた曲になってしまっている。

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デビュー当初は、ヘアメタルの流れもあったが、テクニカルな演奏というよりは、楽曲の良さとキーボードが居ることによる音楽のポップさが特徴であった。

 

1980年代に一躍トップに上り詰めたBon Joviが1992年のオルタナティヴロック全盛期にリリースしたのが、本作が収録されている『Keep The Faith』である。

逆風があったにも関わらず、全米No.1を取得する売れっぷり。

そんな状態で歌われている「Bed Of Roses」はヴォーカルのJon Bon Joviの私生活を歌っていそうな曲。

ビッグになって、楽をさせてやりたい。

そういう想いを抱きながら、長いツアーで家を空けている。

そんな風景が浮かんでくる。

 

Oasis「Don't Look Back In Anger」(1995)

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アメリカは、1990年代グランジ・オルタナティブの渦にのまれて、ロックは重く暗い雰囲気を持ち、反ギターソロによって、よりシンプルな構成が好まれていった。

そんな一方、イギリスではビートルズの音楽性に影響を受けた、Oasisが売れていた。

「Don't Look Back In Anger」が収録されている『(What's the Story) Morning Glory?』はOasis史上最大のヒットアルバムであり、全英1位を獲得している。

さらに、「Don't Look Back In Anger」もシングルとして、全英1位を獲得している。

 

ピアノで始まるイントロは、John Lennonの「Imagine」を引用している。

それもあってか、バンドサウンドにストリングスも相まって、全体的に説得感があるサウンドに仕上がっている。

珍しくソングライターの兄Noel Gallagherが歌っている。

歌詞は、別れの曲のようにも読めるし、怒りに任せるなという戒めのようにも読める。

そういう曖昧で、色んな解釈ができる歌を書くのが、Oasisは上手い。

 

Queen「Too Much Love Will Kill You」(1995)

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Queenというと、1970~80年代が全盛期であったバンドである。

4人とも曲を書け、しかもそのクオリティが高いというモンスター4人がメンバーである。

そのオリジナリティはすさまじく、ギターオーケストレーションをしたり、足踏みと手拍子でリズムをとったり、重厚なハーモニーを効かせたりすると、Queenに聴こえる。

それくらい、当時画期的なアレンジで、未だに廃れない唯一無二の音楽性がそこにあった。

そんなバンドがストップしてしまったのは、ヴォーカルFreddie Mercuryが亡くなってしまったから。

それでも解散しなかったQueenは「The Show Must Go On」で歌われている、何としても続けていくのだという強い意志を感じる。

 

Queenのバラードというと、「Bohemian Rhapsody」、「Somebody To Love」、「Teo Torriatte」、「We Are The Champions」のような曲を思い浮かべるかもしれない。

ここではあえて、Freddie Mercury亡き後に発表された『Made In Heaven』に収録されている「Too Much Love Will Kill You」を紹介したい。

ソングライターはギターのBrian May。

元々はBrian Mayのソロアルバムで発表されている曲を、QueenアレンジとFreddieのヴォーカルで再演したのがこの曲である。

 

これもいわゆるパワーバラードで、リバーブやディレイが深くかけられていて、とても広いところで壮大に鳴っているような雰囲気を醸し出している。

そして、ギターソロがめちゃくちゃ熱い。

そこに、亡くなったFreddieの最高の歌声が中心を貫いている。

そして、歌っているのは「愛しすぎると体に毒だ」ということ。

涙なしには聴けない、名曲である。

 

Van Halen「Not Enough」(1995)

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Van Halenというと、70年代後半から80年代が全盛期で、1985年にヴォーカルがSammy Hagarに変わって、10年となり発表されたのが、『Balance』というアルバムである。

全米No.1を獲得しており、Sammy Hagarが参加する最後のアルバムとなる。

全体にスタジオ感があるサウンドで、ソリッドだが固めの反響があるのが特徴的な作品である。

 

このアルバムには、「Can't Stop Lovin' You」という名曲もあるのだが、ここでは「Not Enough」をおすすめしたい。

ギターロックが基本のVan Halenとしては、珍しくピアノが全体を貫く曲になっている。

それが故に、王道のパワーバラードの様相を呈しており、ギターソロも熱くカッコイイ。

 

Van Halenのバラードは、他に前述の「Can't Stop Lovin' You」や、「Love Works In」(1986)、「When It's Love」(1988)といった、キャッチーなバラードがあるので、そちらも是非チェックして欲しい。

 

Pretty Maids「Please Don't Leave Me」(1998)

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Pretty Maidsはデンマーク出身のロックバンド。

北欧メタルと、ジャーマンメタルの良さを持ち、メロディアスでありながらハードなサウンドのハードポップがとても上手いバンドである。

そんな彼らの最大のヒット曲が「Please Don't Leave Me」である。

 

イントロのハモリの効いたリードギターから、最後までずっと哀愁漂う作品。

BURRN!誌の年間ベスト・チューンに選ばれるくらい、評価を受けている。

元々は、ギタリストJohn Sykesの作品なので、カヴァーとなる。

 

パワーバラードにするには、ちょっとテンポが早めで、引きどころもあまりなく淡々と進んでいくので、普通にバラードの名曲だと思っている。

 

最後に

今回のプレイリストはこちら。

90年代に入っても、パワーバラードは意外と後を引いていて、今でもテレビ番組やCMで聴くことがあるくらいの名曲もあります。

 

次は、2000年代のバラードを紹介します。

いよいよグランジ・オルタナティブの影響がどんどん出てきて、パワーバラードに古臭さを感じる頃になってきます。

こうご期待!

 

 

こちらからは、以上です。

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