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俺の洋楽ロックバンドのバラードライブラリが火を噴くぜ!その1~1980-1990年代のロックバンドの名バラード①~

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先日の増田のネタがなかなか良かった。

anond.hatelabo.jp

 

展開がどれもほとんど同じで、静かに始まって、だんだん情熱的に盛り上げていって、途中でギターソロが入って、最後はジャジャーンとすごいグルーブ感で終わるやつ(語彙)

遠くまでずっと音が広がっていく感じがあって、ギターソロの絶対的な陶酔感がすごいやつ

 

はいはい、分かります。

展開もそうだし、リバーブやディレイが効いていて音の奥行があるというのも確かに特徴的。

こういう曲をパワーバラードというのは、ブコメで知った。

80-90年代のロックバラードはどこに行ったんだ

パワーバラードって呼ばれてるやつ?単純にギターミュージックが廃れただけな気もする。<a href="https://www.loudersound.com/features/the-40-greatest-power-ballads-playlist" target="_blank" rel="noopener nofollow">https://www.loudersound.com/features/the-40-greatest-power-ballads-playlist

2022/08/12 12:50

b.hatena.ne.jp

リンク先は、下記。
1970年のBadfinger「Without You」から2004年のVelvet Revolver「Fall To Pieces」まで40曲が選ばれている。

www.loudersound.com

 

 

上記プレイリストに載っている曲は、大体好きなんですが、他にもオススメできる曲が多々あります。

せっかくなので、年代ごとにロックの名バラード(パワーバラード縛りではない)を紹介してみようと思います。

一旦、洋楽縛りにしてみますが、気が向けば邦楽編も書いてみようかなと思っています。

また、下記のルールとします。

・1アーティスト1曲

・The 40 Greatest Power Ballads Playlistにある曲以外(同アーティストでも違う曲)

・ロックバンドで、ソロアーティストは除外する

そのアーティストには、他にもいい曲があるのは確かなのでその辺も合わせてコメントしていきたいと思います。

 

自分のライブラリを確認してみたところ、結構な数になりそうなので、まずは、2000年代より前の名バラードを紹介しようと思います。

この辺の年代は、今更コメントするまでもないくらい有名な曲が並んでいきます。

 

もちろん、異論も認めますが、好きなものは好きに語るのが一番です。

ちなみに自分のiTunesのライブラリは現在14万曲以上あります。

dankantakeshi.hatenablog.com

 

今回紹介する曲は、以下の通りです。

Eagles「Desperado」(1973)

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まずは、スタンダードとも言えるレベルの名曲、「Desperado」から。

何度聴いても切なくなる美メロディと、ピアノの伴奏だけでも十分説得力がある。

そこに、ストリングスや、ドラム、ベースとバンドが入ってくることで、より広がりを持つという、今の音楽の基本中の基本をおさえている。

歌詞としては、ラブソングというよりは、ならず者な友人を諭すように話しかけているような内容。

とても慈悲深いし、ダイヤのクイーンや、ハートのクイーンと言った比喩も多々あるので、適度に想像力を駆り立てる。

それであっても、分かりづらさはないので、程よい。

 

Eaglesというと、「Hotel California」、「Take It to the Limit」、「Best of My Love」といった、落ち着いた名バラードがある。

今回紹介する中では、かなり古い楽曲にはなるが、古くてもど真ん中を打ち抜くようなこういう名曲は少ない。

 

Chicago「Hard to Say I'm Sorry」(1982)

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これはパワーバラードに該当しそうな名曲。

Chicagoというと、ホーン隊が居るのが特徴。

そのため、ソフトロックや、ジャズっぽいアプローチもお手の物で、ポップスを幅広くカバーできる器量を持っている。

この曲が収録されたアルバム『Chicago16』で巨匠デイヴィッド・フォスターによるプロデュースで、全米No.1に輝いている。

 

この曲の邦題は「素直になれなくて」というとても素敵なもの。

”Hard to Say I'm Sorry”は”ごめんなさいと言いにくい”くらいの意味なので、つまり、素直になれないということ。

古き良き邦題を感じられるのも、とても良い。

 

Chicagoというと、「Love Me Tomorrow」、「Hard Habit to Break」、「Will You Still Love Me?」といった名バラード揃いなので、是非とも聴いてみていただきたい。

 

Journey「Faithfully」(1982)

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よくぞ同じ歌声の後釜ヴォーカルを見つけたなバンドNo.1、Journey。

「Faithfully」は『Frontiers』に収録されており、Journeyの代表曲の一つ。

邦題は「時への誓い」。

この曲を書いたキーボードのJonathan Cainが、多分自分自身のことを書いたと思われる歌詞である。

ミュージシャンの自分は、離れ離れになっても僕の心は君のものだと歌っている。

 

この曲はSteve Perryが歌っている。

Steve Perryの鼻にかかったハイトーンヴォイスが特徴的なため、聴いたことが無くてもJourneyの曲では?と分かってしまうほど個性的である。

Steve Perryが脱退した後に加入したSteve Augeriが同じ声質であった。

そこから、さらに現在のヴォーカルはフィリピン出身のArnel Pineda。

これがまた、完全にJourneyのヴォーカルとして遜色なく、何ならバンドをパワーアップしている。

2011年には『Don't Stop Believin' - The Everyman's Journey』というJourney加入までの軌跡を綴ったドキュメンタリー映画が公開されているので、チェックしてみるのがよい。

そして、Journey加入のきっかけとなったのが、「Faithfully」のYouTubeのカヴァーを聴いたことであった。

 

Journeyはまさにパワーバラードが得意で、「Open Arms」、「Lights」、「When You Love a Woman」、「All The Way」とたくさんの名曲があるので、是非ともチェックしていただきたい。

 

The Police「Every Breath You Take」(1983)

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いわゆるパワーバラードとはパターンが違う。

展開があると高い声を張り上げるので、盛り上がりは感じるが、全体としてはギターのアルペジオが印象的で、淡々と進む。

その時の流れが、気持ち早めなのが、妙に気持ちいい曲。

 

邦題は「見つめていたい」。

これもとても巧い和訳で、タイトルの”Every Breath You Take”をどうしたいのかというと、”I'll be watching you”というところに係っている。

そこで、どうするかの部分をあえて邦題を使っているという、歌詞をよく分かっている人にしかできない妙技である。

 

Night Ranger「Goodbye」(1985)

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The 40 Greatest Power Ballads Playlistには、Night Ranger最大のヒット曲「Sistar Christian」(全米シングルチャート第5位)が入っている。

他によいバラードとして、「Goodbye」をおすすめしたい。

こちらの曲も3rdアルバム『7 Wishes』からシングルカットされ、全米17位に輝いている。

 

Jeff Watsonのアルペジオから始まり、伸びのあるBrad Gillisのリードと王道のオープニングである。

ヴォーカルは、ドラムのKelly Keagyが担当している。

Night RangerはベースのJack Bladesもリードヴォーカルをとるのだが、バラードはKellyが歌うことが多い。

歌詞はいわゆる別れの曲で、”別れを言うのが苦手”と言って、色々思い出に浸っている。

 

Warrant「Sometimes She Cries」(1989)

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WarrantはLAメタルのブームの末期1989年にデビューしたバンドである。

当時LAメタルやヘアメタルと呼ばれる長髪にメイクをして、レザーの服を着ると言うスタイルをとっていた。

その流れもあってか、この曲が収録されている1stアルバム『Dirty Rotten Filthy Stinking Rich』(邦題:マネーゲーム)は全米10位を記録している。

さらにシングルカットされた「Sometimes She Cries」も全米20位を獲得している。

 

Warrantといえば、「Heaven」があがる。

実際、The 40 Greatest Power Ballads Playlistの11位にランクインしている。

そこで、この「Sometimes She Cries」である。

コーラスでのコーラスの厚さが壮大で、広がりが半端ではない。

こういうところが、パワーバラードらしさがあり、当時らしさとも言える。

 

 

Skid Row「18 And Life」(1989)

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The 40 Greatest Power Ballads Playlistに「I Remember You」が入っているSkid Row。

前述のWarrantと共に80年代後半のLAメタルシーンを盛り上げたバンドである。

セルフタイトルのデビューアルバムが500万枚以上の売上と、全米6位を記録しているので、いきなり売れたバンドでもある。

 

この曲も十分パワーバラードの要素が満載である。

イントロのギターのアルペジオ、その後バンド全体で盛り上げていくスタイル。

さらに、ギターソロに、アウトロのギターソロと2020年代では、少数派の構成になっている。

この辺が1980年代らしさといえば、らしさである。

 

歌詞としては、18歳で人生を手に入れ、知ってしまったと歌っている。

もっと言うと18歳で人を殺めてしまったことを歌っている。

そして、その罪をずっと背負っていくと。

ラブソングのラの字もない、悲しい歌であった。

 

Damn Yankees「High Enough」(1990)

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「High Enough」はDamn Yankeesの1stアルバム『Damn Yankees』に収録されている。

Damn Yankeesの代表曲であり、日本のリーバイスのCMソングにもなっている。

この曲は、分かりやすくパワーバラードのスタイルを汲んでいるので、パワーバラードとは?と思ったら、この曲を聴くのが良い。

 

Damn Yankeesはいわゆるスーパーグループである。

スーパーグループは既に有名で売れているミュージシャン同士で結成したバンドのことだと思ってもらいたい。

メンバーが、下記の通り。

・Tommy Shaw(Guitar,Vocal):Styx
・Jack Blades(Bass,Vocal):Night Ranger
・Ted Nugent(Guitar,Vocal):ソロミュージシャン
・Michael Cartellone(Drums):Accept、Lynyrd Skynyrd

スーパーグループ自体は1960年代からあったことだが、90年代で売れたスーパーグループとしては、Damn Yankeesは外せない。

 

Ratt「Givin' Yourself Away」(1990)

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RATTも1980年代のLAメタルの代表的なバンドで、1stアルバムから全米7位というデビューから売れたバンドである。

メンバーのルックスの良さもあって、日本でも人気があった。

代表曲としては、「ROUND AND ROUND」、「LAY IT DOWN」、「BODY TALK」とミドルテンポの明るいハードロックがトレードマークである。

そんな楽曲から、RATT N' ROLLと呼ばれ、親しまれた。

 

全盛期は3rdアルバムの『Dancing Undercover』(1986)で、プロデューサーはBeau Hillであった。

それに対して、「Givin' Yourself Away」が収録されいる5thアルバム『Detonator』はBon Joviを育てたといわれるDesmond Childがプロデュースしている。

「Givin' Yourself Away」は、RATT初のバラードで、シングルカットもされている。

しかし、バラードといっても、パワーバラードと呼ばれるほど静と動が分かりやすく出ていない。

そして、シンセサイザーが入っているので、よりポップに仕上がっている。

なので、聴きやすく、とても分かりやすい曲である。

 

歌詞は”Your givin' yourself away...”と歌っていて、「本心を話して」と訳されていて、涙を流して辛そうだから心を開いてというもの。

ラブソングともとれるし、もっと一般的に心を開いてと歌っているともとれる。

爽やかな曲調とちょっと切なさが、歌詞と非常に合っている名曲。

 

Extreme「More Than Words」(1990)

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1990年代に入ると、LAメタルブームは下火になり、少しだけハードロックやヘヴィメタルが残るが、グランジがシーンを席巻する。

さらに、1989年からMTV Unpluggedが流行していき、アコースティックブームが到来する。

そんな中、全米No.1を獲得したのが、この「More Than Words」である。

アコースティックギターと歌だけというストロングスタイルながら、コード弾き+ミュートでリズムをクリアにすることで、特徴的なバッキングが繰り広げられる。

さらに、絶妙なコーラスワークによって、音数を稼ぎつつ、つまらない音楽には絶対しないという強い意志を感じるアレンジである。

 

Extremeは、ハードロックをベースとしつつ、ファンクの要素やクラシックな要素を上手く織り交ぜた、ハイブリッドなロックである。

何よりギターのNuno Bettencourtの超絶テクニックと、ヴォーカルGary Cheroneのテンターテイナーの才能が爆発するライブは最高である。

 

最後に

毎回Spotifyのプレリストを用意しようと思う。

今回は、こんな感じ。

 

まだまだ続きます。

 

 

こちらからは、以上です。

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