Jailbreak

新しい世界の切り取り方

2018年下半期に自分がパワープレイしたアルバム10枚

 

半年ごとに書いている記事の2018年下半期版。 

前回はこんな感じだった。

2018年下半期は出張が多かったり、生活パターンが変わったりと、音楽を聴く時間がなかなか確保できなかったのだが、後半に向けて少しずつ時間を確保できた。普通の半年だと5000曲くらいから選ぶのだが、今回は3000曲程度。とはいえ、いい音楽とは出会えたのは確か。

毎度のことだが、必ずしも2018年下半期に発表された作品ではなく、あくまで自分が出会った作品なのであしからず。

目次

『Living the Dream』/Slash feat. Myles Kennedy & The Conspirators

Living The Dream

1.The Call Of The Wild
2.Serve You Right
3.My Antidote
4.Mind Your Manners
5.Lost Inside The Girl
6.Read Between The Lines
7.Slow Grind
8.The One You Love
9.Driving Rain
10.Sugar Cane
11.The Great Pretender
12.Boulevard Of Broken Hearts

オススメ曲→3,4,6,8,10

 

2018年ロックの中で、一番オススメのアルバム。2015年上半期に自分がパワープレイしたオススメアルバム10枚として、前作を取り上げている。そこから、新作はチェックしようと思って、待ちに待った作品が個人的に大ヒットだった。

ハードロックでありながら、テイストとしてオルタナティブ、エスニック、ヘヴィに幅を広げるのはSlashらしく、カッコイイ。特にリフが秀逸で、低音弦のみを使ったヘヴィなものばかりでなく、中音もうまく使った幅がある。Guns N' Rosesや、Velvet Revolverの頃のリフセンスは健在で、過去のファンも是非とも聞いてほしい作品だ。
Myles Kennedyのヴォーカルがまた、良い。MylesはALTER BRIDGEのヴォーカルで、大好きなバンドの一つ。

関連記事:もっと日本で売れてもいいバンド ~ALTER BRIDGE~
Slash×Myles Kennedyの組み合わせは、凄いものと凄いものの組み合わせで、成功しているパターンだろう。
「Driving Rain」のミドルテンポでの気だるくヘヴィなノリが最高。「Mind Your Manners」のハイテンポな疾走感はこのアルバムのハイライト。「Sugar Cane」のギターとベースのリフの絡みが最高。常にユニゾンをすればよいというわけではなく、
キメとしてのユニゾンと、ノリとしてのユニゾンをうまく使い分けている。「The Great Pretender」の泣きのイントロで、Slashらしい幅の出し方が聴ける。

『Forward』/Brand of Julez

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1.Lights Go Out
2.Fake
3.Power Within
4.All of Me
5.Falling Up
6.Never Look Back
7.Monkey
8.My Life to Live
9.Read My Face
10.Movin' On

オススメ曲→1,2,6,7,10

ニューヨーク出身のハードロックバンドBrand of Julez。Youtubeを流しておいた時にたまたまかかって、聴いてみたらなかなか良かった。基本がメタルではあるけれど、あまり前面にテクニックを出してくるというより、フレーズの気持ちよさを前に出している。
歌メロの良さが貫いているが、いわゆるポップスのキャッチーさではない。それでいて、リフから作られた曲というよりは、メロディが先であるかのような作り。そのため、あまりリフを前面に押すような曲は少ない。
「Movin' On」の展開と、「Fake」でのメタル感はカッコイイ。

『Everything Is Temporary』/Between You & Me

Everything Is Temporary

1.Twice Shy
2.Move On
3.Dakota
4.Broken
5.Friends From '96
6.Good Intentions
7.Floral Glass
8.I Can't Help It
9.Catch A Break
10.Everything Is Temporary

オススメ曲→2,3,5,7

オーストラリアのポップ・パンク・バンド。激ロックをチェックしていて、気になって聴いてみたら、ライトなロックが多く聴きやすかった。サウンド的にはヘヴィさを前に出すよりも、勢いやノリが中心に進む。
ポップ・パンクはどうしてもボーイズグループっぽく聴こえるのが玉にキズ。
ヴォーカルはちょっとエモい感じだけれど、それほど叫びすぎずほどよい感じ。
甘酸っぱさがいい感じに青春を感じさせてくれるのが良い。
前半にいい曲が固まっているので、後半少し間延びしている感じがする。しかし、全体的な雰囲気の一貫性があるので、サウンドが気に入れば、気に入る内容だった。
「Floral Glass」のミドルテンポでどっしりとしたヘヴィなサウンドに、エモい歌が乗る感じがよい。疾走感で言えば、「Broken」が一番気持ちよい。

『PARALLEL LIVES』/Nothing's Carved In Stone

PARALLEL LIVES

1.Isolation
2.Silent Shades
3.Same Circle
4.November 15th
5.Hand In Hand
6.Moving In Slow-Motion
7.Diachronic
8.Thermograffiti
9.New Day
10.Words That Bind Us
11.Sleepless Youth
12.Tribal Session
13.End

オススメ曲→ 1,6,7,11

 2018年上期に自分がパワープレイしたオススメアルバム10枚では9thアルバム『Mirror Ocean』を聴き、そういえば、以前のアルバムをちゃんと聴いていないなと思い、1stから遡ってみることにした。そうすることで、バンドの作品の変遷を聴いていくのが楽しい。そして、サウンドの大枠は変わっていないことを確認した。

生形のギターは低音弦でゴリゴリ弾くよりも、中音弦をうまく使ってアルペジオのようなリフが多いのが印象的であり、そこが個性の一つだった。それに付随して、日向・大喜多のリズム隊がまた別な層で絡み合うことで生まれるうねりがいかにもロックらしいアプローチでとてもよい。どうしても、メタルばかり聴いているとシンクロ度が高いリフやアプローチが多い。それはそれで塊となって1つになって飛んでくる音としてのカッコよさと重さや厚さが出る。それに対して、いつも必ずしもそろえず、全体の音楽として各パートが主張しあう音楽は別な良さがある。Led Zeppelinが後者の様なアプローチをよくしていたので、NCISの音楽はメタルというよりはロックを貫いているのかなとも思う。
特にアルバムの始まりを飾る「Isolation」、アルバム中盤「Diachronic」にそんなアプローチを感じて、かなり好き。

『Ungrateful』/Escape the Fate

Ungrateful

1.Ungrateful
2.Until We Die
3.Live Fast, Die Beautiful
4.Forget About Me
5.You're Insane
6.Chemical Love
7.Picture Perfect
8.Risk It All
9.Desire
10.One for the Money
11.Fire It Up
12.I Alone
13.Father, Brother
14.Losing Control

オススメ曲→8,9,12

ジャンルで音楽を探していた際、ヘヴィメタルというよりはメタル・コアやハード・コアをキーワードで検索して、ヒットしたバンド。彼らのアルバムは全部聴いたが、その中でもこのアルバムが一番キャッチーだった。メタルくさいシンクロ度の高いリフや、ツインリードがありつつ、ストリングスや鍵盤を使った壮大な展開や分かりやすいヴァース-コーラス形式の枠組みによって、ポップな路線も持っているので聴きやすい。
ヴォーカルのCraig Mabbittの歌声が、故Chester Bennington(Linkin Park)に激似。特にちょっとガナリ気味にハイトーンを歌う時の歌声がメチャクチャ似ている。これが一番ハマった部分。
目の覚めるような印象的なイントロから始まる「Desire」は、コーラス部分のキャッチーさが突き抜けているし、「Risk It All」のゴリゴリとしたリフで進んでいく進行を聴いていて、好きならこのアルバムはオススメできる。

『Letters from the Dead』/Evans Blue

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 1.A Letter From The Dead
2.Comfortable With Hate
3.Still I Remain
4.Just Once
5.iGod
6.The World As Broken
7.The Forgiver
8.End Of Me
9.Hold On
10.Dead Amen
11.Invisible Catastrophe
12.Catch Me On Fire
13.BS, Inc.

オススメ曲→4,5,9,11

ワンオクの『残響リファレンス』が好きなアルバムで、そのサウンドに近いバンドを探していて、見つかったのが、Evans Blueだった。Evans Blueの方がサウンドがかなりヘヴィだが、完全に同じものは望めない。何より、ワンオクと似ているかどうかでいうと、あまり似ていない。メロディに甘さはあまりないし、ダウンチューニングによる物理的なヘヴィさもありつつ、細かいテクニックも披露する。
仕事の帰り道で聴くことが多かった。朝だと少し闇落ちしてしまいがち。ヴォーカルのDan Chandlerの歌声がいい感じにドライブ感があってよい。

『Who We Are』/Flash Forward

 

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1.Between Heart And Mind
2.Control
3.One Shot In The Dark
4.Skyline
5.Heroes For One Night
6.Physical
7.Almost
8.Save Me
9.Runaway
10.Young Offender
11.Self-Destruction
12.We Are

オススメ曲→2,4,7,8,10

このアルバムもYoutubeを流していたら出会った。そうでもしないと、ドイツのバンドはなかなか聴く機会がない。オルタナティブ・ロックに分類されるようだが、ホップパンクやパワーポップっぽさもあって、聴きやすい。これは多分、コード感がしっかり出るからで、リフで押し切るバンドではないということだ。
ヴォーカルの歌い方がかなりエモいので、朝出勤時に勢いをつけたい時にとても良いアルバムだ。
アルバム全体的に前に出るはっきりとしたビートが印象的で、ギターのサウンドもヌケがよく前へ出る。このアルバムはとにかく「Skyline」を聴いてほしい。ヘヴィさと勢いとエモさの塊のような曲なので、オススメ。
 

あまり関係ないかもしれないが、このアルバムのジャケットが案外爽やかな雰囲気イケメンが並んでいるので、妙に印象がいいのは否めない。 

『Forty Foot Echo』/Forty Foot Echo

Forty Foot Echo

1.Drift
2.Multiply
3.Save Me
4.Weakness
5.Long Way Down
6.Brand New Day
7.What If I Don't
8.Hollow
9.Born Yesterday
10.Songbird
11.Tomorrow
12.Beside Me 

 オススメ曲→3,4,5,7,8,10,11

カナダのロックバンド、Forty Foot Echo。同郷のNickelbackに雰囲気は似ており、オルタナ感とメジャー感を行ったり来たり。ヘヴィにも、静かにも変幻自在で、それもヴォーカルMurray Yatesの太い歌声によるところが大きい。バラードでは図太い声が通るし、テンポが上がればドライブ感が増すし、ヘヴィな曲にはその中心を貫く。ヴォーカルの存在感こそ、このバンドの価値だ。
今回紹介するアルバムの中では、一番平均点が高い。それは、自分が好きな2000年代のオルタナティブ・ロックっぽさがあるから。全体的なキーとして、暗くマイナーなのだが、コーラスになるとヌケのよいキャッチーなメロディをぶつけてくるあたりが憎い。
また、細かいテクニックを見せないため、全体的なノリが大きくリズムが重たいのもポイントが高い。
「Weakness」のP.O.Dを感じさせる、ヘヴィだがスケールをずらしてくる感じや、「Tomorrow」のヘヴィなVelvet Revolver風アプローチと、自分が好きだった音楽が満載。 

『重力と呼吸』/Mr.Children

重力と呼吸

1.Your Song
2.海にて、心は裸になりたがる
3.SINGLES
4.here comes my love
5.箱庭
6.addiction
7.day by day (愛犬クルの物語)
8.秋がくれた切符
9.himawari
10.皮膚呼吸

これは別途記事を書いたが、ミスチルらしさと変化がいい感じの割合だった。
そして、このアルバムは気分が上げもせず、下げもせずなので邪魔をしないので、生活の一部として聴くには最適な一枚だ。

『Breathe』/Cruel Season

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1.Breathe
2.Kill Your Idols
3.Burn
4.Smooth Like Ken
5.Kept
6.Bed of Stones
7.Tired Hands
8.Jesus
9.Running to Stand Still
10.The Dirge

オススメ曲→2,5,7,8

タワレコのハードロックの新作を漁っていて出会った、Cruel Season。そもそもこのアルバムではなく、『Rise』だったのだけど、気に入ったのは、以前のアルバムの『Breathe』だった。どうやらアメリカのニューヨーク出身のバンドみたいなのだけど、日本語でのHPや情報はほとんどない。そもそもタワレコのCDですら、直輸入盤だったので、こればかりは仕方ない。しかし、こういう日本であまり知られていないバンドを探せるのもネットの恩恵だ。
このバンドも2000年代のオルタナ感を漂わせるバンドで、ヴォーカルの若干ハスキーな声がとてもカッコイイ。
このアルバムの中でも特に好きなのが「Tired Hands」という曲。この曲はバラードで、とにかくゆったりと始まるのだが、そのテンポの遅さとともに静けさがポイント。始まりの静かさがバンドで音を出しているのに静かという不思議な雰囲気がある。そして、最終的には楽器が重なり、1コーラス目の静寂と2コーラス目からはヴォーカルも高いラインを歌うため、より盛り上がって、コーラスが生きるという王道の構成はハートにガツンときた。
他にも「Kept」の細かいノリや、「Kill Your Idols」のL.A.メタルにありそうなキャッチーな始まり方と聴きどころはたくさんある。
個人的にはZakk Wyldeのソロ作品で歌うZakkの歌っぽくて好き。

最後に

2018年後半はいつにもまして、洋楽ロックを聴いていた。しかも、有名バンドというよりは、色んな情報やきっかけから日本ではマイナーなバンドにアプローチし続けた。

そして、12月にはSpotifyを使い始めたので、また違う音楽との出会いが始まった。その影響は2019年上半期に出てくるはずなので、また違う方向に進むかもしれない。 

 

こちらからは以上です。