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『ダブルベッド SEVEN DAY LOVER』の選曲センスの良さと、音楽にストーリーが紐づくということ

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TBS系のテレビ番組『ダブルベッド SEVEN DAY LOVER』の選曲センスが良すぎて、もともとのエピソードの世界観を補完してくれるどころか、広げてくれるのがとにかくすごいのです。

テレビ番組としては、下記のようなものです。


初対面の男女があるマンションの一室で7日間同棲する様子を見届けるドラマティックドキュメンタリー。トイレを除く全ての場所にカメラがある環境のもと、たった2人の男女はどう振る舞うのか、その様子を余すところなく記録していく。リビング、ダイニングほか、広々とした生活空間が用意されているが恋人ではない2人が眠りにつく寝室には、ダブルベッドがひとつ。夜な夜な同じベッドで眠る男女は7日目の別れの時をどう迎えるのか…。2人の刻々と変わっていく関係の行方は!?

TBS公式サイトより引用

シンプルなルールと豪華でオシャレな共同生活。映像を見れば分かるのですが、雰囲気が明らかにテラスハウス。パクリとかそういうことではなく、同じチームが制作しているようでした。そして、テラスハウスといえば、ナイスな選曲です。選曲をしている方は、両番組とも高島慎太郎氏。新旧織り交ぜ、ジャンルもポップで聴きやすいものを中心に様々。どうやって音楽を聴いているのか、情報を仕入れているのかとても気になる。

個人的にはEpisode2がよく心を掴まれました。Episode2は井口綾子、バッドナイス常田が登場します。2人がデートで東京ドイツ村に行ったときの音楽は最高でした。

デート中に流れたのが、Red Hot Chili Peppersの「Universally Speaking」でした。

不覚にも、こんなのイントロが流れただけで、「ここで使うかー!!!」と、テンションが上がってしまいました。普通、レッチリを使うならもっと際どい曲が沢山あるのに、ギターポップっぽい、ギリギリシングルカットされているこの曲を選ぶとは...!!!案外ストレートなラブソングなので、意外と使いやすいはずだけれど、なかなか使われない曲でもあります。

さらにそのあと、バトミントンをするシーンで流れたのはHi-Standardの「My First Kiss」を使っていました。このシーンは、常田が買ったらキスをするということを賭けて、2人でバトミントンを行ったので、その辺のポイントをおさえた選曲はさすがの一言。

Episode2の最終回に井口綾子にバッドナイス常田が告白後に流れたのが、Lewis Capaldi「Someone You Loved」でした。

個人的には、全然知らない曲だったんですが、そもそもいい曲なんですね。それもそのはずで、2019年に全米・全英No.1を獲得している曲でした。好きにならずにいられない。

歌詞を調べて、さらに膝から崩れ落ちるわけです。この曲、失恋の曲なんですね。

 

どうしてもロックが好きなので、ロックに反応してしまうのですが、そうではなくても、質の良い音楽をストーリーに合わせて流してくれる番組ということです。

選曲の方法がストーリーと合わせているのはポイントが高い。例えば、モヤさまのようにキーワードからそれに合った曲を面白おかしく選ぶ方法もある。 ダブルベッドの場合、そのシーンに合わせつつ、歌詞の意味もリンクして、さらにオシャレという高度なことをやってのけている。これはスゴイ。

 

音楽自体の良さもさることながら、ストーリ自体と合う音楽を組み合わせることで相乗効果を生んでいると思うのです。ここは好き嫌いがありそうですが、この番組自体の登場人物2人のストーリーがあります。先ほどの例の様に、歌詞とストーリーが一致すると、音楽自体の良さとストーリー自体の良さがさらに入ってくるのがとても重要です。

普通に音楽を聴くだけでは入ってこないストーリーを加えることで、得られる価値。こういう体験をさせてくれる番組は、とても貴重です。

 

テラスハウスにもコンピレーションアルバムが発売されていたので、今回も『ダブルベッド SEVEN DAY LOVER』のコンピレーションアルバムが発売されることを期待したいと思います。

 

 こちらからは、以上です。

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