Jailbreak

新しい世界の切り取り方

2024年上半期パワープレイしたアルバム6枚

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遅ればせながら、2024年上半期よく聴いたアルバムをまとめていく。

2023年下半期はこんな感じだった。

dankantakeshi.hatenablog.com

 

今回は割といろいろ気に入った作品があったので、6枚紹介してく。

Just Friends『Gusher』

Gusher

01. Zaza In The Sun :-)
02. Life I'm Living In
03. Brain Hurt Bad
04. Better 2 Be Around
05. Love Bug
06. 5th Dimension
07. Circle Pit of Love
08. Clown On You
09. Cream & Sugar
10. 1-800-SEXY
11. JUMP
12. I Miss You, Bitch
13. U & Me

オススメ曲→01,02,03,04,09,11

 

2024年上半期に一番聴いたハッピーでパワフルだけど余計な力が抜けた一枚

サジェストされた音楽を何の気なしに聴いていると、こういう普段聴かない音楽がヒットすることがある。

アルバム全体の感じがなんだか陽気で、怒りとか焦りみたいな感情が全く浮かんでこなかった。

 

ちょっと調べてみるとJust Friendsは7人組のバンドで、高校のマーチングバンドとJazzバンドが元になっていて、しかもパンクバンドだった(マーチングとJazzどこいった)様子。

後に、女性ヴォーカルのBrianda "Brond" Goyos Leonが加入したりして、ファンクやヒップホップ、ロック、パンクを飲み込んだミクスチャーバンドとなっていったみたい。

それだけあって、楽曲がとにかく多彩。J-POPでも1枚のアルバムでいろんな表情を見せるアルバムはあるが、このアルバムはメロディアスやキャッチーさ以外の部分はとにかくとっ散らかっている。

 

1曲目の「Zaza In The Sun :-)」や2曲目「Life I'm Living In」8曲目の「Clown On You」12曲目の「I Miss You, Bitch」は陽気に軽めのダンスをしたくなる。リズムにシンコペーションがあったり、リフがしっかりしているので、ミドルテンポでも十分にノれる。

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ヒップホップ色の強い3曲目「Brain Hurt Bad」、5曲目「5th Dimension」10曲目「1-800-SEXY」では、ラップを丁寧に重ねる。スタイル的には、レッチリっぽさもありながら、もう少しファンクっぽいリフでドラムとベースがおとなしいので、スリリングさこそないが気持ちいいグルーヴが漂っている。

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しっかりメロウに歌う曲もある。4曲目「Better 2 Be Around」は頭から、男女ヴォーカルで甘く歌い始めるし、13曲目「U & Me」は寝起きのようなまどろみの中で漂っているような雰囲気があって、脱力には最高である。

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バンドの安定感とともに、Sam KlessとBrianda、たまにギターのBrandon Downumも歌うスタイルで、男女ヴォーカルとラップをかましてくる多彩さ。

今年の夏も暑そうだけど、こんな音楽を聴きながらだったら、ちょっと楽しめそうな気がするアルバムである。

Just Friends『Hella』

Hella

01. Love Letter
02. Shine
03. Honey feat. Nate Curry
04. Fever
05. Basic feat. Lil B & Hobo Johnson
06. Hollerbox
07. Hot
08. Sizzle
09. Stupid feat. Lil B
10. Bad Boy
11. Big Money Power Music
12. Sunflower

オススメ曲→02,04,07,08

 

『Gusher』より勢いがあって緩急があるアルバム

前述の『Gusher』が最高だったので、別のアルバムを探して聴いてみたら、これまた大当たりだった。

『Gusher』は2023年の作品であるのに対して、『Hella』は2022年の作品で直前の作品でもある。

『Gusher』と比べると『Hella』の方がパワフルな曲が多い。

 

ファンキーで歪んだギターがファンキーにカッティングをキメる「Shine」、Hip-Hopのようにラップをしつつバンドはゴリゴリのサウンドで押す「Hot」、アップテンポでヘヴィなリフとラップでアゲていく「Sizzle」、重心の低いビートとホーン隊が組み合わせられてよりファンキーなHip-Hopになった「Stupid」と、お得意のミクスチャーサウンドが心地いい。

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一方で、サイケデリックに漂って見せる「Honey」、恋に落ちたことを熱が出ちゃったとオルガンのリフと落ち着いた雰囲気で歌う「Fever」、悪い男に泣かされる歌「Bad Boy」と、切なさだってみんなで形にしている。

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『Gusher』よりも前者のようなアッパーな曲が多いので、よりパワフルに聞こえるのだと思う。


このバンド、メンバーそれぞれの良さを生かしながら、それぞれが出るべきところで出て、引くときはしっかり引く。
ヴォーカルは男女混成の良さがでて、コーラスで最高の広がりを見せる。そして、ラップも使いこなすことで、ただの歌モノにしない多彩さがある。

 

このアルバムも夏が似合うし、天気がいい日に日陰でこんな音楽を聴きながらいい風にあたりたくなる。

Becky Hill『Only Honest On The Weekend』

Hold On [feat. Becky Hill]

01.History(Feat. Joel Corry)   
02.Crazy What Love Can Do (with David Guetta and Ella Henderson)   
03.Run (Feat. Galantis)   
04.I Got You    
05.Last Time    
06.Make It Hard to Love You    
07.Better Off Without You (Feat. Shift K3Y)    
08.Remember    
09.Perfect People    
10.My Heart Goes (La Di Da) [feat. Topic]    
11.Could Be My Somebody (Feat. S1mba)    
12.Business (Feat. Ella Eyre)    
13.Waiting Not Looking    
14.Distance    
15.Lessons (Feat. Banx & Ranx)    
16.Heaven On My Mind (With Sigala)    
17.Is Anybody There    
18.Through the Night (Feat. 220 KID)

オススメ曲→03, 05, 09

 

ちょっとハスキーで安定の歌声に、ちょっと前のEDMっぽいポップな雰囲気が間違いなくてちょっと懐かしい

この作品自体が2021年発表なので、そりゃちょっと懐かしい雰囲気を感じるよなといったところ。

でも、耳なじみのある雰囲気と、キャッチーなメロディの応酬なので、無理やり新しいものを聴いている感覚はないので、非常にストレスが少ない。

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Katy Perryの「Roar」アルバムでいうと『Prism』くらいの頃とか、Owl City & Carly Rae Jepsenの「Good Time」あたりの、2010年代の音楽が思い浮かぶのは、自分の聴いてきた音楽が古いせいなのかなとも思った。

 

Becky Hillはハイトーンもいいのだが、低めのところのハスキーだけど太い歌声がなかなか好きで、コーラスまで待たなくてもいい歌声が聞けるので、その辺のタイパの良さは感じる。

 

The Rolling Stones『Hackney Diamonds』

Hackney Diamonds

01. Angry
02. Get Close
03. Depending On You
04. Bite My Head Off
05. Whole Wide World
06. Dreamy Skies
07. Mess It Up
08. Live By The Sword
09. Driving Me Too Hard
10. Tell Me Straight
11. Sweet Sounds Of Heaven
12. Rolling Stone Blues

オススメ曲→02,04,05,10,11

 

元気で何より

ローリングストーンズがおじいちゃんになっているのは確かだし、それでも精力的な活動を見せられると人間のエネルギーは凄いなと思わざるを得ない。

ドラムCharlie Wattsは2021年に亡くなっているが、7・8曲目に演奏が残っているが、それ以外はSteve Jordanが担当している。

ベースはRon  Woodが担当することもありながら、正式メンバーを入れていない。このアルバムでは、Keith RichardsとRon  Woodが上手く分担した模様。

 

スローな曲は、まだまだオリジナルメンバーが強いが、テンポが上がるとどうしてもSteve Jordanのバチっと決まったビートがバンドを引っ張っている印象がある。

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そのお陰もあってか、全体としてパワフルで安定感がある。

 

そして、もう一つの見せ場がコラボ。

Elton John、Paul McCartney、Stevie Wonderと錚々たる面々が参加する中で、個人的に気に入ったのはLady Gagaとのコラボ曲である「Sweet Sounds Of Heaven」。

この曲は7分を超える大作である。

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一度終わったかなーと思いきや、ドラムのビートは続いていて、最後に大盛り上がりで終わるブルージーなバラード。

Mick Jaggerの歌声は、まだまだ負けないし、それと上手く合わせていくLady Gagaもなかなかだなと思わされる。

 

パワーと勢いとそれを理性的にも身体的にもコントロールしていく音楽を聴くことが多いので、こういう出力は小さめでもしっかり芯がある音楽ってのはいいなと思う。

そして何より、ちゃんとキャッチーで口ずさめるような楽曲を残しているのは本当にすごいと思う。

 

Sophie Lloyd『Imposter Syndrome』

Imposter Syndrome

01. Do Or Die (feat. Nathan James)
02. Pressure (feat. Brandon Saller)
03. Imposter Syndrome (feat. Lzzy Hale)
04. Let It Hurt (feat. Chris Robertson)
05. Runaway (feat. Michael Starr)
06. Fall Of Man (feat. Matthew K. Heafy)
07. Lost (feat. Cole Rolland)
08. Hanging On (feat. Lauren Babic)
09. Avalanche (feat. Trevor McNevan)
10. Won't You Come (feat. Marisa Rodriguez)
11. Judge And Jury (feat. Tyler Connolly)
オススメ曲→03,04,05,06,08,09,11

 

ソロ作品の割にフューチャリングアーティストの個性強め

ソロ作品で様々なアーティストとコラボレーションしていくスタイルは、割とよくあると思う。

よかった作品として思い浮かんだのはMark Mortonの『Anesthetic』。

Lamb of Godはあまり好みではないが、そのアルバムは割と普通の作品で個性が強く出すぎることなかったのがよかった。

 

Sophie Lloydのことは全く知らず、HalestormのLzzy Hale、BLACK STONE CHERRYのChris Robertson、STEEL PANTHERのMichael Starrとコラボしているアーティストが好きだったから聴いてみたに過ぎない。

Chris Robertsonとのコラボ作品「Let It Hurt」は、普通にBlack Stone Cherryと言われても全然わからない。

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各ヴォーカルをしっかりリスペクトしているといえばそうだが、一方でギタリストとしての個性はあまり感じない作品だった。

良くも悪くも優等生で、サウンドもいわゆるロックギターのスタンダードでぬけの良い音。それが故に、いろいろ邪魔をしないので、聞き流すには十分。

そんなこともあって、よく聴いた。

 

Bayside『There Are Worse Things Than Being Alive』

There Are Worse Things Than Being Alive - Translucent Purple [Analog]

01. The Devils
02. Castaway
03. Go To Hell
04. How To Ruin Everything (Patience) [feat. Ice Nine Kills]
05. Good Advice
06. Miracle
07. Strangest Faces
08. Say So Long
09. Bad Intentions
10. Just Like Home
11. I’m So Happy I Could Die

オススメ曲→02,03,04,05,06,08,09,10

 

哀愁があり、ポップだけどヘヴィで、勢いがあっていい

ポップさとロックはストライクゾーンが狭いので、両立しにくいと思っている。

だからこそ、こういう作品に出会ったら大事に聴くことにしている。

Baysideに関しては、今までの作品もチェックしてきたが、それほどよかったという印象はない。

今回の作品はたまたま聴いたのだが、「Castaway」が良くてアルバムを聞き入ってしまった。

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イントロからしっかりヘヴィで、歌いだしから爆発しているヴォーカルの歌声がよい。

さらに、サビでは哀愁のあるマイナーキーでも悲しすぎない、絶妙なメロディライン。

同じようなスタイルだと、「Just Like Home」もあり、こちらもなかなかの美メロ。

もう少しヘヴィな「Bad Intentions」もこのスタイル。

 

一方で、イントロはがっつりアップテンポに攻める「Say So Long」のような曲もあるし、「Good Advice」のようなメジャーキーでさわやかな歌もある。

いずれにしても、ダレることがなくてビートに張りがあって気持ちいいアルバムである。

 

最後に

アルバムはいつも、もっとロックな曲が多いイメージがあるが、Just FriendsがTOP2だったのでちょっとポップさがあったと思う。

Cory Wongに出会ってから、ファンクも気に入っているので、ストライクゾーンがちょっと広がったのはあると思う。

とはいえ、キャッチーな曲が好きなのは相変わらずだし、やっぱりロックのようにうるさい曲は好きである。

 

こちらからは、以上です