前回はアルバム編をお送りしたので、今回は曲編。
アルバムよりはバラエティ豊かになるのだが、それでもやっぱりキャッチーなロックが多めなのはお許しを。
また、前回同様必ずしも2017年に発売された楽曲というわけではないので、ご注意を。
「Wild City」/The Pretty Reckless
アレンジが最高にカッコいい!それだけで十分。
自分はアマチュアバンドをやっていて、ロックを中心とした音楽を演奏する。そして、いつもバンドでどの曲をやる?という話になり、曲を探すことになる。これが数か月に一度あるのだが、女性ヴォーカルのロックバンドの曲を片っ端から探していた中にThe Pretty Recklessがいた。
2016年の3rdアルバム『Who You Selling For』に収録されていて、この曲は5曲目。正直、そんなにいいアルバムだと思わなかったのだけど、この曲だけはめちゃくちゃカッコよかった。ただ、キメが多すぎてバンドでやれる気がしなかったが、好きになった。このリフの気持ちよさがハマる要素だ。
あんまり関係ないけど、女優でヴォーカルのTaylor Momsenのメンヘラ臭が凄い。
「Die Boom Bang Burn Fuck」/Dope
Dopeがついに仕上がった!その結果がこの「Die Boom Bang Burn Fuck」だ。
今年、Dopeというアメリカのメタルバンドに出会った。アルバムを全部聴いていく中で、インダストリアルメタルっぽい感じがしてStatic-Xあたりを想起させるサウンドでカッコイイと思った。そして、アルバムを追うごとに楽曲の完成度が高くなっていくのを感じられたが、これだけで記事を書くのは厳しかったため、他の考えと共にDopeのアルバムについても書いた。この記事では4thアルバム『American Apathy』でDopeは仕上がったと思っている。
今回の曲はこの後の2009年の5thアルバム『No Regrets』に収録されている。このアルバムの中でも珍しく8分もある超大作で、楽曲を繋げたような印象すら受ける。インダストリアルメタルっぽいグルーヴィなリフでゴリゴリ押してくるのは本当に気持ちいい。とはいえ、歌っていることは決してキレイなことじゃないのは分かるので、歌詞については何も触れない。
「The Truth」/In Flames
In Flamesがメロディアスに!?デス声からの脱却の価値が半端じゃない。
In Flamesは一応、全作品を追いかけていて、今までそんなに気に入る作品はなかった。というのも、ヴォーカルAnders Fridénのデス声がどうも苦手で。バンドサウンドや楽曲のカッコよさは感じつつ、良さが見いだせずにいた。それでも最新作はチェックし、少しでの気に入る曲はないだろうかと最新作をチェックしたのが当たりだった。
きっと初期にあったデスメタルのイメージが強くて聴けなかったのだが、2014年の『Siren Charms』くらいからヴァースがデス声でコーラスがクリーンで歌うという最近のメタルコア方面の方式に変わってきて、とても聴きやすくなった。そして、本作『Battles』でのこの曲が一番メロディアスで聴きやすかったため、よく聴くようになった。
あまり好きではない人の意外な一面だったり、成長して変化した姿を見せられて気になって惚れてしまった感じ。あまり好きではなくても、チェックくらいは続けてみると良いという教訓になった。
「どんなときも。」/井上苑子
槇原敬之の名曲「どんなときも」のカヴァー。とにかく甘酸っぱいぞ!
原曲を知っていた上でカヴァーが聴こえてくると、あれ?原曲と違うぞ?どれどれどの辺が違うのかなと聴きたくなる。原曲に忠実なのか、全く別なモノにしているのか、それともその間くらいなのか。どこがコピーと違うのか。そして、その楽曲の価値が上がったのか下がったのか。
このカヴァーはCMで初めて聴いたが、これはいいぞと思えた。シンプルなピアノと井上苑子の甘めの歌声、彼女自身がまだ10代だということ、こんなことが折り重なって原曲の持つ甘酸っぱさがいい感じに協調されて最高。どちらかというと、若かったころの気持ちを思い出す感じになるので、今の気持ちを代弁してくれているわけではないのだが、通ってきた道を振り返る良さを与えてくれる。
この曲をきっかけにカヴァー曲のまとめを書いたら死ぬほど時間がかかった。
「ヒトリセカイ」/10-FEET
暑苦しいくらいの熱気とパワー。10-FEETの新たな歴史の1ページ。
テレビ東京系ドラマ「バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」のオープニングテーマで聴いたのが最初。10-FEETの熱い曲が好きで、あんまりレゲエ色が強い曲はそんなに好きじゃないけれど、パンクとかメロコアっぽい楽曲が好きなので、この曲はドンズバ。歌詞も心に寄り添ってくれてから尻を叩いてくれるので、優しさと厳しさ、飴と鞭のようなバランスの良さがあってとても聴きやすい。
リリースが確か約4年ぶりなのだけど、その間も10-FEETはライブでの姿を見せてくれたのもあって、そんなに間が空いてたんだとちょっと驚いたくらい。いいよ、10-FEET。心に火を付けてくれる。
「嘘をつく唇 feat.片平里菜」/東京スカパラダイスオーケストラ
20thアルバム『Paradise Has NO BORDER』のベストトラック!哀愁と切なさと昭和レトロ感と色恋の絶妙なバランスのコラボ曲。
毎回スカパラのアルバムは楽しみ。楽しむ観点としてはどんなコラボがあるかという一点に尽きて、スカパラだけの曲とかはあんまり興味がない。過去の作品も含めてスカパラはコラボ曲が好きなのだ。『Paradise Has NO BORDER』ももちろん全部聴いて、一番良かったのがこの曲。名だたるミュージシャンが参加しているアルバムで、Ken Yokoyama、TAKUMA(10-FEET)、尾崎世界観(クリープハイプ)、さかなクンとバラエティに富んでいて、アルバム全体としても概ね良いのだが決め手に欠けてこのブログでレビューを書いたりするのは止めにした。
正直、片平里菜はほぼノーマークで、全然聴こうとも思っていなかったアーティスト。それがスカパラとコラボしてこんなにいい曲を歌うなんて!語りと歌とが行ったり来たりしてなんとも古臭いし、全体的な曲のアレンジも昭和歌謡っぽいのでやっぱり古臭いんだけど、この古臭さにハマってしまった。しかも、歌詞がいい感じで色恋沙汰で決して幸せにならない雰囲気もこれまた古臭い。おかしい、平成になってだいぶ経つのにこんなに昭和臭がする曲が素敵だなんて!
「いいの」/Anly
まさかこんな歌詞にやられるとは…どこかにある抑えつけた気持ちにたいして本当にいいの?と問われている気がして。
Anlyは日テレ系ドラマ「視覚探偵 日暮旅人」エンディングテーマのスキマスイッチとのコラボ曲「この闇を照らす光のむこうに」で知った。まあまあいい曲だったのもあって、アルバム『anly one』を聴いてみてこの「いいの」を知った。それまでノーマークだった曲が刺さるとビックリするものだ。
何かね、抑え込んだ想いを吐き出さずにいるのはいかがなもんかと思わされたんですわ。別にサビはいいの?と問いかけているわけではなくて、それでもいいのと若干自暴自棄な歌詞になっている感じなのだが、これが普通に聴いているといいの?と問われている気がするのだ。この曲は聴くタイミングを適切にコントロールできれば、凄い勢いで色んな物事の決断ができそうなパワーがあって、これはずっと持っていたい曲になった。何となくなあなあになっていたりグダグダになっていることを考える時、この曲を耳に入れながらならいい決断ができそう。
「GHOST MONKEY」/The Birthday
たまに大当たりがたまにあるThe Birthday。アルバムの真ん中にメチャクチャカッコイイ曲をブっ込んでくるだなんて…
この曲は9thアルバム『NOMAD』の5曲目に収録されている。全11曲の中でほぼど真ん中。しかも、シングル化されている曲ではないアルバムの1曲。他にもまあまあいい曲はあったのだが、この曲がズバ抜けて良かった。これだからアルバムを1曲1曲聴くのを止められない。
個人的にはTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTは好きな曲がそこそこあるが、The Birthdayはこれだ!って思える曲が少ない。その違いがイマイチ何だかわからないのだが、キャッチーさの方向性が違って自分のストライクゾーンに入ってこないことが多い。だが、今回の様に当たると満塁ホームランみたいなことになるのも事実。2016年上半期にパワープレイした曲にも書いた「さよなら最終兵器」なんかはその一例。
カッティングのリフから始まり、これはどうやら頭がズレるパターンか?と思いきや案外普通に始まる。でも、クハラのフィルインのタイミングが絶妙でカッコよく、その後のベースとドラムが16分で細かく刻む感じが最高。ロックンロールだけど、ファンキーなグルーヴが本当にカッコいいんだよな。
「You」/chay
好きじゃないけど、好き。※ただし、この曲に限る。
アルバム『chayTEA』の1曲でメチャクチャ普通の曲。普通の曲なんだが、王道のピアノとストリングスで構成されたバラード。これに自分は弱い。しかも、歌詞の内容が頑張っている姿を見守っていてくれているような感じなので、頑張っていて報われないななんて思った時に聴くとホロっと来そうな感じ。
今こういう王道の曲をやるのは逆に挑戦になるんじゃないかなと。普通だと聴いてもオモシロくないし、他の楽曲に埋もれるし、他のアーティストにも負けかねない。それが故に個性的な楽曲が増えているのは確か。そこで、あえて王道をいき、普通の曲を普通に聴かせる。超普通であることの価値がある。
元々は「それでしあわせ」のPVで、完全にQueenのBrian Mayモデルを持ってギターオーケストレーションをやってるのを見てどれどれと思ってアルバムを聴いた。他の曲はそうでもないのだが、なんかこの曲はすごく普通でそれが良かったのかもしれない。
「さよなら」/BLUE ENCOUNT
一度期待を外され、もうだめかと思ったところにこの曲が再度評価を戻してくれた。
BLUE ENCOUNTは2015年下半期にパワープレイしたアルバムに選んだくらい1stアルバムの『≒』はとても良かった。その期待を持ったまま2ndアルバムの『THE END』を聴いたら全然ダメなの。1stの熱さとかキャッチーさが磨かれていなくて、むしろ鈍った状態の楽曲しかなくとても残念だなと思ったのだった。やっぱり1stが最高になっちゃんだなと…
だからといって、チェックする対象から外れたわけではなく、新作はチェックする。そうしたら、この曲ですよ。欲しかったこの感じ。こういう熱くてエモい楽曲が欲しかったんですよ!となってよく聴くことになった。
次、ブルエンにお願いするとしたら、テンポの速い熱いエモい曲。 1stのは良かったんだから書いてくれ、頼む。
最後に
アルバムの1曲が良かったってのが多かったのが今回の特徴で、あんまりシングルとかEPをそんなに聴いていなかったわけではないが、結果そうなってしまった。やっぱりアルバム単位で音楽を聴く価値はあるし、自分なりにいいなと思える曲に出会う方法としてアルバムを聴くのはいいことだと思っている。アルバムに1曲でも気に入る曲があったらそれでよしとしているのもある。
あとは、アルバムのレビューを書くことがあるが、それは全体的にいい楽曲が多い場合のみで1曲や2曲くらいいい曲があったくらいではアルバムとしてオススメは難しい。だからこういう記事を書いて発散せざるを得なくなって、書いている節もある。
今回の次点は以下の楽曲。
・「愛! wanna be with you...」/TOKIO
・「BRAND NEW DAY」/Ego-Wrappin'
・「BYRD」/Ego-Wrappin'
・「Hooked On Music」/Pat Travers
・「明日も」/SHISHAMO
今年もまだまだ半分なので、じゃんじゃん新しい楽曲に出会っていこうと思っている。
こちらからは以上です。
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