バンドをやっていると困ることの一つに選曲がある。
オリジナルを作るのも一つの手なのだが、いかんせん時間がかかるのでまずは既存の曲をやってみるのが手っ取り早いのだ。
そんなときに音楽的なバックボーンが違う人とバンドをやっていると、思わぬ選曲に戸惑うこともある。
今まで聴いてこなかったような音楽をやることだってある。
自分は聴いてみて「楽しくなさそうだ」と思ってやってみると、案外楽しいことがあることを知っているので、とりあえず提案された曲はやってみることにしている。
やってみて楽しくなかったらそれまでとすればよい。
そんなこんなで出会ったのがTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTとROSSOだった。
正直、ハードロックとかメタルは好きだけど、邦楽のロックはほとんど興味がなく聴いてなかった。
それでも、バンドで演奏していくうちに楽しくなり、大好きなバンドになった。
そんなバンドマン・ドラマーの目線での楽曲の楽しみ方を紹介したい。
今回はロックンロール祭りだ!心して読み、楽しむのだ!
THEE MICHELLE GUN ELEPHANTとROSSOについて
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT(ミッシェル・ガン・エレファント)は、日本のロックバンド。1991年結成。2003年解散。通称は、『ミッシェル』および『TMGE』。
メンバー
チバユウスケ:ボーカル
アベフトシ:ギター
ウエノコウジ:ベース
クハラカズユキ:ドラムス
自分がちゃんと音楽を聴き始めたのが1994~1995年頃なので、そのころには結成していて、知らぬ間に解散していたというのがホントのところ。
バンドでやることになるまでそんなにちゃんと聴いたことがなかったのだ。
音楽雑誌に出ていて見たことはあったし、メンバーの名前くらいは知っていたのだけど。
特にドラムを叩くようになってからは、自分がCANOPUSのスネアを使っている関係上、クハラカズユキに妙に親近感はもっていた。(クハラはCANOPUSのスネアやセットを使う)
何度かクハラの使っているハンマードブロンズのスネアは未だにちょっと欲しい。
ROSSO(ロッソ)は2001年に結成された日本のロックバンド。元THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのチバユウスケと元BLANKEY JET CITYの照井利幸を中心とした男性4人で構成される。ユニバーサルミュージック所属。現在、活動を休止している。
メンバー
チバユウスケ
ボーカル、ギター担当。
照井利幸(てるい としゆき)
ベース担当。
イマイアキノブ
ギター担当。
佐藤稔(さとう みのる)
ドラムス担当。旧メンバー
MASATO(まさと)
ドラムス担当。
ROSSOはバンドでやることになるまで、全く知らなかった。
「1000のタンバリン」はもしかしたら聴いたことがあったかもしれないくらい。
ヴォーカルがチバなのと、楽曲の傾向が近いから選曲されたのだった。
BLANKEY JET CITYもあまりタイムリーではないため、ほぼ思い入れはない。
後にBLANKEY JET CITYの元ドラマーの中村達也のドラミングが好きなことに気づくのだが、それはまた別な話。
はてさて、そんなミッシェルもROSSOもほとんど知らないハードロック野郎の自分が好きになった楽曲達を紹介しよう。
ゲット・アップ・ルーシー/THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
最初曲を覚えようと思って聴いた感想が同じことを短い間に繰り返しすぎて頭に入らないだった。
これはミッシェルやROSSOの楽曲全体に言えることなのだが、楽曲の構成が超シンプルなのである。
リフ→Aメロ→Bメロ(もしくはサビ)の繰り返し。
リフの部分がギターソロになるくらい。
テンポの速い曲は楽しいから増えがちなのだが、この曲は言うほどテンポが速くない。
リフもシンプルではあるがカッコいい。
そんなこの曲の楽しみ方はコーラスをすること。
さあ、言ってみよう!
「Get Up Lucky!!!!!」
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT -ゲット・アップ・ルーシ ...
何よりロックバンドはギターとベースとドラムだけで歌のバックを構成しているので、どうしてもスカスカになりがちなのだが、コーラスを入れることで音楽に彩りも厚みも出て良い結果を生みやすい。
そして、メンバー全員参加のコーラスだからそれはそれは印象的になるのだ。
ある時、自分のバンドメンバーとアマチュアバンドのライブを見ていて、この「ゲット・アップ・ルーシー」をカヴァーしていたので、当然のようにオーディエンスとしてコーラスをキメてやったwww
近くのお客さんがビックリしてたのは気のせいではないはずだ。
世界の終り/THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
この曲はミッシェルの中ではちょっとだけ知っている曲だった。
個人的に「セカイノオワリ」という音に対してイメージするのはSEKAI NO OWARIではなくて、この「世界の終り」という曲である。
曲の長さが5分を超える長い曲なのだが、この楽曲の楽しみポイントは最後に現れるクハラの叩きだすドラムのキメフレーズである。
このフレーズが好きすぎてこの曲を演奏したくてたまらない。
あとは個人的に好きなテンポ(BPM=180くらい)でパターンがシェイクなのもツボである。
楽曲全体としては、ミッシェルの中では普通のポップスに聴こえてしまうくらいフツーの曲。
だからこその馴染みやすさと覚えやすさが自分にとっては好印象な曲である。
ブラック・ラブ・ホール/THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
後期ミッシェルの楽曲の中でもよくライブで演奏されたというこの「ブラック・ラブ・ホール」であるが、この歌詞はド下ネタだと解釈している。
イントロがいきなりのブレイクずくしというなんとも斬新な楽曲なのだが、これをライブでやると、このブレイクとブレイクの間に拍手してしまうお客さんがいるのが残念なこの曲。
逆に最後に「ちゃんと終わったよ」感を出してあげないと、楽曲が終わったのに拍手を貰えないという最悪な状況に陥るこの曲は拍手殺しだと思っている。
この曲の楽しみ方は、イントロやアウトロのブレイクに命をかけてもよいのだが、もっとキレキレのキメがギターソロ前にあるのだ。
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT - ブラック・ラブ・ホール ...
ギター・ベース・ドラムがユニゾンでキメるこのフレーズは、バシっと決まってからの静寂。そして、それに続く今まで以上に熱く攻めるギターソロ。
こんな冷静と情熱の間をライブではステージ上で迎えられるのだから、これ以上ない。
キメをバッチリ合わせられること+ギターソロの頭をしっかり合わせられたときの快感もたまらない。
普段こんなブレイクがあるとヒヨってハイハットを踏んだり・刻んだりしがちなのだが、このフレーズに関しては絶対にしない。
それが男のドラミングってヤツである。
シャロン/ROSSO
シャロンは今回紹介する楽曲の中では割と最近やり始めた楽曲である。
これまたエグイ速さのテンポを片手8ビートで紡ぎだす必要があって、調子をこいていると1曲を待たずに右手がダメになりそうになる。
この曲の楽しみ方は、ひと時の静寂の後の盛り上がりである。
最高潮のテンションだったギターソロ明けに、ヴォーカルとギターだけになり、ドラムが入り、ベースが入り元の状態に戻っていくという一度引いた波がまた戻ってくる感じがたまらない。
この曲をやるときに我々はサビの部分でコーラスを入れる。
当然、自分もドラムを叩きながらコーラスする。
これまた一気に楽曲が華やかになる。
そして、最後の「Hu~Uhu~」と歌うのは自分の役目。
これはこれで気持ちいい。
カリプソ・ベイビー/ROSSO
何でこんなにテンポが速い(BPM=200くらい)のに8ビートなんだろう?というのがこの曲の第一印象。
そんなに8ビートにこだわらなくてもいいのにと今でも思うことがある。
この曲も構成が非常にシンプルで逆に頭に入りずらい曲だった。
この曲の楽しみ方は、文句を言っても気合で叩く8ビートである。
どう考えてもこのテンポはおかしな速さなのだが、「えっ、叩けないの?」と思われるのが嫌でちょっとだけ気合を入れて叩き切るのだ。
前述のシャロンもそうなのだが、これくらいのテンポの8分音符を右手1本で刻むためにはそれなりに脱力をして効率的に動かさないと叩き切ることはできない。
仮に力で押し切ったところで右腕が腱鞘炎になること間違えなし。
自分はアップダウンで切り抜けている。それだって大変なのだけど。
この楽曲は他にもキメがあるし、間奏部分でみんなで「FuFu~」ってコーラスするのも楽しいのは付け加えておこう。
アウトサイダー/ROSSO
今回最後の紹介となるこの曲は、この音源よりももっとヘヴィなサウンドで演奏している曲である。
これもそこそこテンポが速い曲なのだが、2ビートでガッシャンガッシャン叩けるので案外楽しい。
また、楽曲の始まりを自分のフィルインに任されるのでちょっとだけ緊張する曲でもある。
この楽曲の楽しみどころは、ドラムのフリータイムである。
こういうフリータイムを貰うとドラマーの腕の見せ所になるわけで。
そして、ドラムのフリータイムといえばツェッペリンのボンゾなわけで。
何をするかって、勝手にボンゾのフレーズ叩いちゃうw
厳密にコピーをやっているわけではないので、細かい部分はあまり指摘されないバンドというのもあって、その時その時で好きに叩いているんだけど。
しかし、ライブ等ではアウトサイダーの知名度よりツェッペリンのRock And Rollの方が有名なはずなので、あえてウケ狙いをするこの根性の曲がり具合。
話を戻すとしよう。
アウトサイダー自体のリフはシンプルだけどカッコいいし、疾走感あふれる曲でこの紹介した中でも1番好きな曲である。
ブレイクあり、ドラムのフリータイムの後にはテンポチェンジだってする非常に多彩な楽曲である。
最後に
自分の普段聴かない音楽を聴いて、実際にプレイするとまた全然違った楽曲に感じるようになる。
そして、その楽曲に対して自分なりに楽しむポイントを見つけるとさらにその楽曲のことが好きになる。
こうやって自分の中に落とし込んだ楽曲はそう簡単に忘れない。
つまり、自分のものになる。
もちろん、歌詞だって全部覚えている。(自分では歌わないけど)
自分の中に落とし込んだ楽曲の数が自分にとっては大事で、これからのミッションに一つにあと何曲自分の中に落とし込めるかという孤独なレースを楽しんでいるのである。
こちらからは以上です。
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