前回からの音楽の価値を教えてもらったシリーズの続きです。
前回こう書いている。
バンドのメンバー(以外、親しみを込めてオッサン)達に最初に突っ込まれたのは「何でそんなに古い音楽知ってるの?」だった。んなもん好きで聴くからで、興味の赴くままに音楽を聴いた結果でしかない。
とはいえ、この疑問にはか2つ答えがあって、そのうちのひとつが「ラジオを聴いているから」なんじゃかいかと思った
前回の記事では答えの一つの「ラジオを聴くこと」を書いたのだけど、もう一つを示していない。そのもう一つの価値を教えられたリソースがある。そのあたりを書いていきたい。
まず、この話を書くにあたって、前提が必要だ。
自分は両親が共働きで母片の婆ちゃんと同居している状態だった。そして、両親・祖母ちゃん共に「本を読むことは良いこと」という思想の元育っている。だから、ちょっと高い本(小学生でも1000円を超える本)を買ってもらうことができた。もちろん、その本はメチャクチャ読みこんだし、その経験(本を読んで知識を得る経験のこと)は今でも生きていると思っている。
そんな環境で、お小遣い(確か小4か小5くらいからもらっていた)以外に毎月婆ちゃんから本を買ってもらっていた。小学館の「小学一年生」から始まり「小学六年生」まで毎月買ってもらっていた。そして、中く1年生になった自分は困った。一応、中学一年生という雑誌はあったが、どうも今までの「小学一年生」~「小学六年生」の内容とも異なったし、別に欲しいとも思わなかった。
じゃあ、どうなったかというと、小学校5年生以降は音楽にハマりまくっていた自分にとっては音楽雑誌を読むことに価値があって、その辺の話は別記事に書いているので興味があれば読んでいただきたい。
中学1年生になって初めて読んだ雑誌は「BANDやろうぜ(通称バンやろ)」だった。
これによって自分の音楽の知識は一気に広がる。本の内容は広告であろうとも舐めるように見て覚えたし、どの号にどんなアーティストのどんな内容があったかは3年間覚えていた。実際、3年前の初めて買ったバンやろのQAに書かれていた弦のゲージがどれがいいかの質問に対する回答を覚えていた。それ以外にもギターを中心に機材の知識を吸収し、どのアーティストがどのメーカーのどんな楽器を使ってどんな音を出しているのかを知った。こうなってくるといよいよ楽器マニアの道が広がってきて、結局音楽とともに楽器も大好きになったし、自分のギター観や機材観のベースはできあがった。
雑誌には対象とする読者がいて、バンやろは音楽を聴き始めて楽器を始めたての初心者をメインにしていたと思う。それから見ると、中高生の自分には各雑誌がこんな風に見えていた。
・GIGS→対象年齢が5歳は上だった気がする
・ロッキンf→ちょっと硬派だったし、そんなに機材を詳しく書いてくれなかった(気がする)
・BURRN→良いアーティストは出ているが楽器に対する言及がなかったので、機材マニア心をくすぐらない
・Player→ちょっと真面目に機材を紹介し、マニアック過ぎてついていけない
・Guitar Magazine/Bass Magazine/Drums Magazine→専門的過ぎて深いから読んでて酔う
とまあ、こんな具合の印象だった。たまに立ち読みはするが、決して購入することはなかった。
高校生になった自分はバンやろから「YOUNG GUITAR」に鞍替え。
YOUNG GUITARはバンやろに比べるとかなりギターに寄った雑誌だったが、洋楽の情報が豊富だったのと当時は完全にギター小僧だったのでこの雑誌が最適だった。Guitar Magazineだと大人すぎてダメだったのだ。YOUNG GUITARはギターの奏法に関してもかなり詳しく書いてあり、曲のTAB符はもちろんのこと、音楽理論や細かいテクニックもしっかり書いてあったので、少しずつものにするだけでもかなりギターが上手くなった。
恩恵はギターのテクニックだけでなく、音楽性を広げる効果があった。メインは洋楽ロックなのだが、スーパーギタリスト100人やロックの名盤100選といった企画があり古くはエリック・クラプトン、ジェフベック、ジミー・ペイジの3代ギタリストやジミヘンあたりから始まる。60年代~90年代の名盤と呼ばれるアルバムはとにかくよく紹介されるから名前だけ知ることになり、後に手に入れることになる。有名なリフが連発されている企画でリフだけ先に知った曲もあるし、弾いてみたら「おお、これ知ってる」なんて思ったらDeep Purpleの「Smoke On The Water」だったりしたこともある。
そして、YOUNG GUITARのスゴイところは付録のDVD。本人が新曲のリフやソロを紹介してくれるので、そのままの運指でコピーできる。40代のバンドのメンバーにすると「とにかく頑張って耳コピしてライブビデオを見たのにいい時代になったもんだ」と言われる。これがあることで、紹介されたギタリストを何人好きになったか分からない。例えば、Harem Scaremのアルバム『Weight Of The World』から「Killing Me」を披露したギターのPete Lesperanceのメロディアスなフレーズに心奪われた。
こんなことでもなければ、Harem Scaremを知らなかったし好きにもならなかった。CDやテレビやラジオ以外からのインプットという意味では本当に付録DVDがめちゃくちゃ良かった。
こうやってギター小僧ができたし、メタルもハードロックもテクニカルなものは何でも来いになったのだ。こんなこともあり、10代のうちはとにかく洋楽のロックばかり聴いていた。雑誌で知ったアーティストを片っ端からCDショップで試聴して、特に気に入ったものを買った。雑誌で良いと紹介されている曲はいい曲が多かったし、80年代以前の音楽は既に評価済みだったので、余計にその価値を分かろうと色々な音楽を聴いた。後に自分で音楽を評価することにもつながっている。
10代だったからこそ、どんどん様々な音楽を吸収できたと思う。音楽は追いかけても追いかけても全然追いつかないし全部を知ることなんてできないのだが、ジャンルの幅広さや年代の違いや同じアーティストでもアルバムごとに違ったりと違いが分かることですべてを取り入れる必要はなく、いつしか差分だけで楽しめるようにもなった。そのせいなのか、アラサーになって新しい音楽を取り入れるのが大変だなと思う今日この頃である。
こちらからは以上です。