前回はメロコア・パンクスリーピースバンドを紹介した。
スリーピースバンドシリーズ邦楽編第3弾だ。
今回はヴォーカルに強烈な個性があり、その歌詞の世界が唯一無二のバンドを紹介しよう。
サンボマスター
サンボマスター 世界はそれを愛と呼ぶんだぜ-Densha Otoko theme - YouTube
サンボマスターはドラマ「電車男」の主題歌「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」でお馴染みでないだろうか。
初期のサウンドはまさにスリーピースバンドで、ストレートなギターロックサウンドだ。
制作を重ねていくにつれ、ピアノが入ったりストリングスが入ったりデジタルサウンドが入ったりと変化はしているが、その根本にあるギターロックサウンドは失っていない。
サンボマスターの魅力は山口の魂のこもった歌だ。語りも曲中に散見される。
ライブでは歌詞をそのまま歌わない・語り続ける等原曲をそのまま聴きたい人にはツライ状況になるのだが、本当に伝えたいメッセージを歌っているミュージシャンはこの人たちくらいなんじゃないかと思ってしまう。
楽曲の録音は一発録りを行っている。普通の制作であれば、別々に録音を行うことが多いのだが、楽器もヴォーカルもすべて一気に録音する。
そうやって生まれた音楽の熱量の高さとロックの初期衝動が生み出す音楽が輝くのは当然のことだ。
ACIDMAN
ACIDMANは「静と動」を体現したバンドだ。
ある時は静かに語り、ある時は大声を上げて叫ぶ。
その歌詞はテーマが生命や宇宙や世界がテーマになる。
ACIDMANのメッセージは雄大なものだ。
もうひとつの特徴として、3人でのインスト曲が多々あることだ。
そのインストを集めたベストアルバムまである。
ギター・ベース・ドラムだけでインストを行うのはペラペラなサウンドになりがちで非常に難しい場合が多い。また、どの楽器がリードをとるかで曲の雰囲気が全然違ってしまう。
そんな中、ACIDMANのインストはリードがない曲が多い。
それでも成り立ってしまう音楽を作るのは並大抵のセンスではできないことだ。
鴉
秋田発激情激唱重音楽を鳴らす鴉。
ヴォーカルの近野の歌声はエモそのもの。エモーショナルな歌声が魅力だ。
明るい歌詞よりも、切なさや悲しみを抱いた歌詞が彼らの良さを出していると思う。
時に今風のサウンドに乗せて、時にジャジーなサウンドに乗せて、サンボマスターの山口のそれとは違う近野の魂の叫びを楽しんでみてはいかがだろうか。
こちらからは以上です。
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