Jailbreak

新しい世界の切り取り方

へヴィなロックやメタルの4つ打ち+裏打ちハイハットのダンスグルーブはズルいがカッコイイ~オススメ曲あり~

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音楽を聴いていると、気持ちいいと思える曲がある。その中でもリズムが気持ちいいとノれるので最高だ。 その中でもビートのパターンがいくつかあって、そのビートによって良いなと思う曲は違う。

例えば、8ビートの安定感とリフとの絡みが気持ちいい曲は最高。

 

8ビートを基本として、シェイクするパターンもファンキーでカッコイイ。16分のノリが入ると一気にグルーヴ感が増す。

 

それはそれとして、ここ何年も4つ打ち+裏打ちダンスビートをよく耳にするようになった。しかも近年はEDMブームでその流れを汲んでか、ロックにもそのビートを取り組むのはとても自然な流れになっている。それもこれも、2000年に入る前に流行ったミクスチャーの流れでいろんなジャンルをこちゃまぜにしてカッコイイ音楽をやるのが当たり前になっているし、1つの手法化しているのもあるはずだ。そうやって音楽が変質してジャンルの定義がどんどん変わっていくこと自体は問題だとは思っていないし、正しい進化の形だと思う。

そこで怖いのが気持ちよさってヤツで、ダンスビートにヘヴィなサウンドをのせると最高に気持ちいいサウンドに仕上がる。へヴィなサウンドはそれ自体のパワーがあるので気持ちよさを持つ最強の武器だ。EDMのシンセだってかなり太い音をしていて、下手なロックのギターよりも歪んでゴリゴリの音をしている音楽なんてのもあるくらいで。この気持ちいいリズム+気持ちいいサウンドで気持ちいい音楽になるのは割と分かりやすくて、例えるならカレーとうどんを足したらカレーうどんなんていう最高の食べ物が出来上がるのと同じだ。その意味でズルいがハマってしまう恐ろしさがある。

 

じゃあ、どのくらいへヴィだと気持ちいいのかを考えてみると、入り口として2002年のThe Music「The People」辺りから入ってみよう。

The People

The People

  • ザ・ミュージック
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

ミドルテンポの4つ打ち、裏打ちハイハットでダンス感は間違いないが、ギター&ベースのへヴィさはそうでもない。使っている音域やリフの性質上メタルになるほどのへヴィさはないけれど、逆にダンス感強めのロックとしては本当によくできた作品だと思う。ギターがカッティングをしないお陰で下手なファンキーさを出さず、ベースもリフに寄り添っているのでファンキーに決まりすぎずロックっぽさを残している。その上でドラムが4つ打ち+裏打ちや16分で刻むことのダンス推しのバランス感。とはいえ、今回の中ではサウンドとして軽いので、まだまだ序の口。

 

じゃあ、もっとメタル感を前に出すとどうなるか。Static-Xの「Kill Your Idols」はなかなかのへヴィさとリフを以て攻撃となして脳を直撃する。

Kill Your Idols

Kill Your Idols

  • STATIC-X
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

これホントにスゴイ中毒性があって、ここまでヘヴィで多分5分以上鳴らされたら本当にオカしくなるんじゃなかろうか。コーラスでリズムが一瞬変わるのでやっと我に戻れるが、そうでなければ轟音地獄になる。これはEDMの元になっているトランスなんかも同じようなもので、気持ちよくて踊り続けてしまう。

インダストリアル・メタルバンドらしいリズムやデジタル音の無機質さとギターやベースの人間らしさとWayne Staticのヴォーカルのバランスが最高。他の曲はもっとリズムが違うので、こういう曲ばかりではないのでこういう中毒性は弱い楽曲が多い。Evil Discoと自分たちの音楽のことを称していたくらいだし、その自負はあったはず。

 

せっかくStatic-Xの持つインダストリアル・メタルが挙がったし、この雰囲気が好きだけどもう少し安定感を持たせるならRammsteinの「Der Meister」を聴いてみて欲しい。

Der Meister

Der Meister

  • ラムシュタイン
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

さすがドイツ出身のバンドなのもあり、ガチガチのメタルをやってくれる。ドイツ人のイメージである勤勉さなんかは十分伝わりそう。特徴としてはメタルとしては珍しくヴォーカルが金切り声を上げないのだが、ギターのザクザク感といい、ベースのへヴィさといい、メタルそのもの。ただ、この曲で言えばギターとベースは必ずしもユニゾンしていないのでメタル独特のシンクロ感は低め。それでも、メタル独特のユニゾン感が低めなところがちょっと敷居が低くなっていながら、ダンスビートの気持ちよさと合う。

へヴィさならStatic-X、インダストリアル感ならRammsteinに軍配が上がる。

 

四つ打ちメタルの古さで言ったらKornは外せない。「Here To Stay」を聴くと重心の低さにビックリする。

Here to Stay

Here to Stay

  • コーン
  • オルタナティブ
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

7弦ギターに5弦ベース音圧とグランジから起こった90年代の重いグルーヴが折り重なってとにかく物理的に重い。それにリズムにもあまりこだわりがないのか、様々なアプローチをするのでかなりコンテンポラリーなフレーズが繰り出されるのも特徴。その中にダンスビートが含まれていて、これが繰り出されると気持ちよさが絶頂を迎える。特にドラマーがRay Luzierになってからのグルーヴは最高なのだけど、今回のダンスビートとはあまり関係なくカッコイイというだけで。

メタルよりもオルタナ感を押すならKornもいい選択肢。ダンスビートは曲の中で一瞬顔を出すだけだったりすんだけど。

 

もう少しオルタナティブにメタル感を抜くんだったらMuseの「Hysteria」のへヴィさはカッコイイ。

Hysteria

Hysteria

  • ミューズ
  • オルタナティブ
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

Museがメタルかと言われれば違うが、オルタナティブロックであることは確か。何より、今回のへヴィなサウンドとダンスビートに一致する。この曲もそうだが、必ずしもダンスビートが曲を貫いていないのだが、その分へヴィさで言えば今回のどの楽曲にも負けていない。これはベースが成せる業で、音を聴くとほぼシンセベースというEDM状態なのだが、そこはMuseのバンド感で上手くミックスされている。ロックよりもクラシックの様に壮大で、その展開の中でビートが変化していっているタイプの楽曲だ。

踊れないが聴いていて気持ちいいのは間違いない。

 

ちょっとリズムに寄ってカチっとした感じでへヴィならDestrageの「Jade's Place」はかなり2010年代っぽくて気持ちいい。

Jade's Place

Jade's Place

  • Destrage
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

コーラスがダンスビートになっていて、この部分のドラムのキレとギターがへヴィだが自由にオブリガードを弾く感じが軽快。それ以外はメタルらしいシンクロ率の高いリフの応酬があるのでメタル率は高め。他との違いはリズムのキレで、これはドラムのFederico Paulovichのグルーヴによるところが大きいのと、やっぱりメタルのドラムはあまりファジーなリズムにせず、きっちり叩ききるのでそれが機械的で良い。もちろん、人間が紡ぐリズムなので機械的ではあるが全くの機会とは異なる。

キレッキレのリズムが得意なメタルドラムとへヴィなサウンドが折り重なって気持ちいいパターン。

 

同じようにキレッキレのリズムとへヴィなリフで近年となるとDemon Hunter「Follow The Wolves」が良い。

Follow the Wolves

Follow the Wolves

  • Demon Hunter
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

メタルコアのへヴィさがありつつ、メロディアスなDemon Hunter。Destrageはシャウトするが、Demon Hunterはデス声でグラウリングをするのでちょっとタイプが違う。共通しているのはハイハットのキレが良くて、スネアのヌケがいいのがへヴィなサウンドにはリズムがキッチリキマっているように聴こえやすいのがいい。ミックス的にDestrageはベースがしっかりしているので、ギターのへヴィさよりもベースが支えている安定感がある。

リズムの気持ちよさとへヴィさ以外に、ヴォーカルの振り切った感じが好きならいいかもしれないし、クリーンヴォイスとの対比がまたいい。

 

こういうサウンドは洋楽特有のものではなくて、日本でもあるにはあるのだが多くはない。ダンスビートは近年のフェスに出演するようなバンドではよく見られて、KANA-BOON、KEYTALK等の踊れるロックなんてものがあるし、それ以前にもBase Ball Bearやもっと前にはTRICERATOPS辺りも思いつく。だが、今回紹介しているようなヘヴィさみたいなものはない。物理的な音域やミックス、リズム自体の重さみたいなものも軽めであったり、キレがなかったりとどうも琴線に触れないものが多い。

 

そんな中でRoachの「ワイヤード」はへヴィでキレのあるリズムが気持ちいい。

ワイヤード

ワイヤード

  • Roach
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

いわゆるラウドロックに当たりそうなサウンドに、J-POPらしいメロディアスさと沖縄独特の節回しが見られ、様々な要素が混じりながらカッコイイ。この曲が収録されたアルバム『ROACH』がまさにこんなサウンドの楽曲ばかりなので、1曲でも気に入るとドはまりしてしまう危険性がある。肝心のへヴィさは5弦ベースがガッツリ低音を支えつつ、ドラムはバスドラが重くハイハットとスネアは軽くバランスをとっている。この曲も全編を通してダンスビートを使っているわけではないが、ところどころのキメや引きどころでしっかり引くアレンジがあるからこそ、ダンスビートが生きる。

日本語の歌詞もあるし、英語と織り交ざるのは今や普通なことなので、完全な洋楽を聴くのがつらいならこんなバンドの楽曲もある。

 

さて、最後はSiMの「KiLLiNG ME」で締めましょう。

KiLLiNG ME

KiLLiNG ME

  • SiM
  • ロック
  • ¥150
  • provided courtesy of iTunes

SiMはメタルやダンスだけでなく、パンクやレゲエをメインとしてその周辺のジャンルも食っちゃうようなバンド。なので、特別ダンスビートが良いとかそういうことはないのだけど、この楽曲の速いダンスビートとへヴィなリフの組み合わせの中毒性が半端じゃない。しかも、デス声で攻められるのでヴォーカルまで攻撃的で刺激的。これがカッコ悪いわけがない。

かなり攻めの姿勢を見せた音楽なので、気持ちよさでいうとちょっと怪しいが中毒性は間違いなくトップクラス。

 

ここまで色々なバンドを書いてきたが、今回紹介したい気持ち良さが分かってもらえただろうか。リズムとへヴィな音の組み合わせがカッコいいし、気持ちいいという話だ。メタルはエクストリームミュージックで、そもそもに中毒性がある。さらにダンスビートは踊れるときたもんだ。中毒性のある音楽で踊ってしまったらもう止められない。この辺りの今回紹介した楽曲の恐ろしさがある。

音楽にはビートがそれなりの種類あるので、自分の好きなビートで気持ちよく音楽を聴いてみてはいかがだろうか。

 

こちらからは以上です。

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