バスドラ4つ打ち&ハイハットの裏打ち。
これはダンスビートなのだが、何だか最近よく耳にする。
ロックへのアプローチの一つだと思っているが、これをメインにされると何だかロックとは違う気がするのだ。
サウンドのガラパゴス化なのか、流行なのか理由は分からない。
この辺はプロの分析に任せるとしよう。
自分はロックには8ビートが欲しい。
アジカンだって最新作は8ビートを愚直にやろうとしたらしい。
前置きはここまでにしよう。
自分が心から心震える8ビートの世界を書いてみたい。
AC/DC - Back In Black
AC/DC - Back in Black - YouTube
男らしい骨太の8ビートとはこういうこと!と示してくれる1曲。
リフ自体にそこそこ隙間があるから、ドラムがずっと走り続けていることが分かりやすい。
リズム自体の重さはそれほどないのだが、リフと合わせるととてもへヴィなサウンドを作り出している。
細かいキメはあるものも、間奏の一部以外は一貫して8ビートを叩き通している。
多分、最近のバンドならリフに合わせてバスドラを踏んでしまいそうだが、それをやらない潔さがある。
Van Halen - Poundcake
Van Halen - Poundcake (1991) (Music Video ...
このリズムを叩いているAlex Van Halenは、多分MetallicaのLars Ulrichと並んでドラマーとしての評価が低いのではないかと個人的に思っている。
でも、アレックスの魅力はテクニックよりも重いビートにあるのだ。
だからこういうミドルテンポの曲にその力を存分に発揮してくれる。
8ビートといいながら16ビートのフィーリングがあるこの曲をベースのマイケルアンソニーとリズム隊として支えている。この2人のリズム隊はサウンドもテンポ感も本当にへヴィである。
サウンドは大きい太鼓と厚いシンバルを使ったロックサウンドで、熱いのだけど少々暑苦しい。
そこもアレックスのサウンドの魅力なんだが、分かってくれる人は少ないかも。
Free - Mr.Big
まさかのFree登場と思われても仕方ない。
これが思いついた理由は後述する。
イントロは4ビートなのだが、2:20頃のギターソロになると8ビートで刻みだす。
この8ビートが最高にカッコいい。
もともと16ビートのノリがあるのだが、リズムは大きく叩いている。
その大きく叩く8ビートが最初はタイトに刻んでいるのだが、盛り上がってくるとハイハットがハーフオープンになっていき、どんどん迫力が増してくる。
こういう当然のアプローチを当然のようにやってこそ、音楽のカッコよさであったりダイナミクスの大きさによる迫力を味わえるのだ。
このカッコよさを教えてくれたのはMr.Big。
アルバムでカヴァーをしているのである。
多分、この出会いがなかったら、Freeは一生聴かなかったかもしれない。
B'z - Real Thing Shake
多分、こんなに真っすぐ8ビートを刻んでいる曲はなかなかないんじゃないだろうか。
16ビートのフィーリングが入ってしまうことが多い中、とにかく愚直に8ビートを刻んでる。
リフがBack in Blackのように音間がそこそこあるので、8ビートがカッコよく聴こえてくる。
リズムの重さはそれほど無いのだが、ちょっと突っ込みそうなリズムを上手く抑えてくれている。
それはハイハットのクローズがタイトなことが一因ではないかと思う。
サウンドは1996年頃のものとしては割と軽め。
少し前のWANDSのドラムの方が暑苦しい音をしていた。
これを叩いているGregg Bissonetteというドラマーは凄いスタジオミュージシャンだ。
凄い人が普通に8ビートを叩いたら凄かった。
Stereophonics - Dakota
Stereophonics - Dakota (Official Video) - YouTube
この曲のドラムはとにかくシンプルだ。
サビやブリッジで一部リズムが変わるものも、ほぼシンプルな8ビート。
1拍目と3拍目の表と裏に8分音符で刻まれるバスドラから生まれる8ビート。
これは曲が持つメロディアスさと透明感を殺さないアプローチだ。
そして、曲の疾走感はドラムが2ビートではなく、8ビートを細かく刻むことで出ているものだ。
手数が多いドラムが好まれる中で、このシンプルなドラムはポイントを押さえた最小限のドラムのお手本だ。
Collective Soul - Why Pt.2
Collective Soul - Why Pt. 2 (Video) - YouTube
この曲はへヴィなギターやベースにドラムがシンプルな8ビートで存在感を出している名曲である。
Stereophonicsの「Dakota」のようにテンポは速くないが故に、思いっきり腰を据えたシンプルな8ビートがカッコいい。
自分ならライドシンバルで刻んでしまいそうなところもあえてハイハット。ずっとハイハット。
楽曲を盛り上げたり色をつけるのをギターやベースに任せて、ドラムはひたすら8ビート。
スカスカになりそうな個所もドラムが8ビートを叩いているからつながっている状態だ。
Collective Soulというバンドの魅力についてはまた別途書くことにしよう。
その時もこの曲のへヴィさはバンドを語るうえで重要な要素だ。
Coldplay - In My Place
Coldplay - In My Place - YouTube
イントロからドラムが8ビートを披露している。
このドラムがハーフオープンでハイハットを叩いているのだが、普段なら迫力を感じるのだが何故だが壮大さを感じてしまうのである。
バズドラも16分で刻まれているため、グルービーになりそうなものだがベースがそれに乗っているのみ関わらずあまり大きなフックになっていない。
それよりも8分音符が大きく表現されていて、その大きな音符が壮大さを表してくれている。
これは大きな8ビートの中でも珍しいものだ。
Red Hot Chili Peppers - Dani California
Red Hot Chili Peppers - Dani California [Official ...
Chad Smithのドラムは16ビートが常に流れていて、何を叩いてもとにかくファンキーでパワフルになってしまう。
この曲のイントロだって16分が少しハネていて、アーフタクトに32分音符のゴーストノートが聴こえてしまっている。
ロックの8ビートではないのだけど、そのファンクやソウルを取り込んだビートはとにかくカッコよくて、グルーヴィーなのである。
これでも(いい意味で)手癖・足癖が悪いチャドにしてはストレートな8ビートを叩いている。
ファンキーなビートはまた別記事で紹介している。
Led Zeppelin - When The Levee Breaks
When The Levee Breaks Led Zeppelin +Lyrics - YouTube
最後はボンゾ先生に締めてもらおう。
へヴィなロックドラムの元祖はやっぱりやってくれている。
これ以外にもへヴィな楽曲はあるのだが、サウンド的に分かりやすくへヴィなのはこの曲だろう。リバーブがかかっているのも影響があるかもしれない。
ボンゾもチャドもそうなのだが、ファンク・ソウルやR&Bの影響があるため、バスドラを16分で刻みたがる癖がある。
これがカッコいい要因の一つ。
ボンゾのドラムはタイム感的にはジャストなのだが、音が重たいもんだから体感的に若干のモタリを感じるのでその辺がへヴィに聴こえる要因である。
この曲も何も難しいことはやっていないのにカッコいい。
ドラムが上手い人がドラムを叩くと普通の8ビートでもカッコいいのだ。
最後に
選曲に当たっては、できるだけ16ビートのフィーリングがなく、ハイハットを8分で刻んでいるものを基準とした。
しかし、プロの演奏でアレンジがされた楽曲で愚直に8ビートを叩く曲は少ない。
だからこそ、8ビートを愚直に叩く曲が今必要である。
ダンスビートが悪いわけでもないし、いろんな音楽を混ぜて面白いものにするのは良いことだと思う。
しかし、何かを偏りすぎてもよろしくない。
8ビートはカッコいい。
伝えたいのはただそれだけである。
こちらからは以上です。

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