オモシロイ曲と言われてどんな曲を想像するだろうか?
今までにもこのブログでは面白い音楽を紹介してきた。
例えば、THE BEATMASはクリスマスソングをThe Beatlesの有名な楽曲とマッシュアップして、最高に面白くてクオリティの高い音楽をやっている。
レキシこと池田貴史は音楽+歴史ネタ+有名アーティストという3つの要素がベースになっている。
この全ての素材をしっかりと生かしてオモシロイ音楽を作り上げるのだから、これを紹介せずにはいられない。
今回はレキシと池田貴史の魅力を紹介する。
池田貴史がオモシロイ
まずはレキシこと池田貴史について。
レキシは、日本のミュージシャン、池田貴史(いけだ たかふみ、1974年2月15日 - )によるソロユニットかつ、ユニット内における池田自身の名称。1997年に活動開始、2007年にメジャーデビュー。
池田によるソロユニットで、その名の通り日本の歴史を主題とした楽曲を扱う「歴史縛りファンクネスバンド」
1974年2月15日生まれ、福井県出身。専門学校在学中に「インド池田と紙袋たち」を結成。1997年にSUPER BUTTER DOGのキーボード担当としてメジャーデビュー。デビュー当時からアフロヘアーがトレードマーク。忌野清志郎や椎名林檎などの楽曲提供、ライブサポートなどの活動も行っている。2004年からは中村一義らとともに100sに参加している。
レキシ - Wikipediaより引用
元々はSUPER BUTTER DOGのキーボードとしてデビューしているが、2008年に解散。
SUPER BUTTER DOGは永積タカシの個性的な声とポップだがファンクやソウルっぽさを出した音楽性が非常にカッコよかった。
そこからソロ活動としてレキシを始め、ライブサポートや楽曲提供を行っている。
珍しいところでは私立恵比寿中学に「頑張ってる途中」という楽曲を提供している。
いやいや、PVにご本人出ちゃってるし…
音楽活動以外にもタレントとして「タモリ倶楽部」に不定期出演していたり、最近は俳優としてドラマ「99.9 -刑事専門弁護士-」や映画「海街diary」にも出演している。
池ちゃん(池田貴史の愛称)は音楽家としてだけでなく俳優やタレントとしても活動して、 かなり世間に露出が増えているのだ。
歌詞のテーマがオモシロイ
レキシの歌詞のテーマはいつも歴史モノ。
そのテーマの目の付け所が良いというか、これがセンスなんだろうなと思うようなセレクトをしてくるのだ。
例えば、2ndアルバム『レキツ』収録の「妹子なぅ feat.マウス小僧JIROKICHI(堂島孝平)」なんかは歴史を学んだ時に誰もが頭によぎることを歌っている。
レキシ - 妹子なぅ feat.マウス小僧JIROKICHI (堂島孝平)
歌詞自体は遣隋使の中の一人なのだけど、ただ「小野妹子が男だった」と歌っている。
思って話もするけれど、音楽にする!?というテーマなのだが、それを面白おかしく聴かせるような楽曲になっている。
それだって後に触れるキャッチーなメロディと幅のある楽曲のお陰でスゴイいい曲にしてしまうんだから、レキシはスゴイ。
そして、きっとこんなこともあっただろうと思ってしまう歌詞は3rdアルバム『レキミ』収録の「大奥 ~ラビリンス~ Feat. シャカッチ」
江戸幕府3代将軍・徳川家光の乳母である春日局が大奥で文字通り迷うというお話。
もちろん、人間関係の難しさだったりそういうややこしいことも含めてなのだけど、それをこんなにポップに歌ってもいいもんだろうか?と思ってしまう。
しかも、音楽の中間部で「岐阜県からお越しの春日局様~お連れ様がお待ちでございます~本丸二階、大奥までお越し下さい」と場内アナウンスまで入る始末。
いやいや、そんなことあるわけないのだが、あったらオモシロイし何よりそんなことを考えているレキシにニヤニヤしてしまう。
この「バカだなー」感はタモリさんに通じるところがあると思っていて、そのことを本気で考えるとバカになってしまう、そんな男性の持つ幼さが垣間見えるし、何だか共感してしまう。
他にも「ええじゃないか」や「万葉集」、「墾田永年私財法」、「憲法セブンティーン」といった割とそのままのタイトルのものだったり、「どげんか遷都物語」、「Love弁慶」、「ペリーダンシング」、「僕の印籠知りませんか?」とタイトルからどんな内容なのかスゴイ気になるものまである。
タイトルと内容が思ってたものと違うことなんて当然のように出てくるのだが、良くも悪くもその裏切りこそがレキシの歌詞の醍醐味。
PVがオモシロイ
これはそのままだけれど、PVがオモシロイ。
基本的にはPVに池ちゃんが出演し、歴史上の人物や役割になるのだけど、これがまたいい感じでブスなのだ。
例えば、5thアルバム『Vキシ』収録の「SHIKIBU」では白塗りをして紫式部に扮するのだが、パロディ感満載のPVになっている。
レキシ - SHIKIBU feat. 阿波の踊り子(チャットモンチー) Music Video +「Takeda' 2」 Rec映像
このPVはただ八嶋 智人に紫式部に扮する池ちゃんが追いかけられるだけなのだが、当然いろんなところを追われて走り回る。
どこかトムとジェリーっぽい、出来レースなのだけどそこがまたコミカルで面白い。
他にも女装しているのは3rdアルバム『レキミ』収録の「姫君Shake!」も同様。
髭生えちゃってるし!オッサンそのものだし!アフロにただエクステしてよこから長い髪垂らしてるだけだし!
撮影場所がまた洋館だったりする一方、殿様は歌詞に出てくるのできっと江戸時代くらいの想定なんだろうとも思えるので、城から抜け出して洋館にいるような設定何だろうかねぇ。
こんな具合に音楽だけでなく、映像としてもオモシロイPVもレキシの魅力の一つ。
キャッチーなメロディに幅広い楽曲がオモシロイ
レキシの音楽は名曲の無駄遣いと言われるほど名曲がそろっている。
それは前述の歌詞の内容であったり、池ちゃんの持つ音楽性、後述の有名ミュージシャンとのコラボが組み合わさってスゴイ楽曲がたくさん生まれている。
ポップでとても聴きやすい曲が多いのだが、その王道をいっているのがELTの持田香織とコラボした4thアルバム『レシキ』の「キャッチミー岡っ引きさん」なんかは良い例。
ホーン隊にパーカッションまで入った豪華なサウンドなのだが、無駄に音を厚くすることはなく、ポイントを押さえて爽やかなアレンジになっている。
そして、持田香織と池ちゃんの歌が重なると、どこかサザンオールスターズの桑田佳祐と原由子のコンビと重なってくるのが不思議。
それ以外のレキシ楽曲の楽しみ方があるのだが、それはオマージュ元となった楽曲が何なのかを考えながら聴くことだ。
全ての楽曲にオマージュ元があるわけではないが、アルバム収録曲の数曲「あれ?これあの曲に似てない?」というアレンジが入っていることが多い。
例えば、前述の「妹子なぅ」は完全にゴダイゴの「銀河鉄道999」だし、最後に「Journey to the star」て言っちゃうし。
「大奥ラビリンス」はEarth, Wind & Fireの「September」っぽさ満載だし、「墾田永年私財法」はBob Dylanの「Knockin’ on Heaven’s Door」、「salt & stone」はSantana の「Soul Sacrifice」にしか聴こえない。
と、こんな具合で元ネタを探りながら聴くと、音楽をどれくらい聴いているかが分かって楽しかったりする。
この辺はライブに行ってみると思わず(?)原曲を歌いだすレキシさんがいたりするので、要チェックかもしれない。
あとは、当然これだけのアレンジをするためにはちゃんとしたミュージシャンがいないとできないわけで、その辺はしっかりとしている。
オマージュはあくまでそのアーティストや楽曲へのリスペクトが入っているので、必ずしも「パクリ」という批判は的を射ない。
それは分かっている人だけ分かっていればいいことであり、そういうメッセージを受け止めるリスナー側が試されていて自分は楽しむことができる。
どうしてもお遊びの感じだったりパロディ感が前に出てしまうのだが、音楽はしっかりとしていてそのクオリティの高さはピカイチなのだ。
有名アーティストのレキシネームがオモシロイ
レキシとコラボするのがミュージシャンの喜びになるのだが、その理由の一つはレキシが付けるレキシネームである。
ニックネームみたいなもんで、有吉のアダ名とはまた違った面白さがある。
例えば、こんな感じでレキシネームがレキシから与えられる。
スネオヘアー→腹切りさん
いとうせいこう→足軽先生
山口 隆(サンボマスター)→田んぼマスター
浜野謙太 from SAKEROCK,在日ファンク →織田信ナニ?
椎名林檎→Deyonna'
旗本ひろし→秦 基博
活動が長くなってきて、参加しているアーティストが増えてきたのもありすべて載せきることができないので、本家サイトを参照していただきたい。
微妙に名前からとっていたり、全然関係ない呼び名になったりしているが、この辺はご愛敬でどんなアーティストがどんなレキシネームがついているかは要チェックだ。
最後に
ここまでレキシの魅力に迫ってみた。
今回挙げた魅力は割と分かりやすいもので、歌詞をよく読んでみると歴史が大好きな人はその歌詞の世界を深く楽しめたり、オマージュ元を探し回るのも楽しい。
そして、もう一つライブが楽しいのも魅力で、MCが長いのと楽曲を伸ばしに伸ばすというライブレポートを何回も見たことがある。
「SHIKIBU」のEPで「キャッツあつめ ~CATS LIVE SELECTION~」というライブ音源の詰め合わせで、そのライブの雰囲気を味わうことができるので、それを聴いてみるのも良いかもしれない。(これがまた音楽というか、ライブで遊んでいる)
2016年6月22日にはニューアルバム「Vキシ」が発売になり、その内容もオフィシャルHPで公開されている。
今後もレキシがオモシロくてキャッチーでハイクオリティな楽曲を届けてくれることを楽しみにしている。
こちらからは以上です。
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