Jailbreak

新しい世界の切り取り方

Van Halenのもうひとつの魅力はキーボードやシンセ

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エディ・ヴァン・ヘイレンが亡くなりました。彼のギターが世界中に衝撃と感動を与えたのは、疑いの余地がありません。ご冥福をお祈りします。

エディのギターのすごさは色々なとこれで語られていて、別に今さら自分が付け加えることは特にありません。しかし、エディの、もっと言うとヴァン・ヘイレンの功績で、もう少し語られてよいこととして、キーボードアレンジがあります。今回はその辺に焦点を当ててみたいと思います。

Jump

エディはもちろん、超一流のギタリストなんですが、最高峰のロックシンセのフレーズを生み出している。ロックのシンセだと、やはり「Jump」は弾いて欲しい。しかし、オリジナリティが強すぎて、意外と広がりがない。

「Jump」のイントロは超有名である。しかし、今回はギターソロ明けのシンセのソロをフューチャーしたい。シンセソロのフレーズは和音を分散して繰り返すシーケンスフレーズをコード進行に合わせて弾いている。これがあのライトハンドのフレーズと重なる部分がある。
シンセでやるようなフレーズをギターで演奏したからすごかったわけで、そこを逆にシンセでやってしまう。これをPVだとエディが弾いているので、やはりこういうフレーズが好きなのか?と考えさせられる。
意外とこういうシーケンスフレーズのシンセソロが少なくて、特徴的なシンセソロになっている。 

Right Now

「Right Now」も「Jump」同様のピアノによるシーケンスフレーズがイントロから聴ける。これがまたいい感じで深刻で、何か起こりそうな雰囲気を醸し出している。
全体的にコード進行自体はそれほど難しいことはやっておらず、ストレートなロックである。リズム的にはミドルテンポでありつつ、リズムを食っているので、勢いがある。
ピアノのフレーズは印象的だが、イントロとアウトロでポイントを押さえて使用しているところがまた良い。
個人的には5本の指に入るくらいギターソロが好きな曲なので、そのお話は別な記事で。

When It's Love / Dreams

2曲とも、イントロがシンセから始まっていて、そのフレーズが印象的であることが共通している。もっと言うと、曲全体を通してシンセが参加している。
Van Halen自体は別にシンセが中心のバンドではないので、ギター・ベース・ドラムのソリッドなロックサウンドの曲が多いのは仕方がない。そこで、こういうシンセもちゃんと一曲を通して役割がある曲は珍しい。それが故に、コピーをしようとすると、シンセがないと曲が成り立たない曲だと気づいたりもする。

Love Walks In

「Love Walks In」に至ってはシンセサウンドとピアノが重ねられていて、バッキングを完全に担っている。実は、Van Halenのカッコイイところはギターのバッキングだったりする。その価値を捨て去って、ギターはあくまでソロやカウンターメロディに徹するという型をぶっ壊した曲である。

Van Halenの型をぶっ壊したにもかかわらず、ちゃんとVan Halen感があるのはシンセをエディが担当しているというのが大きいだろう。

Why Can't Be This Love

この曲も分かりやすくイントロからシンセを使っている。ギターっぽい歪んだサウンドに聴こえる太いシンセサウンドが特徴。そして、その特徴を使ってイントロやサビで使用しているリフを担っている。普段のアプローチなら、そのリフをギターが担うことになることが多いが、ギターは白玉弾きで厚みを出すのだけ。あまり絡まず、邪魔をしないように一応居るくらいの状態である。こうやってギターの役割をシンセに委譲することで、ギターソロが光るので良いバランスのとり方である。

あくまで、普段とは違うアプローチながら、キャッチーさやロックとしてのダイナミックさは失わないバランス感覚はさすが。ギターロックバンドがシンセを上手く使えるようになると、世界が広がるのは確かである。

 最後に

 Van Halenは間違いなくギターロックバンドである。だからこそ、たまに入るシンセが輝いている曲を聴くとよいアクセントになる。しかも、なかなかいい曲。「Jump」なんかはアルバムの中、もっと言うとVan Halenの代名詞だったりするわけで、侮れない。

ギターも良いのだが、 キーボードやシンセが効いた曲もチェックしてもらいたい。

 

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こちらからは、以上です。