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Jailbreak

新しい世界の切り取り方

【レビュー】Shout it Out『青年の主張』は青さと若さと大人と子供の間

音楽 レビュー
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青年の主張

1.大人になれない
2.17歳
3.雨哀
4.道を行け
5.DAYS
6.夜間飛行
7.トワイライト
8.青春のすべて
9.影と光
10.青年の主張
11.エンドロール
12.灯火

オススメ曲→4、5、8、10

 

2017年3月8日発売Shout it Out『青年の主張』を聴いた。

20代に突入した時に10代を振り返って”ああ、若かったよな”とか”こんなこと考えてたよな”と甘酸っぱい気持ちと、溢れんばかりのエネルギーがそこにあった。

 

個人的には昨年末からいつもにも増して音楽を聴いている。それがまたRushやLimp Bizkit、Testament、Dopeと濃い目のメタルやプログレやミクスチャーとエグイ音楽ばかりだった。これはまとめてCDを集めたせいで、コンプリートするとこういうことになってしまうのだ。洋楽だというのもあって、楽曲の歌詞の世界まで入り込めていなかった。

そんな状況もあって1曲目の「大人になれない」の始まりからレッドゾーンで突っ込んでくる青い歌詞。ちょっと間違えば耳障りになる、刺さるようなギターサウンド。そして、ガリガリのベースに突っ込みまくったドラム。最初っからフルパワーでブレーキが壊れて暴走しているんだけど、気持ちよくて。この辺は2曲目から5曲目まで続いていく。アップテンポだから。そんなに刻まなくてもいいのに8ビートを刻み、ヴォーカルはとにかく叫びまくる。エモいっちゃ~エモいんだけど、ちょっと違う。

6曲目「夜行飛行」だってそこそこのテンポなのに、それ以前の曲のテンポの速さのせいでちょっとミドルテンポにすら聴こえる。ここで、やっとブレーキが効いてきて、7曲目「トワイライト」で12/8拍子でゆったりとさせてくれる。だが、8曲目からラストまで11曲目の「エンドロール」がミドルテンポなくらいで、他はアップテンポ。やっぱりブレーキが壊れたジェットコースターのように終わってしまうアルバムだった。そして、SUPER BEAVERの柳沢亮太がプロデュースしている曲もあるが、そんなの全然関係ないくらい勢いだけで突っ切っている。

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PVに須賀健太が出演がして、歌詞とシンクロしてセリフを言うという珍しい(?)試みがされているので、一度見てみるのをオススメする。個人的にはあまり好きではないし、何より”そんな夜を探してる”のはフラカンの「深夜高速」だろと思ってしまうのは、オッサンになったってことか?

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10代の後半って多感な時期で、20代に入って社会に出たりするとその頃持っていたやり場のない想いとか熱量みたいなものが失われていく感覚があった。何だか遠くに行っていたし、とにかくカラオケで歌いまくったり、何かにハマってみたり。パンクのような反骨精神とか反政治とかそういうことではなくて、内側からのエネルギーが有り余っている。そういうものをぶつけてくれたような気がしている。なので、エモいっちゃ~エモいがハードコアとかメタル感があるわけじゃなく、あくまでメロコアとかパンクっぽい叫び方。

歌詞の世界観がその青さを加速させてくれる。10代・大人・周りの目・世界・始まり・青春…キーワードだけ挙げて言っても、やっと20代に足を突っ込んだ状態で精一杯等身大の歌詞を書くとこうなるよなと。無理に背伸びをせず、見たもの知ったもの考えたものを言葉にすると良くも悪くもこんなところに落ち着くのは納得がいく。とても変わった言葉や尖った言葉(歳を重ねると刺さる言葉は違うけど)は使っていないからこそ、見えている世界を上からでも下からでもなく直視している愚直な世界観があった。

 

やけにドラムがメディアに露出するバンドだなと思ったら、リーダーがドラムの細川 千弘なのね。そして、ギター&ヴォーカルの山内 彰馬との2人体制になっている。この体制を見ると、ストレイテナーを思い出してしまって「個性満載のスゴイベースが入ると楽しくなるヤツ」に変貌するんじゃないかとワクワクしてしまう(ストレイテナーの日向はちょっと異常だが)。

でも、やっぱり1stアルバムなんだよな~と。1stアルバムが良いのある意味当たり前で、このブログでは何度もこの主張をしている。

この青さがどう変わっていくのか。青坊主の様に芸術的になるのか、10-FEETの様に激情を叫び続けるのか。はたまたthe Pillowsの様に内に秘めるのか。何パターンかは思い浮かぶけれど、こうなって欲しいもないし、どれでもなくオリジナルな路線を数年~十数年後に見せてくれたらこのアルバムの価値を見直すことになりそうだと思ってワクワクする。

 

こちらからは以上です。

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