漫画『甘々と稲妻』を読みました。
今現在6巻まで発売されていたので、1~6巻までを一気読み。
個人的にはなかなかいいマンガで、これからの展開が楽しみな作品だった。
甘々と稲妻
連載初回から驚くほどの超人気!
愛娘&女子高生と囲む、両手に花の食卓ドラマ!!
妻を亡くし、単身子育てに奮闘する高校教師・犬塚。
ひょんなことから教え子・小鳥と一緒にごはんを作って
娘と3人で食べることに!
おいしいトライアングルホームドラマ、開幕です!!
半年前に妻を亡くした高校教師の犬塚 公平と5歳の娘犬塚 つむぎの親子と、公平が務める高校の生徒飯田 小鳥を中心としたホームコメディと料理マンガ。
毎回1話ごとのエピソードとともに、料理をするのが特徴。
ご飯を炊くところから、から揚げ、イカと里芋の煮物、煮込みハンバーグ、ドーナツと和食・洋食・中華からお菓子に至るまで様々な料理が出てくる。
そして、話の最後にレシピが出ていて、漫画に出てきたお話が料理を実際に作ることができる。
この料理がとても美味しそうのなんのって。
もう一つの特徴は公平とつむぎ・小鳥と母の親子関係であったり、公平と小鳥の教師と生徒の関係であったり、公平とその友達・小鳥とその友達の友人関係といった人と人の関係で描かれる日常。
あまり現実離れせず、適度にリアルなお話に仕上がっている。
シングルファーザーでイクメンという設定もあるので、悲しみをどう乗り越えていくのかということも、エピソードの深みを増している。
漫画の感想
面白いマンガで、前述のとおり料理とイクメンという大きな要素が2つ組み合わせられているため、相乗効果でより面白さが増している。
その辺を自分が感じたポイントとともにまとめてみたい。
シングルファーザーと父娘の関係
このマンガの一番の面白さでが公平とつむぎのやりとり。
当然、父と5歳児のやり取りでなかなか思い通りに動いてくれない娘像が出てきたり、それでも成長してもらわなければならないので機嫌が悪くても手を変え品を変えアプローししていく姿は、きっと子育てはこういうことの連続なんだろうと思わせてくれる。
例えば、パーティという言葉をつむぎが誤解してしまい、お客さんは呼ばないと話すとショックを受けてしまったりする。
それ以外にも幼稚園での子供同士の喧嘩だったり、体調が悪い時の対処だったりと、子供を育てたことがなくてもいい具合にあるある感を出してくれて面白い。
母は亡くなって父と子だけなの家族だから、お互いを尊重しつつ気に掛けつつの日常の描き方がとても良い。
料理漫画としての側面
毎回料理をするのだが、前提として公平もつむぎも小鳥も料理ができない。
メインは公平と小鳥が調理をするのだが、その際に料理研究家の母のレシピが出てきたり、公平の友人の八木や小鳥の友人のしのぶが料理が得意だったりと取り巻く環境が良い。そのおかげで、大変な思いをしながらも出来上がった料理をおいしそうに皆で食べる。
美味しんぼの美食とかミスター味っ子のアイディア満載の料理ではなく、割と基本的な調理方法で進んでいくため斬新な料理はあまり出てこないが、絵がとても美味しそう。
基本的な料理というよりは、かなり家庭料理に寄ったレシピになっているので実際に作ってみるのも別の楽しみ方ができる。
表情豊かなつむぎの一口目
つむぎは目がくりくりで描かれているのもあり、非常に表情豊かで読んでいて引き込まれてしまう。
機嫌が良い時や楽しいときはパッと明るく、悲しかったり辛いときは大きな涙を流しながら泣いたり凹んだりして見せる。
そんなつむぎは食べることが大好きで、毎回料理を楽しみにしている。
だからこそ余計に一口目の表情がとてもよく描かれている。
今度の話ではどんな表情を見せてくれるのだろうか?と思いながら読み進めてしまった。
心に残る話
1巻に5話ずつ収録されており、メインとなるキャラクターが公平だったり、つむぎだったり、小鳥だったりと誰かひとりではない。
そんな中でも個人的に心に残った話が3つある。
1巻 その3 つむぎとおまたせのハンバーグ
つむぎが幼稚園でひょんなことからドロボー扱いされてしまい、男の子と喧嘩をして凹んでしまう。
そして、小鳥の家のお店でハンバーグを作るのだが、その際に公平は玉ねぎを刻むために水中メガネにマスクという完全防備で挑む。
そんな調理の中で小鳥が
親に…悪いことしたかもってすごく言いにくいでしょう…?
という言葉をかけることで、状況が一転しつむぎも凹んでいた本当の理由を話してくれる。
これは小鳥の両親が離婚しており、母親についていっているため片親の気持ちが分かるからで、上手いこと設定ができてるな~と思いながらも、気持ちよく読むことができた。
最後には何故ドロボー扱いされるきっかけになったことをしたのかが、ちゃんと回収されているという気持ちよさもある。
4巻 その11 真夜中とパン粥
定期テスト前なのもあり、当分プライベートでは会えないことになった公平と小鳥。
テストの問題を作ろうと家でも遅くまで仕事をしている公平は、夜食を食べようとするのだが、普段起きていないつむぎが起きてしまい一緒に食べたいと駄々をこねだす。
ど…どうして忙しい時にかぎっていつも通りに寝てくれないんだろう…!?
と思ってしまうくらいつむぎが張り付いて離れない。
学校でも数学の勉強のために残っている小鳥とそんなつむぎの話をしてしまい、小鳥が子供の頃に母親がパン粥をアレンジして作ってくれたエピソードを話してくれて、そのレシピを公平に教えることになる。
その夜案の定起きてきたつむぎの「大人のパン粥」といって作ってあげる公平。
その一方で母親にパン粥を作ってもらう小鳥。
この話は食べ物で思い出を共有できるのって凄く良いなと思って。
確かに子供の頃、親が夜食を食べていると一口貰ったことがあるので何だか特別な食べ物を食べた気がしたな~と。
忙しい時に限って子供に手が掛かるというのも、ありそうな話でなんだか妙にリアルで好き。
小鳥のテストの結果はどうなるのか!?
そして、大人のパン粥を食べる大人のつむぎとの公平のやりとりは見もの。
6巻 その28 おじさんとサンマ
公平の兄が突然家に訪ねてくることから始まる。
話を訊くと、やっとの休みで家でゆっくりしようと思ったら、娘に嫌がられたのが原因らしい。
その後、公平がつむぎの前では喧嘩しないとしたくないとお願いしたのに、兄と喧嘩している姿を見せてしまいつむぎが驚いた表情を見せる。
その後に兄とのことを説明する公平が、兄の喧嘩腰の姿勢を
あのひとはねー悪魔状態が長いんだ……
とつむぎに説明し、つむぎが理解を示した後に言った言葉が最高で。
あくまのじゃくてんをしっている…めっちゃおいしいごはん食べたらあくまもニコニコしちゃう!
そういってから買い物に出かけて、さんまを購入してさんまパーティーを開催することとなる。
自分はマイナス思考だったり攻撃性が増している時をスターウォーズに準えて「ダークサイドに落ちる」なんて言ったりするのだけど、これを「悪魔状態」っていう表現がとても気に入った。
そして、つむぎの言う悪魔の弱点はちょっとだけハッとした。
確かに美味しいものを食べて幸せな気持ちになると、悪魔状態は解除されるかもと思った。
今度から意識的に美味しいものを効果的に使ってみたくなった。
公平と兄の喧嘩の原因は何なのか、そして、さんまパーティーは上手くいくのか!?
公平の兄は自分の家に気持ちよく帰れるのかは読んでからのお楽しみ。
最後に
今回紹介した以外にも、小鳥の公平への恋心だったり、公平とつむぎが時々思い出す母のことだったりと、ハートフルなストーリが盛りだくさんだ。
まだ公平の妻が亡くなった原因は分からず、最終回までに分かるかどうかも不明。
それ以外の設定や不明点はいくつかあるので、そういうことが回を重ねるごとに分かっていくのを期待している。
これから7巻の発売もあり、アニメ化もあるため楽しみな漫画の一つだ。
こちらからは以上です。
漫画の一気読みならこちらから。
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