リズムを聴いて、気持ちいいと思うことってあるでしょうか。自分にはある。機械的なテクノのリズムも良いと思えるし、人間が演奏して必ずしもジャストタイムじゃないリズムだって気持ちよいと思えるリズムはある。
例えば、電気グルーヴのサウンドは打ち込みが基本だけれど、これはこれで気持ちいい。
ジャストタイムじゃないノリとしては、最近だとProfets of Rageなんかは重たくてグルーヴィーな楽曲で好きだ。
Profets of Rageは8分音符や16分音符が組み合わせられたギターのリフなので、大体そこに合うようなベースとドラムが刻むことになる。グルーヴを出しているのはドラムがゴーストノートを所々入れているからというのもあるが、まあまあイーブン(均等)なノリになるだろう。
8分音符や16分音符に対して、3連符を挟むことで、ノリがイーブンな中に全然違うノリが生まれる。これこそ、分かりやすい
この辺でLed Zeppelinのドラム、ボンゾことJohn Bonhamの登場です。
バスドラの頭抜き3連符「Good Times Bad Times」のドラムのうねりが最高にカッコいい。
0:30くらいに聴けるのが頭抜きの3連符。
そもそも、この曲のアレンジがドラム・ベースがブレイクしまくりなので、その間を埋めるドラムが好き放題やっているという楽曲ともいえる。この曲はずっと同じリズムが鳴り続けているパターンからは外れると思うのだ。分かりづらいですかね。
じゃあ、もっとエグイPanteraのVinnie Paulのドラミングなんてどうでしょう。
リフに対して、ドラム(特にバスドラ)のベタベタ音もさることながら、8分音符の中に3連を突っ込みまくるこのスタイルは、なかなか勇気がいる決断。実際、これによってグルーヴのうねりが半端じゃない。このバスドラのぶっ壊れ方がないと味わえないグルーヴだ。
ドラマーにとって足癖が悪いというのは、誉め言葉になるだろう。
Vinnie Paulで言うと、HELLYEAHの「Blood Plague」のイントロのハイハットもイーブンなノリをあえて3連符で崩して、グルーヴを生み出している。
これくらいだと、他のバンドでもありそうなのだけど、ちょっと思いついたものとして。
逆に、3連の中に8分音符を持ち出すなんて技もありまして。UCCのCMでお馴染みのDeep Purpleの「Black Night」です。
2:28位からのフィルインがまさにそれ。この曲はシャッフルで、8分音符がハネているのだが、 そこをあえてイーブンに行くことでグルーヴにアクセントをつけている。
ドラムのソロパートなので、他の楽器とのグルーヴにあまり影響はないが、ちょっと注意を引く演奏なのは確かだ。
こんな具合にリズムの中で、一部だけぶっ壊すとスパイスの役目になって、また別な音楽になる。たまにはそんなことに注目して、音楽を聴いてみるのはいかがだろうか。
こちらからは以上です。
関連記事