Jailbreak

新しい世界の切り取り方

2022年上半期にパワープレイしたアルバム 9枚

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2022年も半分が終わったので、自分が良いなと思ってよく聴いた曲をまとめておく。

前回はこんな感じだった。

 

コロナにもこなれてきて、家にこもることの方がスタンダードになってきていた。

そういう状況の影響があってか、今までの洋楽のロック中心のどんどん前に出てくる音楽から、邦楽のよりポップなものを聴いてきたように思う。

その結果が出ているので、普段より邦楽アルバムが多いのが傾向としてある。

『あの歌-2-』上白石萌音

あの歌 -2- (通常盤)

1.世界中の誰よりきっと

2.制服

3.Diamonds<ダイアモンド>

4.ブラックペッパーのたっぷりきいた私の作ったオニオンスライス

5.PRIDE

6.青空

7.AXIA 〜かなしいことり〜

8.ダンデライオン〜遅咲きのたんぽぽ

9.まちぶせ

10.いかれたBABY

オススメ曲→1,3,4,5,6,9,10

 

女優 上白石萌音が魅せる柔らかさと色気

全体的にエッジがなく、優しく軽やかなサウンドの中に、上白石萌音のエアリーで柔らかな歌声が印象に残る。

楽曲は名曲揃いで、サウンドを丸くする以外は大きく作り替えていないので、原曲の雰囲気を損ねることなく、ちょっとだけ新鮮さを足している。

例えば、「ブラックペッパーのたっぷりきいた私の作ったオニオンスライス」はいい感じのカフェでかかっていてもよいくらい、柔らかいJazzっぽさが出ている。

さらに恋のワクワク感とハネたリズムが相まって、温かみがありながら、軽やかでとてもよく合うのだ。

 

最後の2曲「まちぶせ」、「いかれたBABY」は失恋の歌が続く。

明るい曲を優しく歌うのと、暗めのテーマを優しく歌うのとは、聴こえてくる表情が違う。

失恋の曲になると、妙に色っぽいのだ。

もちろん、楽曲の雰囲気もあるのだが、ウィスパーボイスが上手く活きる。


上白石萌音の歌声自体は、割とフラットなので、音楽の邪魔もしないが、色付けもしない。

それが上手く活きるアレンジがされているのは、さすがといったところ。

 

 

『You Will Be the Death of Me』Light The Torch

You Will Be The Death Of Me

1. More Than Dreaming

2. Let Me Fall Apart

3. End Of The World

4. Wilting In The Light

5. Death Of Me

6. Living With A Ghost

7. Become The Martyr

8. Something Deep Inside

9. I Hate Myself

10. Denying The Sin

11. Come Back To The Quicksand

12. Sign Your Name

オススメ曲→2,3,4,5,6,7,8,9,11,12

 

スーパーグループによるストレートなハードロック

毎回ストレートで、分かりやすくキャッチーでエモいロックを掘り起こしている気がする。

かなりへヴィなFrancesco Artusatoのギターが前に出てくるのだが、それに対してシンセもいい感じに効いていて、ただハードなだけで彩の無い楽曲とは一線を画している。

さらに、Howard Jonesのヴォーカルは太くてパワーがあるので、楽器隊の音圧に負けない。

とにかくアルバム全体の最高出力が半端じゃない。

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リフの泥臭さをあまり感じず、ただ暗いだけにしないパワフルさがある。

メタルっぽくなることもあり、シューゲイザーっぽい曲もあり、基本のポイントを置きつつ、そこから広がっていくので、全体的に多彩で聞き飽きない。

 

『Mayank』Mayank

Mayank

1.Destiny Calling

2.Billy Is On The Run

3.Miracle Mile

4.We Are One

5.Long Live The Soulless

6.Julia's Smile

7.Sign Of Love

8.Hold On

9.From The Heart

10.Eternal Dream

11.Road To Paradise

オススメ曲→2,3,4,5,6,7,8,9,11

 

80年代のハードポップスタイルが気持ちよい1枚

ギターロックのストレートさや、ソリッドで硬派なサウンドも好きだが、それだけでは表現しきれない音楽の幅がある。

そこで、キーボード/シンセサイザーを加えて、ソリッドさをやわらげつつ、音数や音色による広がりを得るわけである。

この辺は、Mayankが非常に上手なのである。

多分メンバーのAlessandro Del Vecchio(Key,Ba)が居ることが、大きいのではないかと思う。

 

今日本で売れているよな、ヴォーカロイドを使ったような音楽や完全にDTMで作られている音楽とは一線を画す。

音楽性も手法も古いと言えば古いのだが、古いから悪いわけではないし、そのスタイルの良さがある。

例えば、「Sign Of Love」なんかは、ロックバラードだが、80年代の曲だと言われても、そうかな?と思えてしまう。

一応、この作品は2021年にリリースされている作品なので、悪しからず。

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Gui Oliverの伸びやかなでしゃがれたヴォーカルに、キャッチーで甘いメロディは本当に耳に残る。

しかも、楽曲が長くても4:20で終わるというコンパクトさもあって、アルバム全体を流して聴くには最高の作品であった。

 

『FIXED』Survive Said The Prophet

FIXED(通常盤)

1.FRAGMENT    

2.Bandaid    

3.Fool's gold    

4.Just so you know    

5.Let it die    

6.Spectrum    

7.I don't care    

8.FIXED    

9.Tierra    

10.Follow

オススメ曲→2,3,4,5,6,7,9,10

 

2016年の作品にして、2022年に聴いても十分新しい

Survive Said The Prophetは、2020年上半期にパワープレイしたアルバムに入っていて、追いかけているバンドである。

日本語をほとんど使わず、洋楽を狙っていながら、アメリカの音楽のおおざっぱさみたいなものは全くなくて、日本のJ-POPの細やかさやメロディアスさを兼ね備えたバンドだといえる作品を残している。

最新作が出ないうちに過去の作品に手を出そうと思って、聴いたのが本作。

Rockスタイルで押していたONE OK ROCKが好きなら是非とも聴いていただきたい作品になっている。

メロディアスで、弾き語りでも十分いい曲だと分かる素材を使いながら、バンドとしてアレンジすることで、より楽曲に説得力を持たせている。

例えば、「Fool's gold」ではクリーンボイス以外にグロウルを使うことで、へヴィで攻撃的に感情を煽ってくる。

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そうかと思うと、「Follow」ではピアノを使った正統派のロックバラードを聴かせてくる。

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この時、歪んだギターで低音域を埋める様な事をしていない点が重要で、一律同じサウンドや同じアプローチをしていないということが分かる。

もっと言うと、引き算ができているので、バンドとしての楽曲へのアプローチが的確なのである。

個人的には、「I don't care」のスロー~ミドルテンポで、リズムで押しながら、サビでのファルセットを使った突き抜けるようなハイトーンがたまらなく好きである。

 

『Actor』緑黄色社会

Actor

1.Actor

2.キャラクター

3.merry-go-round

4.これからのこと、それからのこと

5.安心してね

6.LITMUS

7.ずっとずっとずっと

8.揺れる

9.たとえたとえ

10.アラモードにワルツ

11.結証

12.S.T.U.D

13.Landscape

14.スクリーンと横顔

オススメ曲→2,4,6,7,9.10,11,12

 

長屋晴子の歌を殺してでも、新しい変化に邁進していく

一度このアルバムについては記事にしている。

 

dankantakeshi.hatenablog.com

このアルバムを何度も聴いていると、長屋晴子の声っぽくない曲があることに気付く。

長屋晴子の声っぽくないというのは、より一般的で、どこのJ-POPの曲だ?と思うような歌声であるということ。

「LITMUS」は特にAメロでダブルで歌を重ねているか、エフェクトがかかっているようで、全く緑黄色社会の音楽だと分からないものになっている。

それでも、サビの後半にはお得意の表現力が出てくるので、らしくなさ⇒らしさ、という変化があるのは面白いところ。

 

『レキシチ』レキシ

レキシチ 通常盤(CD+DVD)

1.ギガアイシテル

2.たぶんMaybe明治 feat. あ、たぎれんたろう

3.だって伊達

4.つれづれ

5.縄文ロンリーナイト

6.マイ草履 feat. にゃん北朝時代

7.いきなり将軍

8.Let’s FUJIWARA

9.鬼の副長HIZIKATA feat. ぼく、獄門くん

10.フェリーチェ・ベアト

オススメ曲→2,3,5,6,7,8,9,10

 

いつも通りだからこそ、いつも通りじゃない部分が気になる

本作は、例に漏れず歌詞のモチーフ、楽曲のポップさ、コラボのワクワク感と、期待を裏切らない。

そういう意味では、通常運転であった。

しかし、やけに湿っぽい曲が気になる。

dankantakeshi.hatenablog.com

新型コロナウィルスの影響で、やっぱり内向的になってしまうのは仕方ないのかなと邪推しつつ、そういう変化も含めて、楽しむことになった。

 

『COLLAGE』菅田将暉

COLLAGE (通常盤) (特典なし)

1.虹
2.サンキュー神様 (菅田将暉✕中村倫也)
3.Keep On Running (菅田将暉✕OKAMOTO’S)
4.星を仰ぐ
5.ラストシーン
6.糸 (菅田将暉✕石崎ひゅーい)
7.サントラ (Creepy Nuts✕菅田将暉)
8.うたかた歌 (RADWIMPS feat. 菅田将暉)

オススメ曲→1,2,3,4,5,6

 

自分で演じて、自分で歌って、トータル菅田将暉

当然、金もかかっているし、その分色んなよい楽曲のコンペによるクオリティの高さは確か。

dankantakeshi.hatenablog.com

 

そういうバックアップは当然のことながら、菅田将暉の歌であり、アーティスト性が相まってスゴイアルバムになっている。

最近、さらにジャニーズの楽曲や良さが輝いているが、ある意味で似た様な路線で菅田将暉が輝いている。

それは、俳優というよりは、アーティストなんだなと思わざるを得なかった。

 

『Motorheart』The Darkness

Motorheart

1. Welcome Tae Glasgae

2. It's Love, Jim

3. Motorheart

4. The Power and the Glory of Love

5. Jussy's Girl

6. Sticky Situations

7. Nobody Can See Me Cry

8. Eastbound

9. Speed of the Nite Time

オススメ曲→1,3,6,7

 

The Darknessってこんなにロック色が強かったっけ?

The Darknessと聴くと、ポストQueenと言った感じで、ヴォーカルのJustin Hawkinsのファルセットを上手に使った幅広い音域と、割とベーシックなロックをやるバンドくらいの認識だった。

もちろん、それがカッコよいので、いいバンドだなと思って覚えていた。

それが新しい作品があるということで、聴いてみたら、思いの外ロックだった。

 

特に、ドラムがロックでカッコイイのだが、よくよく調べてみるとドラマーがRufus Taylorなのである。

Rufus TaylorはQueenのドラムであるRoger Taylorの息子で、最初の印象とまたさらにリンクするというウルトラQをキメてくれるわけである。

そんなことを体感したのが、1曲目の「Welcome Tae Glasgae」だった。

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ベースの刻みから始まり、徐々に楽器が増えて盛り上がっていく。

その世界観を確定させるのが、バグパイプである。

何とも言えないイングランドのオーセンティックさや、過去から未来に向かって流れてくる時間を思い浮かべてしまう。

そして、ギターのリフでブレイク後、ドラムのバスドラを絡めたフィルインで一気にハードロックへ駆け上っていく。

この始まり方は、メチャクチャカッコイイ。

ちなみに「Welcome Tae Glasgae」は、グラスゴー方言を使っているようで、 Tae はTo、GlasgaeはGlasgowのことらしい。

グラスゴーへいらっしゃいみたいな意味のタイトルである。

 

同じようなハードロック感を出す楽曲としては、アルバムタイトル曲「Motorheart」も外せない。

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所々で顔出すイングランドの伝統と、ブルース、Justin Hawkinsの歌のクラシックさと、ブラックミュージックをミックスするのとはまた違った音楽性がそこにある。

それでいて、聴きにくさはなく、全体的に薄い色付けであったり、フレーズの一部に顔を出す程度なので、丁度よいアクセントなのだ。

 

最近、ロックはブラックミュージックの融合が多く、そうでなければダンスに行ったり、エレクトロニックに走ったりと、アメリカのメインストリートとなっている音楽にロックを融合させる手法が多いように思う。

そういう時、The Darknessのロックは一味違っている。

 

 

『Control』The Brew

Control

1.Repeat

2.Eject

3.Mute

4.Pause

5.Shuffle

6.Fast Forward

7.Skip

8.Stop

9.Play

10.Rewind

オススメ曲→1,2,3,5,6,7,9,10

 

70年代の雰囲気と、3ピースバンドであることが多彩になる逆説

The Brewの曲は、どれをとっても最高で、3ピースバンドとは思えないが、3ピースバンドだからこそ、あれもこれも全部やってやろうみたいな気概を感じて、ワクワクさせられる。

iPodにはこのアルバムが全曲入っていて、シャッフルで聴いていると、ちょいちょい顔を出す感じだった。

このアルバム自体2014年発売で、ここ数年たまに顔を出しながら、「やっぱりThe Brewはいいな」と薄く長く思い続けてきた。

しかし、全体的に良いアルバムなので、この曲がメッチャ良いみたいな紹介をするほどでもなく、よく聴くかというとそうでもなかったりで、紹介するに至らなかった。

それが、そろそろいい加減The Brewを腰を据えて聴いてみるかと思って聴いてみると、やっぱり良い。

 

例えば、「Skip」は基本のリフをギターが引っ張りつつ、ベースに引き継いだ後にギターがサイケデリックに行ったり、またユニゾンに戻ったりと、なかなかテクニカルなイントロをしている。

ヴァースでリズムが裏からに変わったり、変化が多いのも楽しい。

そして、コーラスではいかにもライブだと他のバンドメンバーがコーラスをして、メインヴォーカルが答える形になるだろうなと思ったら、案の定そのようになっている。

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スリーピースバンドだからこそ、全員で歌って楽器を演奏するという体当たりなところが凄く好きである。

 

The Brew自体は、イングランドのバンドである。

それもあってか、Jason Barwickのヴォーカルは、お隣イングランド出身のU2nのBonoのような太い歌声を持っていて、とても正統派な雰囲気が漂う。

全体的にバンドらしいバンドサウンドと、70年代のビッグなロックスタイルで、Led Zeppelinを思い起こさせる。

そういう、クラシックロックの王道を感じつつ、その美味しいところを改めて聴かせてくれる本作は、何度でも聴きたくなる作品である。

 

最後に

今回iPodを聴いていて、掘り起こしたのはThe Brewくらい。

他は、新しい曲でここ半年に自分のiTunesに追加された曲である。

普段よりJ-POPに良いアルバムが多いのと、ガッツリヘヴィなメタルがなかったというのが今回の傾向であった。

2022年も後半戦が始まっているので、通常運転でどんどん音楽を聴いていこうと思う。

 

こちらからは、以上です。

 

 

 

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